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お布施の額について

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有り難し有り難し 13

このたび家族が亡くなり菩提寺ができました。本家からのご縁のあるお寺さんで、宗派は真言宗です。
お墓を建てた際にお祓いにきていただきましたがそれ以降は法事もなく、檀家にはまだ入っておりませんでしたので深いお付き合いとなるのは今回が初めてです。
昨今の時代もあるのでしょう、お葬式の際はそれぞれのはっきりした金額をお寺さんよりご提示いただきました。お布施のみお気持ちでとのことでしたが、初めてのことでわからなかったため正直に相場をお伺いしました。
必ずその金額でなくともいいですよとのことでしたのでご提示の相場より少々落とした金額でお包みする予定でしたが、私共の故人を供養してあげたい気持ちが強く、お布施をけちけちしてしまうことは故人への供養の気持ちを自ら汚しているような気がして気が晴れず最終的にお寺さんがご提示された相場の金額でお包みさせていただきました。
しかし近所の檀家さんは「あのお寺は何かにつけてお布施の要請があり、それも高額なのでお金がかかって困っている」と仰っておられ、これから長い間お付き合いをさせていただくのに少々不安が残ります。
やはりお布施は私たちにとっては高額で経済的に痛手ともなりますので、できることなら身の丈に合う金額でお願いしたい。しかし小さな集落でとにかく右に倣えの風習があり、本来他の檀家さんと同じようにしておくのが間違いないところを相場以下または大きく下回る金額ですとお寺さんの印象もよくなくなり故人の供養、今後お世話になる後続の家族の供養に差し障りがあるのではと悩ましく思っております。
お布施の額で対応が変わったり、故人の供養に影響したり、また今後私共がお世話になる際にあの家はたいしてお布施をくれないから手を抜こうなどと思われたりされないでしょうか。
どこに相談すればよいのかわからずただ悩んでおりましたため、こちらでお教えいただけましたら幸いです。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

無理はしないでくださいね

ご相談拝読しました。お布施の問題は現実問題としてどうしても出てくるものですね。お寺さんの側と檀家さんの側でとらえ方に差がある面もあるかもしれませんが、それも個人差があるので何とも言い難いとこともあります。

さて、お布施は定額がなく正に「おきもち」でするものですが、現実的には相場もあるのでしょう。あなたの地域における相場、あるいはそのお寺さんの相場が今のあなたの経済状態では高額で苦しいということですね。それは正直に申し上げたら言いと思いますし、あるいは申し上げるまでもなくできる範囲でお包みしたらそれで問題はないわけです。

お布施の額の高低で故人が成仏できたりできなかったり、あるいは、良いところに行けたり逆に迷ったりという意味での影響はありません。

あるとしたらお坊さんの印象が良くなく対応に差が出たり(それはプロとして失格だと思いますが)、あるいはお布施する側のあなたの気持ちがどうかという問題です。
お坊さんも人間ですから感情もありますし生活もあります。だから相場より低いことで何らかの感情が湧くこともあるかもしれません。でもそれを表に出して実際に行動に表してしまうならばそれは菩提寺を変えてもしょうがない事態だと思います。(例えば法事を受けてくれなかったりなど)

一方、お布施する側も例えばお布施をケチることであとから終わった供養について心配になったり、逆に無理することでお坊さんやお寺への印象が良くなくなるならばそれはお布施本来の精神から逸脱してしまうものでしょう。

つまり、相場はその人その家庭で異なるということです。あなたはあなたの出来る範囲でなさったらよろしいかと思います。

お布施は宗教法人としてのお寺の会計に入り、そこから寺院設備の維持、法要の諸費用、僧侶の給与などとして活用されます。檀家さんが皆で力を合わせてお布施してくださることで皆それぞれの供養の機会や仏法に出会う場が確保されるわけです。

みんなが気持ちよく協力できる範囲でそれが成り立つのが理想です。あなたがここまで悩むくらいお布施を高額と感じ、お寺さんとのお付き合いや仏法と出会う場についてまでもネガティブに思うならば本末転倒です。

どうぞご無理なさらずに。

心配なことは正直に相談し、それで問題が発生するならば菩提寺を変えるくらいの心意気でこれから仏法と良きご縁を結んでください。

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有り難し
おきもち

個別相談可能
はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生経験も仏法聴聞も、まだまだ未熟な私ではありますが、皆様のお悩みに対し真摯に向き合い、共に悩み共に考えたいと思います。 お話しする内容は「こたえ」ではありません。仏法を聞いてもお金が儲かるわけでも、人間関係に恵まれるわけでも、病気が治るわけでも、何ものにも左右されない心の持ち様が手に入るわけでもありません。 仏法の救いとは悩みが私の思い通りに解決することでなく、どんな悩みも私の現実として引き受けて、悩みながらも生きていけることだと私はいただいております。 悩みを救う(解決する)のではなく、悩む人を救う(悩む私という存在を引き受けていける)のです。 「こたえ」ではなく、「問い」を共有することで、悩み苦しみを引き受けて生きていける一助となれれば幸いです。 【回答について】 後から読み返し、誤字脱字に気づいた際は訂正を入れます。訂正ではなく、お礼コメントへの返信のため追記する場合はタイトルに〔追記あり〕と記載します。 なお、タイトルも本文も字数制限があるため際限なく追記できないこともご承知おきを。
基本的には平日13時~15時のみ対応可能です。お寺の行事、急な法務で対応できない場合もあります。

質問者からのお礼

吉武文法様
お返事ありがとうございます。また、お布施がどう使われているかのご説明もお教えいただき大変ありがたく拝読させていただきました。
額は故人の供養に影響しないとのこと、ほっとしております。
実は当初不安があるのであれば別のお寺さんにお願いしたらどうかとこちら含め様々な媒体を参考に調べたりもしておりました。しかし故人の本家へ思いを大事にしたく、最終的に本家と同じお寺さんで供養をしていただくことにいたしました。
私どもには高額と感じるところはありますが、これも故人が結んでくれたご縁と思います。故人のため、また私どものためにもお寺さんと心を向け合いお付き合いさせていただこうと思いました。
近所の檀家さんのお話もそちらのお宅の感じたお気持ちでお話されているものですものね。私どもは私どもなりにここからお付き合いをしてみて感じた気持ちで判断していけばいいと気づきました。
そういえば生まれた折より親しんでいるお経は現在のお寺さんのお経で、どの宗派やお寺さんのお経より心に染みるものでもあるなあ、お布施のことばかり気にしすぎて根本を忘れてしまってはいけなかったなと反省もしております。
おかげさまで質問以外の気づきもいただけました。大変ありがとうございました。
これから仏法とよきご縁を結べますよう精進して参ります。

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