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毒母と夫への憎しみが絶えない

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最近になり母親が毒母であることに気づきました。

生まれてから学生時代、会社員時代、子育て期、全て苦しい事恥ずかしい事ばかりでした。鬱になり、さまざまな著名な先生にカウンセリングをしていただいた結果それは毒母から自信や能力を削ぎ落とされ深く考えることも否定され、自分でない半生を送っていただけだったことに気付きました。

出産後も悲惨なことが続き毒母は助けるふりをして今思えば恩をきせるだけでなにひとつ助けにはなっていませんでした。
その状況から夫は浮気に走り女に騙され家族を20年間裏切っていました。

やっと自分で自分を取り戻し、夫の愚かさ、母が自己愛性人格障害であることなど全てが解明できたのですが、今までわたしを陥れた母、夫、知人などへの憎しみが今頃沸き起こり前へ進めません。

どうしたら救われるでしょうか。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

毒はお互いに

こんにちは、初めまして。

お話の前提として、他の方にもご案内している仏教の内容についてご案内します。

仏教では煩悩という言葉を用いて、人の心のありようを表現します。煩悩とは自己中心の心です。自分の思い通りになるもの、心地の良いものは貪(むさぼ)って、必要以上に欲する。これを貪欲(とんよく)と言います。思い通りにならないものは、怒って遠ざけたり糾弾する。これを瞋恚(しんに)といいます。

そう、貪欲も瞋恚も自己中心を判断の基準としています。その勝手な判断基準に気がついていないことを、愚痴といいます。痴とは、知っているわかっているつもりということが、すでに病に侵されているという字です。それがイコール愚かさということでもあるという意味です。

貪欲、瞋恚、愚痴を三毒と言って、煩悩の中心と私は教えられました。

あなたは「毒母」と言われています。
あなたなりに今までカウンセリング、心理学の理論を持ってお母さんのこと、お母さんとの関係性について突き詰められてきたのでしょう。お母さんから不当な押し付けや扱いを受けたこともあったのだと思います。

しかし、人間同士の関係において、どちらが正しくてどちらが間違っているというような一方的なものは存在しにくいと私は考えます。私が先に説明したように毒は皆が持っているものなのです。それはお母さんもそうだし私もそう。そしてあなたも同様なのではありませんか。

仏様から見れば私たちは同じ性質を持っています。毒を持っているという。

毒を持っているのはお互い様。今は腑に落ちないかもしれませんが少しずつそういう思いを持っていくと気持ちが楽になるのではないでしょうか。

許すという方法論は自分が正しいという前提です。お互い様という方法論は自分への省察、相手の立場に立つという思いやりも同時にあります。今までの方法が実を結ばなかったのなら、違う方法を試す価値はあるでしょう。

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浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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