職業柄色々な人と出会います。例えば、田舎の農家のご老人などとお付き合いしていると、今の基準であれば所謂「コミュ障」とカテゴライズされる方は、物凄くたくさんいらっしゃります。ただそれでも村の中ではお見合いで一緒になった奥様と家庭を築き、平凡でありながら穏やかな人生を送られています。翻って今の若い方々は本当に要求されるものが高すぎる。昔の方々が想像できないレベルのものを満たさないと所謂「まとも」な人とみなされない状況になってしまっているように思えます。ただこれは世間の常識が、そうなっているだけで、そして先に話した田舎のご老人などと比較すれば、今の基準（これは時代時代の基準もそうだと厳密に言えばそうなのでしょう）というのは単なる幻影にすぎないと思うのです。そしてそこで生きている貴方を含め、多くの若者もその幻想に囚われている。その意味では本当に厳しい時代です。世の一般的な基準という枠にはめられて辛い思いをしている若い方々はたくさんいらっしゃると思いますが、どうか世間の雑音などに惑わされず、自分を基準にしてください。世間がなんと言おうと、貴方は貴方ですし、貴方はそれで良いのです。自分のことくらいは自分が認めてあげてください。もちろん様々な苦悩を抱え、葛藤が綺麗に晴れることはないかと思いますが、それも含めて、それで良いのです。

持斎

片田舎の真言宗智山派寺院の一僧侶です。宜しくおねがいします。

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