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親の病気

回答数回答 1
有り難し有り難し 14

高校三年生で春から大学生になるものです。
母が末期の胃癌で2年前に余命一年と医師から宣告され、去年の11月末より
体調を崩し、現在入院しています。医師からも、心の準備をしておいた方がいいと言われていますが、母が絶対に良くなると私たち家族は信じ、今も病院に通い母のそばにいます。

しかし、精神的に辛く、この歳で母を失うということはとても耐えられません。学校に行けば友達が家族の話や母親の話をしているのを聞くと、
何故わたしばかりこんな辛い思いをしなくてはいけないのか。
何故母が病気になってしまったのか。
友達は放課後に遊びに行っているけれど、私は早く家に帰り、母がいないぶん、洗濯物をたたみ、部屋の掃除、夕食の準備などをしなくてはいけません。
父親や弟、祖父母も母のために病院に毎日通い、母の世話をしてくれているので、私も頑張らなくてはいけないと思っています。

最初は、母のためにも、家族のためにも、母が家のことを心配しなくてもいいようにと、全力で家事をやってきました。家族も頑張っているし。

しかし、最近、春休みになり、たまに、SNSを見れば友達は毎日のように出かけているのを見て、こんなこと思ってはいけないですが、
何故私たちばかりこんな辛い思いをしてやっていなくちゃいけないのか。
私だって友達と遊びたい、家に帰ったら家族がいて、母の料理を食べたい、母と買い物に出かけたい、家族みんなでたわいもない話をして笑いたい。
そんな当たり前のようなことを毎日ふつうにしている友達にとても羨ましく感じるようになりました。

こうやって思っている自分がとても嫌です。母が一番病気になってしまい自由に生活できないのが悔しいのに。
母の世話に忙しくなり、
自分の時間が作れず、日々イライラした状態が続き、父親と衝突してしまうこともあります。

こんな私たち家族になにかお言葉をいただけるとありがたいです。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

苦しみ、辛さは留まりません。

初めまして、今日は。

私も、妻を脳腫瘍で看取り、ご縁があり数年後に子ども達を純粋に好きになって頂けた彼女が出来た矢先、東日本大震災で彼女を失いました。

何故、これでもか・・これでもか・・・と辛い事が押し寄せるのか・・と、濃い霧の中に放り込まれ、方向も、どこにいるのかもわからないまま、必死に出口を探し求めていたことがありました。

以前は、明日が訪れる事や目の前にある全てがあって”当たり前”、目の前に仕合せがある事にすら気が付きませんでした。それらが、音もなく崩れ落ちてしまったのです。

命あるものは必ず、”死”があります。そして、別れがあるから・・新たな出会いがあるのです。周りがこうだから・・お友達が羨ましい!と、思って当然だと思います。今回の出来事によって、あなたは多くの気づきを頂けませんでしたか?

命という事、親の有難さ、仕合せが目の前にあること・・

命とは、どれだけ長く生きたか・・などではありません。どれだけ、大切に日々を生きたか、どれだけ善き事が出来たのか、いかに自分らしく過ごしたか・・それが大切だと思います。

私たちは、過去に生きていたり、未来に生きているのではありません。先を考え不安や心配をするよりも、この瞬間という今を大切に過ごして見てください。

お母さまと例え残された時間が短くても、あなたらしく辛い時だからこそ”笑顔”でお母さまとの”命の時間”を過ごしてください。無言の介護という事を、介護士をしていた時に知りました。語らず、ただ隣にいるだけです。共に共感をするのです。それだけで安心を与えられるのです。

生きる事は辛い事が多く、善き事が少ないです。だからこそ、”有り難い=ありがとう”なのです。辛い出来事も、時が立つのと一緒で留まりません。動き出します。今の辛さも、苦しみも無駄にはなりません。きっといつか活かされる時が訪れます。お友達を想い、羨ましいと思う事以上に大切な事を得られたのです。お母さまは毎日、365日休みなく家事をされていた事にも気づいた事と思います。目の前にある仕合せを大切にして、必ず善き事が訪れます。決して”頑張る事”をせずにほどほどで、時には心を開放しあなたらしく人生と言う冒険旅行を仕合せに歩めますように心よりお祈り致しております。

苦しいとき、辛いときはいつでもお寺のメールにメッセージください。

合掌

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