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遠く離れた国の難民を助けたいが・・・

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はじめまして。今日、こちらに登録しました。どうぞよろしくお願いいたします。少し特殊な状況についてですが、解決策というより、心の持ち方について、お坊さんにご教示いただければ幸いです。私は今、友人のご家族を助けるために、その友人に大金(160万円ほど)を貸すかどうか、瀬戸際に立っています。

その友人は外国人で、日本で永住権を得て暮らしています。彼には祖国に若い弟・妹がいるのですが、その国では厳しい兵役制度があることから、それを逃れて、今、隣国の難民キャンプにいるそうです。
その逃れた先の国は、今、政府軍と少数民族の紛争が大きな問題となっています。その弟さんたちのいるキャンプというのが、まさにその少数民族のいる地域で、近くで紛争や空爆があり、水や食料も乏しく、本当に危険と隣り合わせで暮らしているそうです。彼らにはパスポートがなく、日本に入国させるのが法律的に不可能で、あと残った選択肢は、以前難民キャンプにいた、今は別の国に暮らす仲間に大金を払い、違法な手段でその国に渡航させ、保護してもらうことだそうです。

私はその外国人の友人ともう長い付き合いで、ご家族のこともよく話に聞いていたので、とても他人事とは思えず、若い妹・弟さんが、そんな怖い思いをしていることに、本当に自分も苦しくなるほどつらいのです。友人は、日本や海外の弁護士や国連機関に問い合わせてなんとか救う方法を数か月模索したそうですが、やはり個人として難民を救うことはできないと言われたそうです。
私も今、色んな専門家の方にメールして助けを求めているのですが、最悪の場合、私が彼に160万円ほど貸し、そのリスキーで違法(賄賂など)な渡航を試みてもらうしかないと思っています。もちろん、それは本当に最終手段ですが。

今の私は、その危険地帯で怯えながら暮らしている友人のご兄弟を早く救いたいのと、もし渡航が失敗して、彼らの命がもっと危険にさらされたらどうしようという不安や、自分のお金が賄賂などに使われてしまう不安で、心が落ち着きません。彼は、たとえご兄弟の渡航が失敗しても必ずお金は返すと言っており私もそれを信頼したいのですが、160万円という大金を貸すなんてしたこともなく、他の誰にも相談できません。重圧が肩にのしかかっているような気分です。どのような心の持ち方で対処していけばいいでしょうか。どうぞご回答よろしくお願いします。

2021年11月27日 14:48

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

善意で助けたいのなら上げる心構えが宜しい(自己責任で)

こんにちは。

「もう長い付き合い」の「外国人の友人」が、「渡航が失敗しても必ずお金は返す」という前提で「160万」を貸して欲しいという状況なのですね。

結論から言えば、あなたが「他人事とは思えず」、「長い付き合い」(相当気心がしれているのでしょう)の友人とその家族を救いたいのなら「160万」を上げるつもりで渡したら良いと思います。肝心なのは、貸すのではなく上げるという所です。

彼は、「日本で永住権を得て」いるようです。
日本では正確には「永住権」は無いので、永住者としての在留資格を得たか、帰化をしたかいずれかなのでしょう。彼自体が日本でどれくらいの年月を経て、どれくらいの収入を得て貯蓄があるかは分かりません。

そもそも「160万」とは、彼が手持ちの貯蓄を全額出した上での金額なのでしょうか。だとすると、総額はこの金額以上ということになり、彼自身が貯蓄は0になります。首尾よく家族を安全地帯に避難させることが出来ても、そこには生活援助費も出す必要が出てくるでしょう。これは、かなり継続的になると予想されます。こう考えると、彼が「必ずお金は返す」という意思はあったとしても、実際に満額返済の可能性は高くないと思われます。

あなたは、自分の出すお金が違法な所に使われるのでは、というところに意識が行っています。しかし、第三者の目から見ると、これらのお話はそもそも「もう長い付き合い」の「外国人の友人」が一人で語っている内容しか根拠がないようにも思えます。つまり、このお話自体が本当にあることなのかは証明しようがない、というところが最も気になるのです。彼があなたからの「大金」を受け取り、彼の話すルートにお金が振り込まれ、彼だけが知る家族の近況を彼経由で報告を受ける。この状況が気になるのです。

また、あなたのことを本当に大切な友人と思うならば、大金を借りるという行為に出るかというのが気になります。あくまで私見ですが、どんなに経済的に困窮しても親友に「大金」を貸してくれとは私は言いません。金銭のやり取りがない、純粋な友情を大切にしたいからです

ただ、この友人が語っていることが、上記にないだけで揺るぎのない客観的事実があるのなら私の邪推です。その際はご容赦ください。ただ、いずれにせよ、善意で助けたいのなら上げる心構えが宜しい(尚、自己責任でお願いします)と思います(字数制限)

2021年11月27日 15:40
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有り難し
おきもち

釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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もう一度確認することと様々な方へも相談しましょう

拝読させて頂きました。
そのご友人のことやご家族のことを本当にご心配なさっておられるのですね。あなたのそのお気持ちはとても尊いと思います。
あくまで私の私見ですからあまり参考にならないとは思いますが、念のためにお話させて頂きたいと思います。

そのご兄弟が外国に避難する為に必要なお金というのであれば別の手段を考えるべきだと私は思います。確かに日本政府は難民に対する受入が悪い国です。それは政府の方針です。ですからその様な人権を無視した日本国の対応を変えていくべきと私は思っています。

とはいえ日本でも世界でも幾多の難民救済の公的機関やNPO団体があります。様々な救済方法や措置はあると思います。

その方がどうしてあなたから多額の支援受けなければならないのか状況は全くわかりませんが、違法な手段つまりはマフィアやテロ組織や海賊・強盗集団の力を借りて脱出を図るのであるならばあまりにも危険ですし、あなたのお金は不正資金や違法資金となるでしょう。そのような形でしか本当に国外脱出しなければならないのかどうか、或いはそのご友人は非合法組織へ資金を渡すことにならないのかどうか、本当によくよく確認する必要があります。
カルロス・ゴーン氏が非合法で国外脱出を図りましたが、やはり彼のしたことは犯罪です。日本の司法自体の在り方が人権侵害をしているつまり大きな問題があるとは思いますが彼のしたことは違法です。彼を受け入れる国はもはや限られています。
あなたがどのようにその方からお話を伺っているか詳細にはわからないですが、再度本当にその話自体が全て本当のことなのかどうかしっかりと確認なさる必要があると思います。また実際に難民キャンプには国連や様々な支援団体がどの様なアプローチをしているのかも確認なさってもいいかと思います。
そのご兄弟は困っておられるのでしょう、生きるか死ぬかの瀬戸際なのかもしれません。できるならば国外脱出なさり安心して生活を送ることができる様になって頂きたいと私も心から思い心からお祈りさせて頂きます。
やはりそのことが本当に全て真実なのかどうかをしっかりと確認した上で、そのお金は貸すではなくあげるつもりでお渡しすることだと思います。
あなたのその救いたいという願いが届きそのご兄弟が脱出なさって安心して皆さんと一緒に生きることができるようになります様に心より祈っています。

2021年11月28日 17:29
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有り難し
おきもち

Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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質問者からのお礼

釈悠水様、早速のご回答ありがとうございます。あげる気持ちで、は、まさに今回大切なことだと思いました。
お金の心配にとらわれて、肝心な点を書き忘れてしまいましたが、160万のことも、ご兄弟の詳しい状況も、友人から言い出したわけではなく、私が聞き出したのです。祖国の状況が悪いことをニュースで知っていたので、黙って見ておれず、色々話してもらい、最悪の場合私が貸すよ、というふうに私から言ったのです。まさか違法な手段でとは思ってなくて混乱してしまいましたし、私が深入りしすぎたかとも思いましたが、改めて友人のことを考えてみて、やはり私は助けたいと思いました。ありがとうございます。

Kousyo様、ご回答ありがとうございます。友人のご家族のためにお祈りいただき、とても心強く、感謝の気持ちでいっぱいです。
また、ご心配いただきありがとうございます。昨日、国際関係の専門の教授とコンタクトがとれたのですが、やはりその先生から見ても、そのキャンプはきわめて危険だから、お金を払っても早く退避した方がいいと助言を受け、私にできることとして、お金を出すことにしました。
友人のプライバシーに関わることなので、国の名前は書きませんが、とても特殊な事情を抱えた、日本人にはほとんど知られていない国でして、30歳以下の人は国を出てはいけないという決まりがあり、ご兄弟がその国を逃れたこと自体が、すでに違法なのです。教授の話では、今回難民キャンプを出て、さらに違う国に逃れるのは、やはりそれも違法なプロセスとなり、我々日本人の感覚では悪いことをしているように思えるかもしれないが、命を守るためには、違法であっても、そちらに賭けてみるしかない、とのことで、私もお金を出す決心がつきました。
国外退避を手伝ってくれる人たちが、彼らを安全に守ってくれることを信じるしかありません。また、今回私も友人も様々な国連機関や難民支援団体に助けを求めましたが、どこも、難民を個人として助けることはできないと言われ、やはりこの手段しかないという結論に達しました。
このように、世界には、法律や機関で救えない人たちがたくさんいることを、私も学びました。ご兄弟の退避が無事済んだから安心、というわけにはいかず、そのような人たちの存在をみんなに知ってもらうような活動をできたらと思います。食料もなく、数ヶ月前には難民を狙った大虐殺の起こった、本当に危険な場所に、まだ何万人もの人が取り残されているのですから。
お祈り本当にありがとうございます。

長々とすいません、補足ですが、
その難民キャンプには、確かに過去には欧米からの支援があったようなのですが、その国の治安が悪化し、大変危険な状態になったなったことから(実際、色々な国が、自国民の国外退避を促し始めているのがニュースになっています)今は支援がなく、乏しい食糧を分け合う状態だそうです。
ある意味、忘れ去られた難民キャンプなのです。
このような人たちのために、お坊さんたちや、皆さんからのお祈りをいただけると、心強いです。
ありがとうございます。

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