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『やりたい事が何もない』見守ってていい?

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有り難し有り難し 23

以前、不登校気味の子供の事で相談させて頂きました。
親身にご回答頂き、本人に任せようと思えるようになりました。
本当にありがとうございました。

幸い親子関係はこじれておらず、息子から色々な事を相談してきます。
そこで言われた事に上手くアドバイスできなかったなぁと思い、お知恵を頂けたらとご相談させてください。

今、なんとなく大学進学はしようかなぁと思っているけれど。
ただ何を学びたいとかどこの大学に行きたいとかがないそうです。

別に大学じゃなくても専門学校でも、自分の好きなようにしていいよと言ったのですが、そもそもその好きなものがないと。
これまでも何もなくて、なんとなくやってきたと。

ふと気になり「親に強制されてきたと思ったことはある?」と聞いたら、そういう意味ではないし、そんな事はないと言われ少し安心しました。

小学生の時にスイミングも行ったけど、友達が行くからなんとなく行っただけだった。
中学の部活も何か入らないとダメだったからとりあえず入った。
自分でやりたいと思ってやり始めた事が何もないと。

スマホやゲームも制約はかけていません。
『する事がないから、休みの日にスマホをずっと触ってるけど。これがしたいと思って触ってる訳じゃなく、結局何もなかったなって思って日曜の夜はそれで落ち込む。』と。
向こうから、日曜日だけでも預かってくれないかと言われました。

習い事とか散歩とか、何でもいいと思いますが、そのやりたい事がわからないから結局は全てが辛くなるそうです。

朝も本当はちゃんと起きたいと言われました。
『自分では頑張ってるんだから、無理な時は仕方ないよ』としか言えず。
上手くアドバイスができなくて悶々としました。

もう少し気楽に考えたらいいのにとは内心思いますが、それができないから本人は悩むのですよね。
相談されるから何とか力になってやりたいとは思うのですが。
客観的に見た感じでは、エネルギーが枯渇しているように思います。

現状で、無理にやりたい事をみつけるなんて無理なんじゃないかな、焦らないでいいのになと思います。
子供の話は聞いてあげるだけでいいのでしょうか?
かけてあげるとすれば、どのような言葉が良いでしょうか?

2022年7月13日 10:32

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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

その気持ちをわかろうとしてくれる理解者がいることが心強い。

そんなお年頃じゃないかなって思いますよ。
この年齢で、将来像が見えていて、それに向かって道をきちんと計画している子のほうが珍しいです。そして、大人の私たちだから珍しい方だといえますが、この時期の子には そんな自分に焦りを感じ、何もない一日が虚しく感じて情けなくなってしまうのではないでしょうか。

私の息子も高校生ですが、迷いがあるみたいですよ。世界は広い、未来への可能性は無限ですから、迷ったり悩んで当たり前ですものね。お稽古事も、やってみたらどう?と勧めて(親は可能性を考えて)やってきても、自分からやりたいと言い出したわけでもなかったりね。それは、親のせいでもなく、合わなかったな〜と気づけば、それでいいのだと思います。(私は物心ついたときにはピアノを習わされていました。私は感謝しています)親がキッカケを与えることがあってもいいし、子どもには合わなかったということもある。そこで無理強いしなかったらいいのですものね。

ただ、学校は進路の話をしていきますから、周りや先生からの助言、そんな空気に余計に焦らされるのでしょうね。

私は、アドバイスなんておこがましくて、だって私が生きてきた道も狭いし、保育とお寺の世界しか知りませんものね。
だから、話をしながら、一緒に悩んだり考えたりするしか出来ません。それでもね、悩めるって大事だと思いますよ。誰かに出される答えなんかより、自分で向き合う時間はいろんな思考を生むものね。そして、その気持ちをわかろうとしてくれる理解者がいることが心強いのです。
私は前を歩く親じゃなく、一緒に歩いてあげたいなと思うのですよ。親もまた悩むものですよね。

あたたかく見守ってあげたいですね。

2022年7月14日 11:13
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有り難し
おきもち

はじめまして(*^^*) 中田みえです。 教善寺 住職として、母親として...
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問題の解決を求めていることが、苦悩を深めている

ねこにこねこさん

お子様のこと悩ましいですね。

“子供の話は聞いてあげるだけでいいのでしょうか?
かけてあげるとすれば、どのような言葉が良いでしょうか?“

それは息子さんがやりたいことが見つかるために
聞いてあげるだけでいいのか
声をかけるとしら
どのような言葉がいいのか
ということと同時に
活き活きとするためにはどうしたらいいのか
ということなのだと思いますが、

今までの全体の在り方が今の状況を引き起こしている。
と考えた方が正確なのではないでしょうか。

ですので
やりたいことが見つけるためにはどうしたらいいのかという発想が
今の息子さんの状況と結びついているのではないかと思います。

息子さんの言葉の端々からも伝わってくるように
“小学生の時にスイミングも行ったけど、友達が行くからなんとなく行っただけだった。
中学の部活も何か入らないとダメだったからとりあえず入った“

全てのことが、やりたくないけれど、
しょうがないからやっていたのだと思います。

たとえば
学校に行きたくないけれども、行かなきゃならない
やりたいことがないにも関わらず、見つけなければならない
行けない自分、見つけられない自分を責める。
これがエネルギーを枯渇させているのではないでしょうか

例えば、学校に行けるようになるというより、
行きたいという気持ちが芽生える。
やりたいことは見つけるというよりも、
やりたいことは見つかるものだと思います。

問題の解決を求めていることが、苦悩を深めている
問題を引き起こしているものは何かと考える。
一緒に尋ね、瑞々しい感覚を取り戻していく。
あるべき姿をたてて、それに合わせに行かない。
合わせられない自分を責めない。
行けないこと、見つからないことはだめなことではない。

その上で、
聞くことと、情報提供と提案だと思います。
あくまで提案、納得して決めるのは本人です。

2022年7月14日 10:54
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有り難し
おきもち

質問者からのお礼

ありがとうございます。
お二人の真摯なお気持ちに心が救われました。

そうですね、見つけるものではなく見つかるもの。
行かなくてはいけないではなく、行きたくなるもの。
〇〇しなくてはならないけど出来ないという考えに苦しめられていますね。

悩み多き思春期ですが、親はアドバイスなんてしなくていいんですよね。
全て本人が決めることであり、横に並んで口出しはせず、伴走できる親でありたいと思います。

感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。

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