hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる

受験を終えて

回答数回答 3
有り難し有り難し 45

小さいころは何にでもなれると思っていたのに、大学受験が終わって人生の見通しができてくると私の人生はたいして面白味のないものだなあと思いました。
この一年、受験に向かってやってきましたが第一志望には出願すらできずに終わりました。

勉強以外に何も秀でたものもなく、勉強ですら今年は上手くいかず、大学入学後はテスト以外でも評価され始めることを考慮すると、自分自身が本当は普通のありふれた人間でしかないということに気が付いてすごくショックです。

興味を持ったことも勉強に関係ないなら無駄な時間だと思いチャレンジしてきませんでした。趣味がなくて、取り柄がないです。高校の勉強範囲もいまだ完ぺきとはいえません。

オリンピックを見ると、彼らはまさに世界の主役といった感じで羨ましいです。華々しい世界の裏には、うまくいかなくて悔しがっているわき役と、なんにも持ってないわき役であふれていて、自分は何にも持っていない脇役なんだなと思いさみしい気持ちがあります。

何かを始めるにも意味があるか、意味がないかを考えてしまい、この世のすべてが意味のないことのように思えてきます。自分が生きていることすら、無駄のように思います。

人間の人生って人生の前半で決まってしまうような気がします。いろんなことに気づくのが遅く、人生を無駄にした気持ちになりました。

どうしたら価値のある人生と言えるのでしょうか。目標もよく分からなくなってしまいました。

また、いわゆる普通の人生というのもなかなか難しいことなんだと知りました。
人生いつ何が起こるかわからないからこそ、一日一日を大切にしたいとは思いますが、今は毎日がただ消費されていくだけで、消費している感覚だけあります。

自分が普通の人間であると早めに気づきたかったです。自分がプライドが高くて嫌な奴だったと気づきました。何で今まで気づかなかったのでしょう。

もう大志は持ちませんが、ささやかに人生を豊かにできるアドバイスをお願いしたいです。よろしくお願いいたします。

2022年2月21日 15:07

この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

お坊さんからの回答 3件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

自分で自分の人生を「豊か」にする

こんにちは。

ある映画の劇中に出てくる短い詩です。

「自己憐憫」D.H. ロレンス作
私は、自分自身を哀れむ野生の生き物を見たことはない
小鳥は凍え死に、枝から落ちても
決して自分自身を哀れとは思わない

あなたは「大学受験」終えたばかりなのでしょう。
まだまだ若い。

「大志は持ちません」、「ささやかに人生を」と無難に収まる前に、「勉強に関係ないなら無駄な時間」だと先入観で切り捨てる前に、縁のあるあらゆる物事にただひたすらに、がむしゃらに向き合って生きるのはいかがでしょうか。どれだけ傷ついても、どれだけ失敗しても。その人生は自ずと「豊かに」なっているはずです。

人が教える「豊か」さではなく、あなたの求めた「豊か」さに生きることにこそ、実感を伴った真の「豊か」さの意味がわかるのだと思います。自分で自分の人生を「豊か」にする、のです。

2022年2月21日 17:11
{{count}}
有り難し
おきもち

釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
このお坊さんを応援する

人生に遅すぎることなどない

“人生が前半で決まる”というのは前半しか生きていない人間の戯言でしかありません。
私も34とまだまだ若輩者ではありますが、私より年上からチャレンジをして成功に至った人はたくさん見ています。
30過ぎても40過ぎても、自分の心のままに生きることをあきらめなければ十分に、自分や人の心を動かすことができます。
友人の話になりますが、60歳まで会社の社長を務め、そこから歌手デビューを目指して飲み屋を回り、頭を下げてパフォーマンスをし、CDを手売りし、カラオケに入っている自分の曲を嬉しそうに紹介してくれた人がいました。

私は一昨年、32歳の年にボイストレーニングを始め、去年末に仲間内で開いたイベントにてではありますが、人生初のライブステージで歌う機会を得ました。

あなたがおっしゃるような、オリンピック選手のような華々しさはありませんが、好きなことで、楽しく努力し、目標を達成するということをしている人間は、それぞれの人生において主人公なのです。

あなたは勉学に秀でてるとおっしゃる。
つまりは、基礎暗記力や論理的な思考力が備わっている証拠です。
それは様々なことに応用が利く能力で、社会に出てからその能力を使って様々な技能を得ることができます。
確かに、“下地”がなければ歳を重ねたときのチャレンジはなかなか難しいものになります。
そう言う意味で、『人生は前半で決まる』と言ってもいいのかもしれません。
しかし、少なくとも勉学に努力をしたあなたはその“下地”を持っています。
あなたが思うより人生は長く、チャンスに満ちています。
頑張ってください。

2022年2月21日 17:03
{{count}}
有り難し
おきもち

けいじょう
日蓮宗の僧侶、啓誠(けいじょう)と申します。 修行に失敗し、一度は腐...
このお坊さんを応援する

「ありのままの自分」は「かけがえのない自分」です。

お悩み拝読しました。
オリンピック選手や芸能人など華々しい人を見ると、自分はちっぽけで無意味なのではないか、そんなふうに思えてきますね。でも、華々しく見える人たちも、体力が衰えることがある、怪我をすることもある、病気もすれば歳もとる。私たちの知らないところで涙していることもあるでしょう。

人にはそれぞれ役目があります。まず人と比較をせず、自分自身を見つめるところから始めてください。ありのままの自分と、理想が先行するありもしない自分のギャップが大きれば大きいほど、辛く不自由になります。唯一無二のかけがえのない自分を大切にしてください。

出来ないことをみるのではなく、出来ることを認め、その能力を最大限にに発揮する、それが生きるということです。あなたの、あるべき姿だと思います。あなた自身が幸せになる、、そしてまわりの人を幸せにする、自分を受け入れる静けさと変わっていく勇気を持ってください。応援しています。

2022年2月21日 17:02
{{count}}
有り難し
おきもち

曹洞宗(禅宗)僧侶。スピリチュアルケア師。 もの心がついた頃から「生きる...
このお坊さんを応援する

質問者からのお礼

釋 悠水様 回答ありがとうございます。
自分のことを哀れむ鳥はいない、巣から落ちてしまったヒナも、ピイピイ鳴いて最後まで生きようとしていたのを見たことがあります。あらゆる動物は自分自身を哀れまず、最後まで生きようとする、私もここで終わるのではなく、どう次を踏み出すか考えなくてはならないなと思いました。中高と大学受験のために生きてきました。その先に何があるのか考えたこともなく、第一志望に受かれば幸せだと疑いませんでした。合格していない人生などないと信じていました。これから縁ある何かに、がむしゃらになれるか、やってみないと分からないですが、無駄とかいう枠を捨ててやってみようと思います。まずは運転免許取得とバイトからです。

啓誠 様 回答ありがとうございます。
合格しなければ人生が終わると思いながら勉強してきました。人生の後半戦で巻き返せる人間はごくわずかで、人間の質は出身大学で評価される、だから前半戦におけるこの大学入試で勝てなければ意味がないと信じていました。今考えてみれば本当に視野が狭いなと反省しました。私は世の中の何も知らないで判断していました。この挫折がなければ、ここで質問することもなく、自分は偏屈で人より優位にたちたいだけの嫌な人間のままでした。人間、悩んだり、笑ったり、確かに全員が主役ですね。華々しくないストーリーでも、人間味あふれる愉快なものにしたいなと思えました。

慈正 様 回答ありがとうございます。
華々しく見える方たちにも人には見せない裏側があると聞いて、自分の想像力のなさに気づけました。私とオリンピック選手を比べてもどうしようもないですね。努力する方向から違って、努力した量、経験値、メンタルの強さも違うのですから。挫折して初めて、等身大の自分を知りました。何が足らなかったか分析してみて、敗因はプライドの高さと無意識に人を見下す思考だと気づきました。しかし、どこか解放されたような気もします。優秀な子供だと思われることから降りられたような感じです。

皆様回答ありがとうございました。ここに書いて、聞いてもらえて、返答がいただけて、モヤモヤが軽くなりました。上手くいかなくてよかったのかもしれないという気持ちも隠れていたことに気づきました。悔しい思いもありますが、次にいきたいです。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ