見守ってくれてないの?
7月に15年看護をしてきた母を見送りました。
私は看護師なので母を含め、家族全員の相談相手になり、暗くなってはだめだと思い、嘘でも励ましてきました。
2か月前から調子がわるく、病院で神経炎、筋炎と診断され、1日にだるくお風呂にも入れない時や、夜中激痛に襲われ「いたーい」と叫んだこともあります。仕事もできず退職をしました。
私の中では母が(少し休みなさい)と言ってくれているんだろうな。と思ってたんですが、ある日、父から「因果応報。ご先祖さまがした悪いことがきているんだよ。」と、言われました。
確かに祖父は女遊びが好きでもしかしたら堕胎をさせてたかもしれません。父の言う因果応報があるとしたらなぜ私に来たのでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
見守るとはどういうことか-事実を引き受ける私を願う-
二度目のご縁をいただきました。
因果応報とは今目の前でおきているすべての物事(果)には原因があるということです。
おじい様の女遊びと、今のひまわり様の体調不良に因果関係はあるでしょうか?私はそうは思いません。
お父様のご発言に惑わされないことです。人間は何かよくないことが起きると、自分の都合で目に見えないもののせいにしたりするものです。悪霊の様に扱われるご先祖様にしてはたまったものではありません。
さて、タイトルの「見守っててくれないの?」に込められた思いは、
どうして母の看護も献身的に努め、家族の支えにもなってきた私に悪いことが起こるのか?
お母様は仏様となって私を見守り、様々な悪縁を遠ざけてくれるのではないか?
といったところでしょうか。
もし、そうであるならば因果応報にも仏様としてお母様のはたらきについてもご理解に誤りがあることになります。
まず、因果応報についてですが、私が思う因により、私が思う果がもたらされるわけではありません。善因善果、悪因悪果ともいいますが、何が善で何が悪かもわからないのが私たちです。それでも物事には原因がある。ただ、私たちの思い通りにはならないということです。
そしてそれを教えてくれるはたらきが仏様です。私が思う悪を遠ざけてくれるのが仏様ではありません。私がどんなに悪と思う出来事があろうと、引き受けさせてくださるのが仏様です。
善悪を自分の都合で決めて苦しんでいるのは自分ではないか?自分の思いで苦しんでいないか?善と思う果も、悪と思う果も、あなたがいただいたご縁ですよ。
と「ありのまま」の事実という真理を教えてくださるのが仏様。今、お母様はそういう仏様の世界からひまわり様を見守っているのです。
事実に自分の思いで善悪をつけ、事実をねじまげて自ら苦しまないようにしましょう。
体調不良はたしかに大変な状況であると思いますが、おじい様のせいでもお母様のせいでもなく、様々な原因からもたらされたことでありましょう。
医者は治すせる病気しか治しませんが、仏様はどんな病気からも私たちを救います。それはどんな病気だろうと、どんな境遇だろうと引き受けていける私を教えてくださるからです。
仏様の願い、お母様の願いに耳を傾け手を合わせて参りましょう。
仏様は決して祟りを与えません。
あなたの今のお辛い状況は、お祖父様のせいではありません。
因果応報は仏教の説くところではありますが、自分の為した行いの結果を自分で引き受けていくということです。お祖父様の行為の結果は、お祖父様が生前にちゃんと御自身で引き受けておられます。
お母様に先立たれた寂しさ、悲しさをお察し申し上げます。
でも、人は皆別れを経験していかなくてはなりません。お辛いですが、これも人生の事実です。
辛いあなたのその辛さは、自分にしかわからないとお感じかも知れませんが、仏様はあなたの辛さをそのまま御自身の辛さとして感じて下さる存在です。今のあなたのありのままを仏様は御覧になっておられ、だからこそじっとしていられないのです。あなたのところに還り来て既に支えて下さっておられるのです。それが仏様であり、それが仏様の仏様たる所以であるからです。
繰り返しますが、ご先祖の因縁とか、前世の業といったものはありません。あると言った方が神秘的で、あると言った方が霊的な方法?で退治しやすく、退治料を手に入れやすい…しかも、「あなたの置かれた辛い状況の原因は、全てご先祖にあるんだよ」と言ってもらった方が、言われた方はお祓い料で済んで簡単・気がラク。だから、平成の世になってもこういう表現が無くならないのです。
お母様と同じように、お祖父様も仏様としてあなたの身を案じ続け、支え続けて下さっておられること、お慈悲の御心であなたの悲しみを共有して下さっておられることだけは忘れないで下さい。
なぜって、それが仏様だからです…。
質問者からのお礼
吉武様。2度目の回答ありがとうございます。私が思っていることを当ててしまう吉武さんは本当に凄い方だと思いました。誰かのせいにしたい、お母さんあんなに看病したのに。と、憎しみに心が傾いていました。「ありのまま」に考えられるよう、母に少し甘えながら修行していきたいと思います。
小林様。ご先祖様の祟りなどないと聞いて安心しました。仏様も私の痛みを感じているということは仏になった母も私の痛みを感じているんですね。私も病気だから部屋に引き込もっていないで自分なりに努力していきたいと思います。また、行きつけのお寺の仏様に会いに行ってこようかと思います。