娘が学校で怪我をしました。
小学生の娘が学校で怪我をし、救急車で運ばれてしばらく入院しました。
怪我をした場所があまり良くなく、医師からは傷が残り再建手術の可能性や全身痙攣が起こるかもしれないと言われております。
事故以来、私も仕事を休み娘の自宅療養中です。
怪我の原因には、何人かの児童が関わっており、先生の目の前(先生は見えていなかったそうです)で起きた事故ですが、どの子も娘に怪我をさせようとした訳ではなく結果的にたまたま居合わせた娘が怪我をしてしまった状況です。
幸い学校側も相手方も謝罪をして下さり、とても真摯に対応して下さっております。
子を持つ同じ親として、相手方の気持ちが痛いほどわかるので、とても複雑な心情ですが怒りなどはありません。ただ、娘は命に関わるような怪我で術後の痛みや入院中の淋しさなどから、まだ整理がつかず相手方に会いたくないと言っています。
夫は弁護士を通して、治療費やかかった費用、慰謝料を請求すると言っています。
私も反対ではないのですが…正直、慰謝料を請求する事に心に引っかかりを感じます。
世の中は因果応報だといいます。
相手方に慰謝料の請求などをして、それが回り回って我が子達に返ってくるのではと、不安な気持ちがあります。
生きていく事は沢山の方にご迷惑を掛けていく事で、私達家族も日頃、誰にも迷惑に掛けてないと言えば嘘になります。
正解はない事だと思いますし、自分達が出した答えが全てだとは思いますが、仏様の世界から見て、私が行おうとしている事は業が深いでしょうか。
長々と申し訳ありませんが、ご回答頂けると幸いです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
娘さんのサポートとなる選択を
ご相談拝読しました。まずもってお見舞い申し上げます。順調なご回復を念じます。
さて、非常に悩ましい問題ですね。
慰謝料請求自体が業が深いとは私は思いません。弁護士さんと相談なさってそれが妥当なのであれば法的・判例的・社会通念的にはそういうものだということなのでしょう。
しかしご心配の因果応報についてはやはりよく考えたいところです。
>回り回って我が子達に返ってくる
と不安になられていますが、因果応報とは結果には原因があるという当然の道理ですので、何も原因がないのに不幸が降りかかるということではありません。もっとシビアで現実的なものです。
たとえば今回のケースでは
・保護者間の関係が悪化しそれがお子様同士の関係に影響する
・お子様の心理に何らかの負担がかかるおそれがある
・訴訟で請求を通すことに躍起になり肝心のお子様の心のケアがおろそかになる
などが可能性として考えられるでしょう。もちろんこれは因から考えた想像に過ぎませんので慰謝料を請求してもそうならないことも十分にありえます。
かといってではこれらを気をつければ必ず避けられるかと言うと相手がいることですのでそう思い通りにはなりません。
結果が生じてそこから振り返れってはじめてやはりその結果には原因があったことが思い知らされるのです。
私たちにできることは結果は縁に委ねつつ、それでもせめて縁を調えようと尽くす事でしょう。
今大事にすべき縁は何でしょうか。
ご家庭の経済状況にもよるでしょうが、もしも慰謝料を請求せずとも生活の安定自体はそれごど支障がないのであれば、まずはお子様が今後どうしていきたいのかをじっくり親子で話す事ではないでしょうか。
このまま同じ学校でまた友だちと仲良くしていきたいのか。
どうしてもそれは難しいので学校という環境からリセットしたいのか。
そうしたことでそれに沿う選択肢は限られてくる気も致します。お子様がここで挫けてしまわないよう、その歩みをサポートできる選択を模索しましょう。
仏様は罰を与えたり褒美を与えたりする存在ではありません。ただ目の前の法則に目覚めた人です。
私たちの未来はいただいた縁の中で私たちが何を思い、何を語り、何を為すかによって形作られていきます。
このたびのご縁にどう立ち向かうのか、ご両親の態度選択をお子様も見ていることでしょう。
質問者からのお礼
とても丁寧でお早いご回答どうもありがとうございます。
吉武和尚が仰るように、娘や関わった児童の心のケアが1番大切ですね。
退院後しばらくは、日中は元気に笑顔を見せますが夜中にうなされたり泣き出したりしていました。
今はだいぶ落ち着いていますが、相手の子を受け入れるまでには時間がかかるのかなと思います。幸い児童数の多い学校なので、相手の子達と顔を合わせる機会も少なく、退院後登校する事が出来るまでに回復しました。
娘が学校生活を快適におくれるように、夫や弁護士の先生とよくよく話し合ってみます。
また、慰謝料請求の事、業が深いと思わないと仰って頂けて少し安心しました。
ただ、金額については全身痙攣などの後遺症が出てしまった時の治療費や、女の子なので顔の傷の美容整形費用など将来的にかかるであろう金額の設定を誤らないように気をつけます。
周りの友人に相談すると、有り難い事に皆親身になってくれるのですが、親身になってくれるあまりどうしても偏りが出てしまっていました。
この様な世の中の法則に従ってのお言葉をいただけて、本当に良かったです。
一番大事にしたいご縁を見失わない様に、娘に胸を張れる様なご縁にしていきます。
本当にどうもありがとうございました。