執着を手放すヒントが欲しいです。
不妊治療を4年ほど続けていますが、いまだ子宝に恵まれずモヤモヤした日々を過ごしています。
年齢的にも金銭的にも限界が近づいているので、いずれは諦めて夫婦二人の生活を覚悟しなければと思っていますが、本当に諦められるか不安です。
妊娠に対しては、かなり執着していると自覚しています。子連れ家族を見ると羨ましくて辛くなりますし、友人に子供が生まれても気持ちがぐちゃぐちゃしてしまい会いたくないと思ってしまいます。テレビCMや芸能ニュースで子供関連のものが流れるとチャンネルを変えたくなります。誰の妊娠も喜べなくなっている自分がいて苦しいです。なぜ他の人が普通に得られる幸せを、私は得られないのか...と卑屈になります。
ただ、この状況を乗り越えないと今後も同じような苦しみが続くと思うので、何とか克服したいです。今まで何度も考え方を変えようと試みましたが、気を抜くとネガティブ思考になって、堂々巡りです。
どのようにすれば、この執着は手放せるでしょうか?今より少し楽になりたいです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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仏教の考える執着とは
ヨルさま
仏教では、一切のモノコトには実体が無い(自性が無い)という「空」を説きます。
執着という思いももちろん例外ではありません。
そもそも実体の無いものを実体があるかのように錯覚して固執してしまうことが執着として問題になっていると仏教では考えます。
では、その執着、錯覚しての固執は無くせないのか、と諦めてもいけません。
仏教では「空」と対に「縁起」ということを説きます。
まあ、簡単には全てのモノコトは、因縁(因縁と条件)によって成り立っているということであります。
実は、執着も一時的な因縁によりただ成り立っているものであり、これからの因縁次第では変化していくもの、あるいは無くせるものにもなるのですよ、となります。
どうにか因縁が調えば、望まれる結果も得られて、その執着も無くせるのでしょうが、因縁が調わなければやはり難しいこともあります。
もちろん、授かれるための因縁に取り組むことと共に、どうしても因縁が調わなければ、どういうカタチであれば、望まれる結果、あるいはそれに近い結果が得られるのだろうかと考えてみられるのも。
こうでないといけない、こうでないと幸せでないとか固執することから離れてみることも必要かもしれません。
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
このたびは、おいそがしい中、大変丁寧なご回答をありがとうございます。お返事が遅くなり申し訳ございません。
いただいたお話、大変ありがたく読ませていただきました。自分の中に浸透させるのは、すぐには難しいかもしれませんが、何度も読み返して心の支えにしています。
ありがとうございました。