被害者の心がわからない主人
先日もご相談させていただき、主人が過去に起こした犯罪を心から贖罪し罪を償っているならそこに囚われるのはいかがなものかと教えて頂きました。
その教えを主人と共有し、話をしましたが、どうも話が噛み合いません。
私は主人が家族の誰よりもやった事を考え、反省し苦しみながらも前を向いてくれてるんだと信じいましたが、どうも話しを聞いていると、自分のやった事で被害者の方がどんなに苦しんでいるのか、家族が何を苦しんでいるのかが想像できないようなんです。
主人の罪は痴漢です。
私には耐え難い犯罪ですし、被害の方の辛さを考えるとどうしていいかわからないし子供に与えた影響もはかりしれない。
主人のやらかした事は本人の問題だと思ってもどうも私の方が色々と想像してしまい背負って苦しくなります。
主人と話をしてて思ったのは倫理観の違いです。私の父は元警察官で、小さい時からやってはいけない事、もし犯罪を起こしたら世間様に顔向けできない、仏様にバレるよと言われ育ち怖がりな性格です。
主人はすごく親孝行で、小さい時から裕福でない両親を楽させるために勉強を頑張ってきたタイプです。お勉強も仕事もできる人です。とても穏やかで怒るということはありまへん。
私の両親にも親切でした。
でも、ご両親から倫理観を教えられる事はあまりなかったようです。
昔、主人の浮気がバレたときも舅は
主人くらい収入があればそれくらいいいやろと言った人です。
プレゼントしたお酒が口に合わないと、プレゼントした私の前で、こんなものドブに捨てろと言った人です。そんな事言われても主人は黙っています。姑は主人のやった事で、自分もしんどいし円形脱毛症にまでなったと悲しみますが、主人の罪は5年前も前の事などで、もういいだろうと思っているようです。何も知らないご近所に、親孝行ないい息子だと自慢します。
私はものすごい違和感と嫌悪感を感じます。
もう何十年も、穏やかな思慮深い人優しい人だと思って、過ちも許そうと思って本当に苦しんでる私が馬鹿なんでしょうか?
私は主人の罪を、背負い過ぎて精神にも体調が現れて何年も苦しんでいます。
人の苦しみ感情がわからないと主人も口にするようになりました。
主人がおかしいんでしょうか?
私が考えすぎなんでしょうか?
わからなくなりました。
どうかご助言をお願いいたします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
夫君をお心を思い、また御自身の怒りを捨てて下さい…
被害者の気持ちは、被害者でないと分かりません…。
多分 夫君は、幼少期より何不自由なく育てられ、その結果 勉強も仕事も頑張ることの出来る存在になっていかれたのでしょう。
「人間、努力をすれば何事も出来るようになる…出来ないのは本人の努力が足りないからだ」といった意見をお持ちで、またその思いを人に強制するタイプではないかと勝手に想像しました。
そして強権的な夫君の御父様の下で抑圧され続けたことで、強い者には逆らわず、弱い者には強く出る…といった一面がおありなのではないでしょうか。
これらの性格は他人様から指摘されても治りませんし、変わりません。
今後もし転機があるとしたら、夫君自身のご病気や怪我などで御自分の自信が揺らいだときではないかと思います。それを望みたくはないでしょうが…。
被害者のお気持ちは、御自分が辛い思いをされなければ気付くことが出来ません。それは、ある意味で夫君にとっても 不幸なことです。
実はあなたの苦悩は、被害者の方の思いを夫君に想像してもらうことを通して、あなた御自身のこれまでの苦悩をわかってもらいたいということから生じているのではありませんか。
ただ先にも申しましたように、あなたが夫君にどれだけ「自分の苦しみを分かって欲しい」とおっしゃってもご本人は通じにくいのです。それは夫君の「人間的な弱点」とも申せます。
ならば、夫君を責めるのではなく、ご本人のためにご本人の気付きを促すための行動が必要かと思います。
犯罪被害者がどういった心の傷を負い、そしてその後の生活がどう変えられてしまったか…そういった被害者の方の手記などの本を読んでもらうことを「やんわりと」お勧めになっては如何でしょうか。
その理由として、「あなたに分かって欲しいから」「分かろうとしてくれない、あなたを責めたくないから」…などの思いをお伝え下さい。
その代わりといってはなんですが、夫君のご両親の過去の行為に対する あなたの怒りの気持ちを捨てましょう。それは、その方があなたのお気持ちが楽になるからです。
あなたのお気持ちを誰よりも仏様は分かって下さっています。
そしてどうあれ、仏様は今後のあなたの人生を支え、導き続けて下さいます。そのおはたらきは夫君にも平等に届いて下さっています。
追伸…ご夫婦が末永くお幸せに暮らされますように念じ上げております。
質問者からのお礼
お返事ありがとうございます。
お坊様は、何不自由なく育った主人と言うふうに想像されてましたが、どちらかと言うと貧乏で高校大学も奨学金で払い、部活の靴を買う事もできず、社会人になってからも、結婚してからもずっと仕送りをしておりました。自分の意見を押し付ける事ができないタイプです。
抑圧されて育ったというのはその通りだと思います。
いただいたご回答は主人にも見せました。
かなりショックを受けておりました。
カウンセリングを受けるとも申しております。きっかけをいただきありがとうございます。
私もご指摘の通り、被害者の思いを想像しろと言いながら私の怒りをぶつけていたと思います。
怒りを捨てるように持っていきたいと思います。
私は主人に怒りをぶつける事で憂さ晴らしをしてたんですね。
なんとなくわかってました。
ぐちゃらぐちゃにもつれた糸が少し解けたような気がします。
ありがとうございました。