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思いやりの心とは、乱れない心と生き方とは

回答数回答 1
有り難し有り難し 8

長文ですが、よろしくお願いします。
私の理想の人間像は「自分や他人の負の感情に対し乱れない心と姿勢」「思いやりのある言動ができる」です。
もう少し具体的に言うなら、ここでご相談に乗ってくださるお坊様方のような人間になりたいのです。

小さい頃は仏教幼稚園に通っていました。
毎朝阿弥陀様に手を合わせて、園長先生であるご住職のお教を聞いて育ちました。
卒園後はボーイスカウトに所属し、お寺を拠点に(月に数回借りて)活動していました。
他の方に比べれば、私はほんの少しだけお寺さんやお坊様は身近に感じます。
ですからきっと余計に、お坊様──仏の教えに基づく考え方や姿勢──に憧れがあるのだと思います。

実は最近、私個人の思いやりのなさや気配りが不足していたことにより、複数名の方々に不快な思いをさせてしまいました。
趣味が共通して集まったグループ内でのことですので、もうそこへ戻ることは出来ないでしょう。謝罪もしておりますがお許しが出るとも思っておらず、これで縁が切れるものと覚悟しております。
今後はこのようなことがないように、しっかり自戒の気持ちでもって過ごそう、と思うのですが。

そもそも、思いやり、とはなんでしょう?
「情けは人の為ならず」と聞きます。しかし立場が違えば善悪の見方も変わってきます。「ありがた迷惑」になる場合もあります。最悪「押し付け」「自己満足」と言われてしまいます。
私はこれから何をもってしての思いやりの心や情けを持ち、生きていけばいいのでしょうか。
このままでは人見知りと自己否定が加速してしまいます…。

また、こういった自分自身が抱える不満、不安、苛立ち、周囲から発せられる負の感情──これらに振り回されない心と考え、身体を持ちたいのです。
他人の愚痴から苛立ちが伝染してきます。その気持ちを自覚した瞬間に、自己嫌悪に陥るのです。とても疲れてしまいます。
楽しいこと喜ばしいことなら構いませんが、哀しいこと怒りを覚えることで乱される自分が嫌なのです。
そのためには、まずどんなことをすればいいのでしょうか。
どうか、教えて頂けませんでしょうか。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

こだわらない

拝読いたしました。

まず、私が違和感を感じたのは、そのグループの方たちに、やけにあっさりしているな、という事です。
どちらかといえば、負の感情を抱かれていた、と感じます。

思いやりについて、とても気にしておられますが、このグループの仲間から、そのような言葉を投げかけられたからでしょうか。

まず、思いやりには、こだわらないでください。
あなたは、強く意識しておられます。
だから、ありがた迷惑、自己満足、押し付け、様々な言葉が浮かび、どんどん迷いの世界に入り込みます。

思いやり、素敵ですね。
しかし、すべてを完ぺきにこなせるなど、人間にはできません。
この世の中は、不完全です。

だからこそ、こだわれば、苦しみの世界に迷い込みます。

怒りの感情ですが・・・
これを否定してはいけません。

あなたから発したものを否定する。
すなわちあなたの存在を否定することになります。

怒りが沸いたときは、腹が立った、と感情で自分を表現。
そのうえで、自己完結。
以上。

例えば、街を歩いていて靴を踏まれました。
足は痛いし、踏んだ相手は何も言わず立ち去りました。

当然、腹が立ちます。
そこで、大人なんだから、怒ってはいけないとガマンせず。
「くそー痛てーじゃねーか」「もう!」と、自分に言う。

これで終わります。
怒りは消えて、怒っている自分がおかしくなります。
訓練は必要ですが。

申し訳ありません。
お坊さんの答えではありませんでした。

どのようにすればいいか?
この世の中は、思い通りにならなくて当たり前の世界です。

だから、頑張ったり、こだわりつづけ、この世を変えようとすればするほど、疲れていきます。
だって変わらないのですから。

頑張らないで下さい。
疲れないで下さい。
自分をだまさないで下さい。

あなたも仏に仕える身です。
我々の行く先は、仏さまにお任せしましょう。

最後に。
あなたの命は自分でどうこうできるものではありません。
ゆめゆめ忘れるなかれ。

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時宗の寺院で住職をしています。 今の時代、お寺の在り方とは、僧侶とはいっ...
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質問者からのお礼

学善和尚様。
お忙しい中、お返事ありがとうございました。
お話を拝読し終えた時、声を上げて泣きました。20代に入りこんなに泣いたのは初めてです(笑)
私が文章にはしていない仲間へ抱いていた負の感情も見通され。「自殺(もしくは自傷)の危険性」も感じ取られ。そして数々のお言葉を選んで、お返事をくださったことに、感謝しかありません。
あれからグループ内で進展があり、中心になって企画をしてくれている人から、「大丈夫だよ。そんなに心配しないで。ゆっくりやって行こう」と言っていただけました。その気持ちとお言葉をありがたく頂戴しつつも、しばらくは活動を自粛する旨をお伝えしております。
学善様がほかの方へ回答されているものも拝読し、「こだわりすぎない」ことの大切さとはどういうことなのか。私へのお返事と合わせて、じんわりとしかし確実に心に沁みてきました。
どのように生ききるのか、どのような人間で終わりたいのか。未熟者ではありますが、常に見つめながら、時に頑張り時に休息し、歩いてみたいと思います。
やはり、お坊様へご相談して本当によかったです。私の大好きなお坊様です。
ありがとうございました。
合掌

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