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凶行に走る人と走らない人の違いとは

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こんにちは。先日の銃撃事件は大変衝撃でした。最近このような事件が起きるたびに「無敵の人」という言葉をよく目にします。社会から蔑まれた結果、自らも社会を大事と思えず凶行に走る人のことを指すそうなのですが、この言葉に対して「凶行に走らず慎ましく生きている人が大半だ」という声もまた多く見受けられます。行動に移す人と移さない人の違いはどこにあるのでしょうか。ご回答いただけたら幸いです。

2022年7月9日 14:20

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

誰もがその様なことをするかもしれません

拝読させて頂きました。
私達誰しもがその様な状況に追い込まれることはあるでしょうし、その様な感情にとらわれてしまうこともあるでしょう。
そしてその様な罪を犯してしまう可能性を誰でもが持っていると思います。

誰にも相手にされずにしいたげられ、おとしめられ幾つも傷つけられれば自ずと怒りや憎しみやうらみやのろいや殺意は湧いてくるのが私達です。

殺人を犯した方の供述の中で「誰でもよかった、殺したかった」という言葉があります。その思いに至るまでの過程はどうなのであろうか詳細には分からないですが、そう思わざる得ない状況にその人の心は追い込まれている様にも感じます。その様に自分のことを追い詰めおとしめ追い込んだ世界や社会や人々へ怒りや憎しみやうらみやのろい、うらみを晴らしたい殺したいと殺意を抱くと思います。

その様な巡り合わせやタイミングが合えば私達は誰しもその様なあやまちや罪を犯してしまう可能性が充分にあるでしょう。それもご縁或いは巡り合わせもあるかとも思います。

殺人を犯していいことはありません。深い罪ですし犯罪ですし、悪業ですからね。

ただどうしてもその怒りや憎しみやうらみや殺意が湧き上がり、どうしても殺してやらねば気が済まない納得できないと思い実行に移そうかとなった際、ほんの少しでもとどめる力や働きやストップするきっかけがあったならば避けることはできると思います。

仏の教えは無始よりこのかた行われてきた幾多の殺りく行為や蛮行を止める力にもきっかけにもなっていると思います。もしも殺りくをしようとした方々が仏の教えを知ったならばそういうご縁があったらそうはしなかったかもしれません、ギリギリのところでとどまったかもしれません。

お亡くなりになられた方々も仏様に救われます様にと切にお祈りさせて頂きます。そして生きている中で悩み苦しむ方々にも仏様の教えや仏とのつながりにて救われていくことができます様に心より仏様にお祈りさせて頂きます。至心合掌

2022年7月9日 17:22
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Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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紙一重。殺せば殺すほど殺し癖がつく

能力、育った環境、前世からの業、置かれている状況、その日の体調や気分などが、ほんの少し違うだけではないでしょうか。
私達は誰でも、紙一重の違いで神にも修羅にも鬼・畜生にもなれます。
戒律を授かった仏教者でも戒を破ることが多々ありますが、それでも、普段から戒や道徳や法律を意識しているかどうかで、その紙一重に差が出るとは思います。
就職氷河期にたまたま正社員になれたかどうかでも、20年後の人生が大きく違うでしょう。
普段から心に善い癖(功徳)をつけるのか、悪い癖(罪業)をつけるのか。
殺せば殺すほど殺し癖がつく。
盗めば盗むほど盗み癖がつく。
これは、実際に行動してなくても、心の中で殺したり盗んだりしても癖がつくと思います。
凶悪犯が実際の犯行に及ぶまでに、頭の中で何千回も犯行の妄想を描いて、心に殺し癖をつけていたかもしれません。
そのような「心の癖」が、ふとした瞬間に言葉や行動に表れるのではないでしょうか。
普段から念仏を唱えて仏様の平等の慈悲に共感している人は、亡くなる瞬間にも南無阿弥陀仏が心に浮かび、臨終の瞬間には極楽浄土からお迎えが来てくださるでしょう。

2022年7月9日 17:32
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がんよじょうし。浄土宗教師。「○誉」は浄土宗の戒名に特有の「誉号」です。四...
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質問者からのお礼

お返事いただきありがとうございます。心の中で殺そうと考えれば癖がつき、ふとした瞬間に表に出てくる。大変興味深いお話です。先日の銃撃事件の犯人は宗教がらみで大変な目にあったそうですが、人の恨みというのは物凄く恐ろしいのだと感じ入っております。

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