人間力・中身のある人間とは
お忙しいところ恐れ入ります。いつもこちらのサイト拝見しております。
相談は表題の通りです。よく人間力をつけよう、中身のある人間になろう、と言われます。しかし、具体的にはどのような人を人間力がある、あるいは中身がある、と言うのでしょうか?
私の考える人間力あるいは中身のある人は、いろいろな経験をつんでいたり、努力してきた人、だと思います。または、見返りを求めず他人のために尽くせる人。そういうイメージはあるのですが、言葉でもっと具体的に説明できません。
お坊様方はどのようにお考えでしょうか?
お時間があれば回答頂けるとうれしいです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
所詮は他人の評価
たしかに、“人間力”そして“中身”なるものはこの世にあるかのように扱われていますね。
しかし、それらは全て言葉で表現されているように見受けられるのです。
的確な答えを返したり
斬新な見解を提案したり
深遠な知識を披露したり
このような人たちに“人間力”という評価が付いてくるような気がするのです。
本来、あなたが言う“人間力”というモノはあなたが言う通り、努力や経験を積んで、個の人間として完成されていくことで得られるもののはずです。
いわば“個体としての完成度”と言えるものでしょう。
そう言う意味ではお釈迦様や歴史上の有名なお坊さんたちほど人間力が高かった人もいないでしょう。
しかし、実のところ現代における“人間力が高い”と言われるものの根幹は“コミュニケーション能力”です。
いくらその人の完成度が高くとも、他人に評価をしてもらうにはその完成度を表現する必要があるからです。
相手の状態を読み取り、相手が理解できる言葉で返す。
これが出来るだけでよいのです。
コミュニケーションには様々なシチュエーションがあり、そのすべてが出来る必要はありません。
自分の得意なコミュニケーションを極め、そして自分の得意な技術をそのコミュニケーション技術で表現をすることが『“人間力が高い”と言われること』につながります。
個人の中の“人間力”なるものを他人が量る術はそれほど難しいことなのです。
だからこそ、世に蔓延る言葉に惑わされず、自らが良い行いを出来ているか、という視点を忘れぬことの方がより重要であると私は思います。
質問者からのお礼
ご丁寧な回答ありがとうございました。
やはり自分を省みる姿勢が大事ですね。
新しい視点を与えてくださりありがとうございます。
精進します。