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がんばるのが怖くなってしまっています

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有り難し有り難し 22

初めて質問させていただきます。よろしくお願いします。

がんばるのが怖くなってしまっています。
初めてそう思ったのは3年前に念願かなった海外留学中のことで、燃え尽き症候群のような感じでした。
何もやる気がなくなり、せっかく環境にも恵まれているのにもうがんばれない、やめたい、でも…、と、自責の念にとらわれました。
なんとか自分を立て直して、さぁがんばろう、と思ったのと同時に、もうあんなふうにはなりたくない、とがんばるのが怖くなってしまいました。

それからも、そこそこがんばれているときも、これ以上がんばったらまた転落してしまう、という恐怖をひどく感じてしまいます。

そして昨年、新しい環境(立場)になり、そういうことを考える余裕もなくなって、3ヶ月必死で働いていました。
その中で気付かないうちに自分に無理が生じ、突然自分の感情をコントロールできなくなり3ヶ月休職しました。その頃はもう一生幸せになれないんじゃないかと本気で感じ、辛かったです。

復職後はなるべくゆっくり、がんばりすぎないように仕事をしています。
ですが、本当はもっとがんばりたいです。アクセルをもっと踏みたいです。
でも、もうあんな辛い思いはしたくない、がんばるのが怖い、という思いにひどく苛まれます。
たしかに、辛い思いをするたびに人間として成長できてきたと思います。
でも死にたくなるほど自分を追いつめるのは健康的な成長の仕方ではない気がしますし辛いです。

「がんばるのが怖い」という恐怖を消すにはどうすればいいでしょうか。

長々とすみません。回答お待ちしております。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

がんばる=苦行?

がんばるとは、どういうことなのでしょうか。

自分を苦しめていることを我慢して行うことでしょうか。それを我慢してやり遂げた時ががんばれた時なのでしょうか。

一般的になんとなく、「苦しいこと、難しいことを乗り越える、我慢する」=「良いこと」のように思われているように感じます。

お釈迦さまも、苦行から悟りを得ようとしましたが、苦行からは悟りを得ることができず、中道という道に気付かれました。

「がんばろう」と気持ちで焦っているときは、気持ちが自分の足元から離れ、どこかへ行ってしまっている時であろうと思います。他人の評価が気になっていたり、自分の中にある形のない損得勘定に振り回されていたり・・・時には未来を心配するあまり、心が未来に旅していってしまうことも。

まずは、今何をしているのか意識を向けてみてください。
食事をしている。パソコンを見ている。テレビを見ている。お風呂に入っている。勉強しているなど・・・

それらのことをしている時、頭の中もそのことだけにして、ただ食事をし、ただパソコンを見て、ただテレビを見て、ただお風呂に入る・・・

それが今を頑張って生きていることなのではないですか。それ以外は何にも必要ないのです。今、目の前にあることだけを行じることでいいのではないでしょうか。

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おきもち

禅宗 曹洞宗 僧侶。神奈川県西部円通寺住職。小学校教師。 悩みを吐き出す...
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少しずつ心を慣らしてゆく

まず、カウンセラーや医師などの専門家に相談することは大切です。
それを前提にお話いたします。
いきなり全力でアクセルを踏むのは難しいでしょうね。
少しずつ、今日はここまでできた、今週はここまでできた、今月はここまでできた、という成功体験を積み重ねてゆくのがよいと思います。
焦る気持ちはあるでしょうけど、ゆっくり進む方が安全な場合があるでしょう。
ゆっくり行かなくちゃならないのに速く行きたい、早く済ませたいと思うのは、人間に怠けの煩悩があるからです。
煩悩と戦うことは幸せへの道(修行)なのです。
さて、恐怖というのは、未来を空想妄想すると起きます。
妄想から、今・ここの現実に、心を戻すのが有効です。
南無阿弥陀仏ととなえる念仏の場合だと、念仏は、欲望や怒り・恐怖の感情の激流に飲み込まれた心を、激流に侵されていない白い道に戻す効果があります。
感情に飲み込まれては念仏で戻す、飲み込まれては戻す。
人生って結局、その繰り返しの中で、道草しまくりながら、白い道を少しずつ進むしかないのです。

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有り難し
おきもち

がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

願誉浄史様
あたたかいご回答ありがとうございます。
がんばって成果をあげるというのが夢への近道だと思っていたので、安全かどうかは考えたこともなかったように思います。「成功体験を積み重ねる」ことや、ゆっくり進むことが結果的に良いのかもしれないと気付かせてくださり感謝です。

>ゆっくり行かなくちゃならないのに速く行きたい、早く済ませたいと思うのは、人間に怠けの煩悩があるからです。
こちらも目から鱗でした…怠けの煩悩だったなんて。でも、たしかにその通りだと思いました。

「恐怖」に関してのおことばも大変ためになりました。
「心を戻す」を心がけながら人生を歩んで行きたいと思います。
回答ありがとうございます!

邦元様
ご回答ありがとうございます。
今まで、努力してがんばればがんばった分だけ報われてきたので、そうするのが当たり前になっていました。がんばっている自分に酔っていたのかもしれません。それもあってかがんばることを苦だとあまり感じなくなっていたかもしれません。また、さほどがんばらずに得られた成功や幸福には、罪悪感があります。
もしかしたら、がんばることへの恐怖というより、今までのやり方では太刀打ちできなくなってきていることがそもそもの原因なのかもしれません。
「中道」というのを少し勉強してみようと思います。

私は「未来」に心が向きすぎていたように思います。もう少し、「今」を大切に、現在に注力していこうと思えました。
あたたかいご回答ありがとうございます!

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