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パートナーの余命宣告を受け入れられない

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パートナーが余命宣告を受けました。三ヶ月と言われ、本人も私も現実を受け止められずにいます。

パートナーとの出会いは、4年前友人の結婚式で、二次会への移動の際私が傘に入れたことがきっかけでした。
その場で終わる出会いかと思いましたが、不思議とお互い惹かれ合うものを感じ、数日後に友人を介して連絡を受け、そこからは毎日連絡を取るようになり、ほどなくして体の関係も持つようになりました。
お互い一目惚れだったのだと思います。

私とパートナーは普通のカップルではなく、世間でいうところの愛人関係にあたります。
私たちは親子ほど歳が離れており、彼には妻子も孫もいますが、仕事第一だった彼は家族と溝があるようで、家では一人で過ごし、食事なども別に取っています。
私のことを人生で最後の支えと言って、全ての愛を向けてくれています。
今まで恋愛ごとのうまくいかなかった私にとって、全てを肯定して包んでくれる彼の存在はとても大切なものです。
堂々と外を歩ける関係でなくても、彼と出会ってからの全ての時間が常に幸せでした。

昨年の11月、癌の告知を受けたと彼に告げられました。その当時もショックは受けましたが、まだ治していける段階だと言われ、彼も多くは語りませんでした。
今年に入ってから急激に体調を崩すようになり、何度も入退院を繰り返すようになりました。
4月に入り、一番大きな手術を受け、余命がとうとう告げられた、と連絡してきました。すっかり痩せた姿は、今助かってもそう長くはない、と感じさせるものでした。

家族に秘められた存在である私は、見舞いに行くことも、最期を知ることも許されません。
彼からの連絡が途切れると不安でパニックになり、毎日泣き暮らしています。

間違った恋であることは理解しています。
愛ではなく依存だ、と言われても否定はできません。
彼は自分のことはもう忘れなさい、と言いましたが、4年間毎日重ねてきた愛情は、そう簡単に振り切ることはできません。
彼の命とともにこの関係は終わりになりますが、私はきっとこの先誰のことも彼以上には愛することはできません。

私に幸せの全てを教えてくれた、人生の光である彼を失うことが恐ろしいです。
すべて夢だったらどんなに良いかと、何もかも受け入れることができません。
生きる目的をなくした時、私はどうするべきなのでしょうか。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

闇堕ちさせないために彼を想い念じてください。

おはようございます。
質問文拝見しました。

>私に幸せの全てを教えてくれた、人生の光である彼を失うことが恐ろしいです。
すべて夢だったらどんなに良いかと、何もかも受け入れることができません。
生きる目的をなくした時、私はどうするべきなのでしょうか。

思いが滲む、文章、拝読させていただきました。

出逢いや彼から恵みが大きい分、失うことのショックと失望が大きいことはお察しします。

やさしい言葉で回復するような浅い悲しみとは思えないので、きれいごとは言えないけれど、でも、伝えたいことはあります。
キツイ言い方に感じたらゴメンナサイ。

悲しいね。
一緒にいるときは幸せだったんですね。
彼は光だったんですね。
「夢ならば、どれほどよかったでしょう」という歌詞から始まる曲を思い出しました。

生きる目的を失ったとき、、、、人はどうするか
それでも人は生きています。
たまに、涙は流れますよ。
在りし日のことを夢に見ることもありますよ。
それでも、生きています。

私の寺の宗旨は目的ではなく「願い」を大事にする教えです。
「私のことは忘れろ」という言葉の裏にどんな願いがあったのでしょうか。
彼との関係を無かったことを伝えたいわけではないと思いますよ。
みと様を傷つけたくなかった、みとさまの幸せを願う心からじゃないでしょうか。
彼の願いはみと様が幸せになってくれることです。
彼の願いをかなえることをこれからの人生の目的としてください。
彼はあなたを悲しませるために先に旅立つのではありません。
寿命がきたからです。

命日を知らなくても、彼のことを念じ想うことはできます。
仏教では「命日」だけでなく「縁日」という考え方もあります。
みと様と彼との記念日を縁日にしてください。

仏教は「煩悩」を滅する教えであり「尊き恵み:恩や功徳」を滅ぼす教えではありません。

まだ間に合います。
彼からの功徳をしっかり心の中にダウンロード、充電してください。

その上で、「どうすればいいでしょうか」の回答をもう一つ。
彼にとっても、みと様の存在が光だったのではないでしょうか。
みと様が彼のことを思い念じているうちは、彼は闇堕ちしません。
月に一度は、縁日をつくって彼のことを想いだしてください。
難しいお経は要らないです。彼への手紙を今のうちに書いて、それを見返すだけでも十分です。

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みと 様 相談ありがとうございます。

あなたにとって、パートナーは、優しさや温かさを与えてくれた人ですね。
そして、あなたも優しさや温かさをパートナーに与えていたのでしょう。
秘めた関係を容認するわけではないですが、その優しさや温かさを伝え伝えられあっていたことについては、あなたは、誇りを持っていいと思います。

これから、会えない日がまだまだ続くでしょう。そして本当に会えない時が来るでしょう。コロナも影響するかもしれません。そしてもし秘めた関係が公になった時は、もっとあなたに辛いことが押し寄せてくるかもしれません。

それでも、あなたは、パートナーとの支えがあったからこその思いが、これからもあなたを支えるでしょう。たとえ涙溢れる時がしばらく続くとしても、本当の愛情や優しさ思いやりとは、何かを超越したような感覚であなたを守るはずです。
自分の支えになることを、念じませんか、祈りませんか、自分の中にあるパートナーからいただいた愛情をしっかりと感じながら。
私はそう思います。

追伸:お礼メッセージありがとうございます。
「その幸せの記憶が私を支えてくれるのでしょうか。」
私は、支えてくれると信じております。
最初は辛いとか哀しいし感情が覆うかもしれませんが、幸せの記憶により必ず支えられていることを実感する時が来るでしょう。そのために信じて祈ってもいいと思います。さらにもしもの時も、その後も、支え支えられという関係が続くと思います。それでいいのです。
再礼

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質問者からのお礼

お礼が遅れまして申し訳ありません。

釋 孝修様

ご回答ありがとうございます。
彼は本当に優しくて温かくて、太陽のような人です。
いつも互いに互いの笑顔が見たくて頑張ってきました。
この気持ちを誇りに思っていい。その言葉だけで一つ心が救われた思いです。

毎日来ていた連絡が徐々に途切れ途切れになってきて、本当に覚悟しなければならない時が来ていることを感じ始めています。
もしかしたら、関係も明るみに出るのかもしれません。
その時はどんな罰でも受けようと心を決めています。

毎日、彼との幸せな思い出に想いを馳せています。その度、辛くなります。
彼の愛情が本当に嬉しかったから、幸せだったから、もうそれが得られなくなるかもしれない恐怖に耐えきれません。
いずれ来るだろう、彼のいない世界での絶望の中でも、その幸せの記憶が私を支えてくれるのでしょうか。
今は彼の無事を祈り続け、いつかこの悲しみを受け入れることが出来た時に、自分への祈りを向けようと思います。
ありがとうございました。

泰庵様

ご回答ありがとうございます。
彼は、私にとって光であり希望であり、幸せそのものです。
私の生きる意味を、どうか奪わないでほしいと、それだけを願っています。
寿命だとしてもあまりにも早すぎる、お酒もタバコもやらずに真面目に生きてきた彼がどうして、そんな考えで毎日押し潰されそうな思いでいます。
私を一人にしないでほしい、置いていかないでほしい、辛い気持ちで頭がパンクしそうで、毎日泣き続けています。
それでも、私は生きていくしかないのですね。

彼に初めて病気を告げられた時、「あなたがいないと生きている意味がない」と私が言うと、彼は泰庵様と同じことを言いました。
笑顔で前を向いてほしい、幸せになってほしい。と言って、本当は自分が一番辛いのに、泣き続ける私の背中をさすってくれました。
彼は私の笑顔が好きだといつも言います。私が笑顔でいること、そして無事を祈り続けることが彼にとっての光になるのでしょうね。

「縁日」という、素晴らしいお考えを教えていただき、ありがとうございます。
彼との様々な思い出の日々を、全て縁日としたいです。
そして、今までの幸せだった出来事を、覚えている限り言葉や字にして残そうと思います。
彼がもし助かったとしたら、笑い話として二人でそれを読み返したいと思います。

ちっともキツい言い方などではありませんでした。
優しく私の心を諭してくださり、ありがとうございました。

回答をくださったお二人へ
この度の相談について、もっと厳しいお言葉をいただくのではないかと思っておりました。
ですが、人の道に外れた恋をした私に対し、叱責することなく優しく教えを解いてくださり、本当にありがとうございます。
気軽に人にも話せず苦しかった心が、ほんの少しほどけたような気がします。
この先もきっと、涙を流す日々は続くのだと思います。一緒についていきたいと、そんな衝動に駆られてしまうときも来るかもしれません。
ですが、お二人にいただいた教えを胸に、彼にとっての光であり続けられるよう生きていこうと思います。
ありがとうございました。

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