大学院を辞めるべきか
はじめまして。
大学院を辞めて就職活動をすべきか、大学院に残るべきか、今、何をすべきか悩んでおります。
人文系学問の研究者になりたい、研究と調査が楽しい、と思いこの春に大学院に進学しました。ですが、院試と卒論執筆時に熱意と自信が消えました。
わたしの悪癖が原因です。わたしは、とにかく怠けてしまうのです。後回しにして、やらないのです。小さい頃からそうでした。
研究者を志すなら夢が潰えた時の代替として教職を取るべきだったのに、別になりたくないから、と怠け癖を発揮し途中で講義を受けるのをやめました。
院試の勉強も全然やれませんでした。大学受験の後は一切英語の勉強をしていないので院試はボロボロ。自信のあった研究も面接官の先生の質問の意図すらわからず...。
卒業論文の執筆も精神が追い込まれました。
思えば、人から褒められるのが嬉しくて自分は研究が好き、向いていると勘違いしてしまっていたのでしょう。
だから、自分が全然できていないとわかると、すぐもういいや、やりたくない、と情熱が消えてしまう。
このような考えが甘くメンタルが弱く頭の悪い自分は、東大京大レベルの方ですら三十を超えても仕事に就けないという恐ろしい世界ではやっていけない、と判断しました。
じゃあ、どうするのか。
今すぐ就活すべきか。でもせっかく進学したのに。お世話になった教授を裏切るのか。
では、修士課程後に就職すべきか。そもそもコロナ恐慌で正規雇用先はあるのか、就活と修論執筆が両立できる自信は全くない。
公務員の勉強も学力が中学生レベルに落ち込んだわたしです、取り組み続けられる気がしない。
興味のあった企業のお仕事も、おそらく今後、コロナウイルスの影響でなくなる可能性が高いです。
そもそも怠け癖のある私は何もできない。
現在、大学院の研究も課題も全く取り組めていません、論文も書ける自信がありません。
怠け者の自分が嫌い、変わりたいと思って監視が厳しい高校に行きましたが、結局変われませんでした。
ごめんなさい、とても文章が汚いですね。
もう何をすればよいのか、何をしたいのか混乱してわからないです。
研究者になる、研究が楽しいという自分のアイデンティティが消えてしまって、もう自分がわかりません。
この先、生きていく自信がありません。
わたしは今、何をして、何を目指すべきなのでしょうか。
怠惰 何もせず毎日を過ごしてしまう
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
焦らないで。心配を整理してみましょう。幾つかの心配は許して
よく相談して下さいました。有難うございます。今まで一人で頑張ってきた自分を褒めて欲しいです。今あなたは、本当に色々なことが不安になっている。少し整理するのがいいように感じました。人間は、常に不安を抱え続けて生きるものです。(不安も大事な意味がある)
あなたの不安が今どういったものでいくつあるか。ノートに書く等して整理してみるのが良いと感じます。認知行動療法の知見によれば正体不明の不安に名前を付けていくだけでも少し心が楽になります。正体不明のものが一番怖いからです。不安の中で何が一番不安ですか?幾つかの不安はそのままにして、とりあえず許し、どれか一個へのアプローチ方法を考えてみませんか?他の不安は一旦棚上げにする。あなたは、研究が楽しいという自分のアイデンティティが崩れてしまったと言われます。アイデンティティ危機というものかもしれませんね。エリクソンという教育学者はアイデンティティは何度も作って壊し、作って壊しするものだと言います(だから壊れたり揺らいだりすることは良いことだとすらも言う)。現代ではアイデンティティの確立は30代~40代までかかると言います。あなたは今まで自分だと思っていたものが一度壊れる時期に差し掛かっているのかもしれない。それは一般的には10代で終わらせるべきだと思われていますが、そんな事ありません。(世間の価値観に縛られすぎていませんか?)
研究以外で楽しいと思っている事は何ですか?人間は、過去現在未来を持って生きています。仏教はこのうち現在を大事にします。一瞬一瞬が縁の上に偶然生かされている命と考えます。今しかない。過去に縛られないし、未来を想像しすぎない、夢を見ることも、過去に絶望もしない、常に新たな今を生きるのが仏の教えです。しかし、やっぱり未来も過去も大事なんです。今のあなたは、将来の不安、将来があまりにも大きな比重を持っているから、将来より、少し今を大切にする所に比重を置いてみてはどうでしょう?未来は分からないし、変えるのは容易ではない。多分今急いで就職したとしてもまた後悔するかもしれません。大学院でたとえ2年で出られなくても少しゆっくりしてみるというのもありです。本当に未来が分からない時代です。焦っても確実な未来はありません。
〔参考〕私とは何か、エリクソンの人間学、ぼくらの中のトラウマ
追記 返信有難うございます。応援しています。
質問者からのお礼
一年越しという無礼、お許しください。あたたかいご回答、誠にありがとうございました。あれから未来の不安や過去の後悔に潰されそうだったのですが、お坊さまがお伝えくださった「今を生きる」「今を大切にする」ことに少しずつ目を向けてみました。
怠惰な自己への激しい嫌悪と、好きだったものが好きじゃなくなる絶望感で、毎日毎日つらくて髪を抜いていましたが、「今」できることをしようと思い、少ない文字量ではありますが論文執筆にどうにかこうにかチャレンジして書き上げることができました。
気づくと、いつしか髪を抜くこともなくなりました。
研究以外に好きだったことは、なんだったろう、と考え始めました。たくさんありました。音楽を聴くこと、文章を書くこと、知らない土地に行くこと、誰かの話を聞くこと、ふと思いついたレシピで料理を作ること。
就職活動も行き当たりばったりですが、無事に決まりました。離職者数が多いので不安はとてもありますが、上記に挙げた私が好きなことに携わる企業です。
この先、どうなるかはわかりませんが、これからも「今」を思いつめすぎない程度にのんびりゆっくり、精一杯頑張ってみようと思います。
また、苦しかったけれど、やはりどうしたって好きだと感じてしまう研究と、そしてお世話になった恩師にどんな形であれ何かお返しでたらな、ずっと関わり続けたいな、と思っています。
本当に、回答してくださりありがとうございました。
新型コロナウイルスが未だ猛威を振るっている状況です。どうか、お坊さまもご自愛くださいますようお祈り申し上げます。