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祖母の面倒を見たくない

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26歳アルバイト、実家暮らしの女です
不快感のある話になるかと思いますが、どうかご相談させてください

私は今実家暮らしです。70代の父と50代で膝が悪く昔から気持ちの不安定な所のある母、一つ下のアルバイトの妹と一緒に父の年金と姉妹が出す少しのお金を頼りに暮らしています

近くに亡くなった父方の祖母が住んでいた母屋があります(もう人が住んでおらず、ネズミが出たり屋根の一部が壊れているそうです)

相談したいのは母方の祖母についてです。現在70代後半で、とある宗教の信者です。独り暮らしをしています(少し離れた所に祖母の兄(もう亡くなっています)の家族が住んでおり、面倒を見てもらっているようです)

その祖母から今日電話がありました。「あなたの所の母屋空いてる?実は自分の家の屋根が壊れてしまい、そっちに行きたいと思ってる」

これを聞いて、私はものすごく怖くなりました。祖母の面倒を見なければならなくなるのではと不安になりました。それで、強い口調で「屋根を直せるか確認してみたら」と何度も繰り返し言いました。

祖母は悪い人ではありません。でも、耳が悪いせいか相手の話をよく聞かず嘘か本当か分からないことを大声で話し続けます。それが怖いし、そんな祖母を見てると自分がみじめな気持ちになってきます。

最初に少し書きましたが、私は26歳にもなってアルバイトです。最近シフトが少なくなり、他の所のかけもちを始めようとしている有り様です。

これまで私は不登校、定時制、大学編入したが中退と、きちんとしたことがありません。

その上祖母を助ける財力もないし、後々祖母の面倒を見る優しさもないのです。それに今さらに気づきました

父は真面目ですが器用でなく、耕作放棄地をうまく管理できず周りから言われ、ストレスをためてしまうような人です。

母はヒステリーになりやすく頼れません。(それでも昔よりはマシになってきましたが)妹は介護をするタイプではありません。

とにかく将来が不安で、怖くてたまりません。胃がもやもやします。そして、今まで自分の性格を優しいと思っていたのに、そうではなくとにかく自分が大事で、他の人の幸せを望むことすら自分のためだったと気付き、あさましさに気持ちが悪くて、でもとにかく嫌な事に関わりたくない自分が消えません
みっともない話で申し訳ありません。どうしたら怖くなくなりますか


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし

相談文を読ませていただきました。

祖母との電話のやりとりでひどくショックを受けたご様子が伝わってまいりました。ご自身の事や将来について、とても不安を感じておられるのですね。

周りを見ても頼れるのは自分ぐらい、しかし、そう思っている自分自身も一体どうなんだろうと、自分のことすらあやしくなってきた。そのような心境かと拝察いたします。

今まで自分の性格を優しいと思っていたのに、そうではなかった。そんな自分に嫌悪感を抱いたのですね。何にせよ自分の祖母なのですから、冷たい反応をしてしまったことに反省の余地はあるかもしれません。しかし、逆に言えば、相談者様にとって簡単に見捨てられない・よく知っている相手だったからこそ、咄嗟にいろいろ見えてくるものがあったのでしょう。

「嫌なことに関わりたくない」という気持ちは、誰にでもあります。止めたくて止められるものではありません。それはたとえ血を分けた相手でも関係なく起こりうるものです。

「さるべき業縁のもよおせば、いかなるふるまいもすべし」(『歎異抄』)

情況によって何をしでかすか分からないのが私たちの本性です。確かなものと思い込んでいた絆が、実はそうではなかった、「利害がなかったから保たれていただけ」という場合もあるのです。

しかし、私にはどうしても相談者様が自分勝手な人だとは思えません。相談者様の抱いている、面倒を見たくない心。その一方で、それをあさましいと思っているのですから。その心はどこから来ているのでしょうか。

「長女として家族を支えるべき」という責任感なのでしょうか。それとも、「自分を大切に育ててくれた恩」に対する罪悪感なのでしょうか。

そのような裏返しの中に嫌悪感が生じているように思われます。相談者様が嫌なことを引き受けられるかどうかは、それらと向き合ってからの方が納得しやすいのではないかと思います。

《追記》
返信とても嬉しいです。私も最近落ち込む事があり、poponさんの言葉に力をいただけました。有難うございます。
きっとあなたのがんばりが認められ、正社員になれたのですね。
不安もあるけど、その危機感を常に抱いているからこそ、根気のない自分がここまで歩めたのではないですか。これからも、不安を大切にしてくださいね。

字数も限られてますので、これにて。poponさんのご多幸をお祈りしております。

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有り難し
おきもち

1979年名古屋市生まれ。 真宗大谷派の僧侶です。
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質問者からのお礼

伊藤 教信様
回答して頂きありがとうございます。
2年経っての返信となってしまったこと申し訳ありません。

伊藤様のお言葉を読み、自分だけが良くない人間じゃないんじゃないか、悪い気持ちを抱えることはおかしなことではないんじゃないか…。
と思え、安心しました。

しかし、伊藤様が伝えてくださったことを私はまだ理解しきれていないし、どうせ返信するならば相談を受けて頂いたことに見合った前向きな回答を、お伝えできればと考えてしまい返信に時間がかかりました。

結果として、2年経った今でも、状況は変わりません。祖母、両親は年々年老いてゆくし、私は自己中心的性格のまま甲斐性もありません。

仕事だけは正社員として雇用して頂けて現在一人暮らしですが、職務の将来性のなさと自分の根気のなさにストレスをためているばかりです。

今伊藤様のお言葉を読み返して、涙がでました。言葉では表現できないのですが、胃のもやもやがすっと軽くなりました。

これまで長く返信できなかったこと、大変申し訳ございません。そして、優しい言葉をかけてくださったこと、本当にありがとうございます。自分の中のこんがらがった何かが、少しほどけた気がします。

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