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自分が生きていていい理由が分かりません

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有り難し有り難し 16

はじめて投稿させていただきます。

 私には自分が生きていていい理由が分かりません。
このような思考になったのは、「躁うつ病」という病気に罹ってからです。

 私は大学を無事卒業し、その後1年半会社員として平穏に働いていました。
その頃は仕事も自分なりにでき、周りの人に認めてもらえていました。

 しかし、その後転職をし色々あって適応障害になってしまいました。
そして休職・退職後も悪化し、ついには躁うつ病になってしまいました。

 アルバイトや正社員でのお仕事に退職後チャレンジしてきましたが、
いずれも長く続かず、体が動かなくなり退職を繰り返しています。

 そんな状況でも、一緒に暮らしている恋人や実家の両親、周りの友達は
皆私を責めることはせず、支えてくれます。
私は、周りに本当に恵まれているのです。

 しかし私は一向に働けず、周りの皆に恩返しがまるでできません。
生きているだけで、良くしてくれている皆の迷惑になるのです。

 私は生きていていいのかとずっと思っています。
それを否定してくれている人が居ながらも、生きていいと思えません。

 早く死んだ方が皆私から解放されて幸せになれるのに、死ぬ勇気がなく生きています。
誰にどれだけ否定してもらっても、ずっとずっとそう思ってしまいます。

 生きていい理由ってなんなんでしょう。
生きているだけでいいなんて綺麗ごとだと思ってしまいます。
どうしたら私は許してもらえるんでしょうか。助けてほしいです。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

返さなくていいもの

こんにちは、初めまして。

これまでよく頑張ってこられましたね。
大学卒業後、会社員をされ「周りの人に認めてもらえていました」という文面からはあなたの喜びを感じます。

転職を機にご体調を悪くされながらも、再チャレンジを試みられたあなたの一生懸命な足跡に思いを致します。歯がゆい思いでしょう。

あなたは、「周りに本当に恵まれているのです」と仰っていますね。では、あなたは何故「生きていていいのか」と問うのでしょう。あなたは、その答えとして「生きているだけでいい」という言葉(恐らく近しい方がそう言ってくれているのでしょう)では首肯できない、「綺麗ごと」だと思っておられるようです。

私は、その理由が「私は一向に働けず、周りの皆に恩返しがまるでできません」という一文に現れていると思います。「恩返し」とは、美しい心のやり取りという言い方もありましょうが、相手と対等になろうという試みでもあります。

贈り物をもらう。もらった方は、同等のものを相手に返そうとするでしょう。もらったものより価値の低いものを返すのも気が引けますし、返していないと一層居心地が悪いものです。なぜなら、道義的に自分が為さねばならないことをすっぽかしている感覚があるからです。そして、同等のもの、或いはそれ以上のものを返したならば満足できましょう。何故なら、少なくとも対等になれたからです。物々交換なら、返さなくていいよというのは確かに「綺麗ごと」でしょう。

あなたは、このもののやり取りのように、周囲の好意を受け取っていないでしょうか。人間と人間のやり取りは、全てが物々交換のごとくではないと思います。見返りを求めない一方通行の試みがあるのです。「恋人」、「実家の両親」、「周りの友達」の損得抜きのあなたへの思いを、愛情とも言い、友情とも言うのではないでしょうか。見返りを求めない、返礼を求めていないのです。

周囲の人は、あなたを対等だから大切にしてくれるのではありません。また、対等になることを求めてもいません。ましてや「生きていい」という許可不許可をだれも裁定しません。対等、上下そんなもの関わりなく、周囲はあなたが好きだからあなたを大切にしているのです。その至ってシンプルな事実を、どうぞ大切に心に納めることをお勧めします。

無理せず、今を丁寧に歩まれていってください。
これからもどうぞお幸せに。

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おきもち

釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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質問者からのお礼

お言葉をいただきありがとうございます。
確かに私は、貰った恩は必ず返すという言葉を人間関係にも当てはめていました。
返せなくなったらその時は嫌われると恐怖していたことも事実です。
しかし、お言葉をいただいてそんなことはないのだと初めて理解できました。
私は私の好きな人に、自分が出来るだけの好意を伝えて生きていきたいと思います。
本当にありがとうございました。明日からも生きて行けると思えました。

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