兄の夢
幼い頃から少し年上の兄の夢を見ることがよくありました。私の成長とともに夢の中の兄も成長していき、当時から不思議な感覚に襲われていました。父も母も仕事に奔走していたので、私の寂しさが見せる幻だろうと捉えて楽観的に夢の中の兄と遊ぶのを楽しみにしていました。
22歳で授かり婚をしました。妊娠中母と子供について話す機会があり、その時母が私くらいの歳の頃に中絶をしたことを知りました。生きていればちょうど夢の中の兄くらいの背格好だと気づき、驚きました。そして、その機を境に兄の夢を見なくなりました。幼い頃であれば兄の顔もはっきり絵に描けるほど覚えていたのに、今となっては兄の大きな後ろ姿を朧げに思い出せる程度になりました。
まさか幼い頃から兄の夢を見ていたとは言えず、母もあまりその頃の話をしたがらないようで詳しい経緯は聞けませんでした。
時々無性に会いたくなってしまいます。(会ったことはないのですが)
兄はどこへ行ってしまったのでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
守られる立場から、守る立場に変わったんですよ
質問読ませていただきました。
お兄様の夢、不思議なことですが、ただの「夢」と笑い飛ばすことはできません。科学で証明できない不可思議なことが多々起こるのが人生です。
その夢の真実のところや、お兄様がどこに行ったのかは、正直なところ凡夫の身である我々に知る術はありません。ですので、ここからは私の考えでお話しさせていただきます。
まず、亡くなった人というのは、必ず次の命を受けます。それは、この世に生まれた命であろうと、中絶で失われた命であろうと変わることはありません。そして、次に生まれた境界によっては、現世に不可思議な力を行使することができます。
おそらくお兄様はそのような力を用いて、夢幻さんを心配して見守っていたのではないでしょうか。
しかし、夢幻さんは新たな命を授かりました。母となって、我が子を守る立場へと変化したわけです。ですから、お兄様はきっと「ここまで立派になったんだから、もう自分が見守らなくても大丈夫。今まで自分(お兄様)が見守っていたように、我が子に愛情を注いであげてね」と思われたので、夢を見ることはなくなったのではないでしょうか。
もちろん、真実はわかりませんよ。しかしそう考えれば、今までの自分の人生も意味あるものに感じられるでしょうし、これから待ち受ける子育ても乗り越えていけるでしょう。
自分に起こった出来事を、どう消化して自分の人生に役立てていけるかというのは、今回の夢の件に限らずとても大切なことですよ。
何か少しでも参考にしてみて下さいね。
お兄様はこれからもずっと見守り続けて下さいます
拝読させて頂きました。
そうですか、お兄様はきっとあなたやお母様やご家族の皆様をずっと優しく見守り続けていて下さっていらしたと思いますよ。そしてこれからもあなたやお子様がお健やかに成長なさっていかれて、お母様やご家族の皆様と一緒に心から幸せに生きていかれることを祈っていて下さるでしょう。
お兄様と皆様とのご縁はこれからもずっと続いていきます、あなたとお兄様とのご縁は永遠ですからね。
お兄様を心を込めてご供養させて頂きます。至心合掌 南無阿弥陀仏
お兄様は仏様のもとご先祖様方と一緒に心安らかにご成仏なさっていらっしゃいます。
あなたがこれからもお兄様とのご縁を大切になさりながら、皆様と一緒に仲良く心から幸せに生きていかれますようにと心よりお兄様にお祈りさせて頂きます。
質問者からのお礼
ありがとうございました。兄に見守られながら幼少期を過ごしたと気づき、寂しいばかりの人生ではなかったと思えるようになりました。不思議な話を続けるようですが、幼い頃は男の人の姿が一瞬見えたり後ろから低い声が聞こえてきたりすることもありました。私は小さい頃から注意力が散漫なところがあったので、見守る兄からしてもヒヤヒヤすることが多かったのだろうなと思うとすこし涙が出たり笑えてきたりしました。兄が大丈夫だと思えるほどの母親になれるようこれからも精進します。