hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる
老い・介護・看病・病気
8625views

認知症の祖母の介護でイライラ。諸行無常を受け流す考え方

人は誰でも歳をとり身体も変化していきます。それは自分だけでなくまわりも同じ。家族が老いたり病気になったりするのも変化の一つです。支える側は、元気だった家族の姿を覚えているからこそ、徐々に老いて行き出来ないことが増えて行くことに戸惑いを隠せません。

今回は、認知症の祖母を支えるご家族のお話です。支える側の心が少しでも楽になるヒントをお坊さん方に教えてもらいましょう。

祖母の認知症がつらいです

祖母が認知症になりました。そんな祖母の行動にすごくイライラしてしまいます。しまいには、ふとした瞬間に祖母の死について考えてしまうまでになってしまいました。たまにいつもの祖母に戻ってくれます。その時に「怖いねえ、怖いねえ、寂しい」と言っているのを聞くと、言いようのない罪悪感に苛まれます。

こちらは、10代のいなかもんさんから寄せられたご相談です。

元気だったお祖母さまが認知症で別人のように変わってしまうのはとても辛いことです。何度も名前を呼ばれたり、同じ話を繰り返されたりするとイライラが止まらなくなると言います。そして、お祖母さまの死について思いを巡らせてしまうことに罪の意識を感じていらっしゃいます。このような場合どのような心で接して行けばよいのでしょうか。

変化していく今をしっかりと観察する

今ここにある現象も今ここにある現実も時々刻々変化していきます。それを諸行無常と言います。(中略)1つの物事を成し遂げたとしても、それは永遠のものではなく変化していきます。諸行無常の道理を知って、人は今という時の大切さを知ります。そして、今まで過ごしてきた時間も実に尊いものであったことに気付きます。

(洞林寺 吉田俊英)

こちらのお坊さんは、人を含めすべてのものは必ず変化をして行くのだとおっしゃっています。諸行無常の教えですね。

人は生まれたら必ず死に向かって行きます。それは、どんな人も命は永遠ではなく、儚いものだということ。お祖母さまの変化はわたしたちに「人が元気でいられる時間には限りがある」ことを教えてくださいました。そして、今この時、この姿もまた、永遠に続かないのです。支える側は、お祖母さまの変化を受け入れて最後まで見守り寄り添ってあげましょうとお坊さんは優しくおっしゃってくださいました。

別のお坊さんのお話も聞いてみましょう。

受けて流す力をつける

認知症との付き合いで一番大切なのは、言葉や行動に対して、そのまま受けないということです。そのまま受けるとイライラしてしまいます。当然です。理性で動いているわけではないので、行動の意味を伴っていないからです。

(金剛座寺 染川智勇)

こちらのお坊さんは、お祖母さまの言動1つ1つに反応をせずに受け流しましょうとおっしゃっています。お祖母さまの声にしっかりと向き合おうとする優しい心を持ついなかもんさん。だからこそ、イライラしてしまうし、自分がとってしまう態度に傷ついてしまうのですね。お坊さんがおっしゃるように受け流す力というのは、自分の心を守る1つの方法なのかもしれません。そして、受け流す力は社会の中で嫌なことがあっても強く生きて行くために役立つ教えでもあります。

認知症について理解を深める時間    

全国の自治体で認知症の人々を地域で見守る存在「認知症サポーター」を養成する講習を開いています。認知症サポーターになると、オレンジリング(腕輪)がもらえます。(中略)認知症について理解が深まれば、怒りはマシになるかもしれません。

(浄土宗教師 願誉浄史)

こちらのお坊さんは、認知症高齢者の介護期間は、限られているからこそ認知症について学ぶチャンスだとおっしゃいます。そして、人間は「できることしかできないのだ」と知って、急かしたり、焦らしたりせずに見守ることの大切さを教えてくださいました。

いなかもんさんからの言葉

今はまだ老いも諸行無常も受けとめることができませんが、そういう考え方があることを知り、少し気持ちが楽になれた気がします。

認知症の家族を持つ辛さや苦労は、支えている家族にしか分かりません。「見守る」というのは決して簡単なものではなく、むしろ報われないことが多いため家族の精神的や肉体的な負担はとても大きいはずです。お坊さん方が教えてくださったように、世の中はすべて諸行無常だと知り、受け流す力を身につけて行くことがわたしたちの心を守る手段となりそうです。

そして、わたしたちもいつかは必ず老いて行くことを忘れてはなりません。今回のお話は、限られているこの人生をどのように生きて行くのか考えるきっかけも与えてくださいました。

ありがとうございました。

元の問答:祖母の認知症がつらい

文・hasunoha編集部
この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

煩悩スッキリコラム

「介護・認知症」問答一覧

遠方で暮らす認知症の父の対応がつらい

父が認知症になり、入院しました。 父は、若い頃は自分の事業を行い、羽振りのいい時もありましたが、最後は逃げ出すように家族には何も言わず自分の田舎に帰ってしまい、母や兄がその後始末をして苦労していました。 田舎では自分の両親の介護をするために帰ったと話し、良い息子としてそれなりに人間関係を築いていたようです。 その後、母や兄が相次いで亡くなり、私は父に対する良い感情は持てないままです。時折思い出したように電話が来たり、病気で入院する際には仕方なく連絡先になる程度の付き合いをしてきました。昨年あたりから、電話での暴言や妄言がみられるようになり、先月から認知症で周囲に迷惑をかけてしまったため入院することになりました。残された家族として私宛に病院からの電話がくるのが苦痛です。 年老いた父の対応をしてくださる人たちに、最低限の礼儀として連絡に応じ、遠方なので対応できない旨を伝え、必要に応じて家族としての書類などの対応をしていますが、正直、とても苦痛です。 医療関係の方たちは父の田舎である県に住む人たちで、当然こちらの事情も知らないので、被害妄想かもしれませんが「田舎の父を捨てて都会で過ごす娘」のような対応をされているように感じます。担当の方が変わるたびに自分はそちらには住んだことがない旨、伝えていますが、それでも苦痛です。 父の時間はもうさほど長くないと思っています。だから事を荒立てずに済ませたいと思いつつ、今日、骨折したという連絡をうけ、心配よりも先にしんどさとイライラが募り、こどもたちをきつく叱ってしまい、自己嫌悪に陥っています。 自分が大切にするべきなのは今いる自分の子どもや夫で、自分を犠牲にしてはいけない、自分がつぶれてはいけないと言い聞かせています。それでも、時々嫌になります。もう何も考えずに何もかも捨ててただ「父の娘」としてお役を務めればいいのかと思うことがあります。 私は、今の選択(自分と子どもたちを大切にして、父の周りの人には礼儀を果たす)が間違っていないと思っているのですが、実は間違っているのでしょうか。だから、こんなに辛いと感じているのでしょうか。 それでもしんどいと思ったとき、どうすれば心を強く保てるでしょうか。

有り難し有り難し 29
回答数回答 2

母の在宅介護の中、自分を見失いそうです

今年91歳を迎えた母です。約2年前に突然脳梗塞で倒れ、介護離職し在宅介護を始めて1年経ちました。倒れるまでは独居で多くの趣味を楽しんで暮らしていたのが一転、今は右半身麻痺、失語症、胃瘻造設、全介助の生活になりました。自分では何もできません。言いたいことも言葉が出ず伝えることはできません。口からの食事量が十分ではないからと退院時に胃瘻造設を強く勧められました。母が元気な頃、直接そのような延命措置はしないでほしいと何度も聞かされていた私は反対したのですが、兄姉に説得され、病院からも今のままの鼻からの管では、在宅介護は難しいしデイサービスや訪問診療も受けてくれるところはまず少ないだろうと言われました。退院後、施設入所ではなく在宅介護にこだわる理由は私が介護業界で働いていたため、様々な職員を見てきました。目の届かないところでは何をされるかどんな扱いを受けるか安心して任せられないというところが大きいです。胃瘻の部分は痛みもあり、定期的な交換にも強い痛みを伴います。 今でも胃瘻造設したことを申し訳ないと思っていますし他に方法はなかったのかと後悔しています。突然、自分で何もできなくなってしまった母を見ているのはとても辛く、母の前では決して泣かないようにしていますが夜や1人の時間には涙が止まらなくなります。私の兄の住まいは離れており、姉は近所にいますが役職のある立場のためなかなか一緒にというわけにはいかず介護は私1人で行っています。 私自身の家族は夫は単身赴任、長女は同居していますが自身のことで精一杯、長男は近隣に住まいを構えましたがあと数日で赤ちゃんが産まれます。次女は少し離れてはいますがやはり仕事が忙しくたまに帰ってきても一晩泊まって翌朝出勤という感じです。家族はそれぞれ私を気遣ってくれ母にも声をかけてくれる優しい家族です。 ただいつも1人で全てをこなさなければならず、無性に悲しくなるんです。母に妄想が出てきて大きな声を出したり夜間不眠で独語があったり、変わっていく母の姿に 言いようのない辛さと悲しみが湧き上がってきます。全ては運命だったのだからと母の残りの人生を1日でも楽しく過ごさせてあげたい気持ちもあります。誰にも胸の内を明かせず辛い毎日です。私は持病でパニック障害があり、ストレスが症状を悪化させたり発作を引き起こします。それも辛く苦しいです。でもやらなきゃならないんです

有り難し有り難し 16
回答数回答 2

親の介護がしんどくて死にたい気持ちが強い

去年の8月くらいに(父親が)コロナウイルスで入院して退院したころから様子がおかしいです。 (入院する前までは2階の部屋で生活していたのですが)1階で生活するようになってから大声で何度も怒鳴り散らしたり(少しでも気に食わないことがあると)私に向かって暴言を吐いたりしてきます・・・ (例えば)[自分のお金を返せ]とか(ちなみに本人の年金の中からデイサービスやヘルパーさんへの支払い、介護費用等で工面しなくてはいけないので残るほどの余裕はありません・・・) 他にも[私の母親とグルになっているとか](何を言っているのかは分かりませんが・・・)(父親からお金をもらって介護しているわけでもないのに何故毎日怒鳴られなければいけないのかわかりません・・・) そのほかにも喧嘩になると私の母親に暴力をふるったりしてきて私自身うつ病で精神的に参ることが多いです・・・ よく親の介護で(自殺する人の話も聞きますが)私自身あと何年生きられるか自信が無いです・・・(施設育ちの影響かある程度の忍耐力はあるのですが身が持つかどうか分かりません・・・) 毎日死にたい気持ちが強いです・・・ (それでも)自分の親だから仕方ないと割り切って毎日介護してはいますが・・・ 何か苦境を乗り切るアドバイスがあればよろしくお願いします。

有り難し有り難し 22
回答数回答 2

母の介護、看取りについて私の迷い

相談というよりは、今の私の思いを聞いて頂きたく、書かせて頂きました。 入院中の母に対して、折角同居したのに、同居したという事で世間的に親孝行したと思い、環境が変わった母に寄り添わなかった。時間は作れたのに母との会話が少なかった。入院する少し前、母の表情から笑顔があまりないと感じたのに、それでも私の思い遣りのなさに気がつきませんでした。 去年一度母が入院して、退院後同居を始めましたが元気になり、まだまだ大丈夫と思ってしまいました。でも、今回の緊急入院で初めて母とも別れが来るんだと呆れますが気がつきました。 口から食べれなく、今は鼻と首の点滴で栄養を入れています。 今、病院全体が面会禁止で、2月初めに会った時は顔色も良く、話し方もしっかりしていて、認知もほとんどありません。でもそれから1ヶ月経っていて、その状態が続いているかはわかりません。 病院側から食べる事ができず高齢のため、家で今付けている点滴を外し、静かに看取る方が自然かも、と言われました。そうすると10日ほどしか生きられないそうです。 母に状態をはっきりと話しました。 母は点滴を付けたまま転院したいとしっかりとした口調で決めました。 点滴を付けていたら徐々に弱っていくけど、何ヶ月かは持つでしょう。母は強く、とても優しい人です。きっと私を思い、迷惑をかけたくないと思ってくれての決断です。 転院しても面会はあまりできないかもしれない。それでも生きていてくれたら、会えて話しができる、手を握れる。 ただ、今医師から胃瘻の提案があり、それならもっと生きられ、家に帰れるとの事。 でも在宅で胃瘻となると私は離職。自分勝手ですが、私から今の職場を取る事は考えられない。周りからは、辞めてもまた新しい所が見つかる、趣味をしたら良い、そう言われるけど、年齢的にも今より居心地が良い職場を探すのは困難だとわかっています。 後悔のないように介護してあげて、と言われますが、胃瘻をしない、家で看取らず転院を選択する事は、母を大切で失いたくないと言っている私と矛盾していますか。 子供が胃瘻しないといけない状況になれば迷わず選択して、仕事も辞めます。母が胃瘻をして以前のようになるなら決めます。 でもそれは不可能だから。親不孝ですか。薄情ですか。きっとこの選択を後悔するのでしょう。でも胃瘻を選び、家で介護、看取りの選択に迷っています。

有り難し有り難し 23
回答数回答 1

年老いた母への対応

ご相談させて頂きます。 母は今年誕生日を迎えると90歳、私はつい先日60になりました。一人暮らしの母が心配で、週に1,2回は様子を見に行き、通院の付き添いや買い物を代わりにしたりとできる範囲で力になっているつもりです。しっかりしていますが、物忘れだけが激しく、つい今しがたの会話や行動も忘れ気味で、そんな時私もついキツい物の言い方になってしまうことがあります。 言ってからすぐ反省し、フォローするのですが私も大人に成りきれずで何度も同じ過ちを繰り返してしまうのが現状です。 60の誕生日を迎えて、直接言えずにいた今までの感謝の気持ちを素直に手紙に書き、郵送しました。毎日朝と夕と安否確認も兼ねて電話をしますが、手紙が着いて数日たった頃、「迷惑ばかりかけて、こんなに長生きしちゃって本当に悪いね」ととても暗い雰囲気で言われました。 手紙には心からの感謝の気持ちを書いたつもりでしたが、ひと言「お母さんが忘れてしまうことにキツい言い方をしてしまい、ごめんね。いずれ自分も通る道なのにね」と書いてしまい、恐らくその一言に傷ついてしまったのかと考えられます。 電話口でも私は自分の口調を反省していることを伝えたのですが、母は長生きして迷惑ばかりかけていると言うばかりです。 手紙など書いたことを後悔しています。 足腰も弱くなり、自分の思うようにいかないことに母も辛いのだろうと、でも何を言っても逆効果になってしまうのかと自分もやりきれません。 この先、私は変わらず接していくつもりですが、この母にどのような言葉をかけていけばいいのか悩んでいます。 宜しくお願いいたします。

有り難し有り難し 20
回答数回答 3