心を平静に保つには。支えとなる本や言葉はありますか?
季節が秋、冬になると、心がふさぐことが多くなるのでご質問しました。
毎日いろんな経験をすると、その都度心が揺れ動きます。
人間関係のもつれや仕事が上手くいかなかったときの失望、家族につらく当たってしまったあとの後悔・自己嫌悪。将来どうなるのかといった不安や自分が独りぼっちになったことを考えたときの悲しさ。失恋や身内の不幸など、大きな衝撃をうけると体調にも影響がでます。
およそ「一日平和だったな」と思える日のほうが少ないような気がします。
そんな時、よく「お坊さんはどうやって心を平穏に保ってるんだろう」と考えます。
法事で家にいらしたとき、温かい雰囲気で話を聴いてくださる。いつもにこやかで、周りの人を優しい気持ちにさせる。私自身そういう人になりたくて、仏教に興味をもちました。
ただ、本屋さんに行ってみても、これは!としっくりくる本に出会えずにいます。
お坊さまがたには、心を落ちつかせるおまじないとなるような本や教え、言葉はありますでしょうか。
仏教のこと、おぼろげには知っているものの、自分の心の糧にできるまでには至っていません。
お坊さまがたの心のよりどころをお教えください。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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雑草を刈り込むイメージ
実生様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
僧侶だからと言っても、なかなか心を平穏に保ち続けるというのは難しいものでございます。
そうですね。。何とか毎日のお勤め(常に初心に返れるお勤め)によって、ぎりぎりに保てているような感じでしょうか。
例えれば、何もせずにほっておけば伸び続ける雑草みたいなもので、毎日、少しずつにでも刈り込むようなイメージになります。
もちろん、いずれは刈り込むだけではなくて、根ごと断ち切ることが必要となります。
この場合、煩悩が伸びる芽であるとすれば、根は、無明(根本的な無知)というものとなります。
仏教における智慧と福徳の二資糧の実践にて、いずれは根ごとしっかりとやっつけたいものであります。
本のお薦めとしては、大乗仏教の思想哲学全体をほぼ押さえることのできます「ダライ・ラマの仏教哲学講義」(大東出版社)です。少し全体の理解には時間と根気もいるかとは存じますが、是非、取り組まれて頂けましたら有り難くに存じます。
川口英俊 合掌
瞑想してみては
質問者からのお礼
川口英俊様
ご助言ありがとうございます。私の悩みもつまるところ無知からのびている煩悩です。毎日仏様と向き合うひとときをもち、心を静めて一日をはじめたいです。ご紹介いただいた本もぜひ手にとってみたく存じます。ありがとうございました。
願誉浄史様
仏様と向き合う方法として、マインドフルネスもいいな、と気づきました。考え事をしすぎて頭がパンクしそうになることもあるので、瞑想のやり方を調べてみようと思います。貴重なご助言ありがとうございました。