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引っ越しの後悔

回答数回答 1
有り難し有り難し 10

生まれてからずっと住んでいた土地を離れ引っ越しをしました。
引っ越してきてから約1ヶ月ほど経ちましたが、寂しさと後悔の気持ちが消えません。
住んでいた頃は気づきませんでしたが、自分は自分の住む町が大好きでした。通ってきた学校も、行きつけの店も思い出深い場所も全てそこにあります。
今生活していても、どうしても以前住んでいた場所と新しく住み始めた場所を比較し虚しい気持ちになります。もうあの場所から遠く離れたところにいるんだと思うと、自分はどうしてこんなところに来てしまったのかとどうしようも無い気持ちになります。
しかし、引っ越しをしたのは家族の事情もあり、やむを得ないことでもありました。それを自分に言い聞かせても、他に良いやり方があったのではないか?引っ越す時もっと深く考えていれば…と堂々巡りになってしまいます。
新しく引っ越してきた場所は自治体のルールも違うため中々慣れることが出来ず、同居する母も毎日のように元の町は良かった、と溢すのも私の気持ちに拍車をかけている感じがします。(あと偶然ではありますが、引っ越してから個人的に良いことが無く、体力も気もだいぶ滅入ってると感じます…)
長くなってしまいましたが、何かお言葉頂けると嬉しいです。

2022年8月1日 7:21

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

今まで気付けなかったことに、気付けた。素晴らしい学びです。

 今まで住んでいたところが素晴らしい場所であった。引っ越してみて、初めて気が付いた。
 ご質問の中に、既に答えがあると思います。引っ越したからこそ、気が付けたことです。引っ越したことで新たに視野が広がり、今までの生活の良さに気が付けたわけです。引っ越したことが良くなかったとは一概には言えないと思います。

 現状に不満を感じる。比較してみれば、いろいろと粗が見えてくるでしょう。そのお気持ちは理解できます。でもね、引っ越して間もない今の時点では、引っ越し先のすべてがわかる訳では無いと思います。この先、半年、一年と過ごす中で、「すぐに気が付かなかったけど、こんな良い点があったんだ。」という気付きがあるかもしれません。

 仮に、元の住所に住み続けていたとしても、世の中は諸行無常です。あなたも、あなたの御家族も変化していきます。またご近所の方々も変化していきますし、地域のインフラも経済も変化していきます。良い方向に変化すればいいですが、そうでない場合も大いに有り得ることです。

 仏教では、「因 + 縁 = 果」という教えを説きます。「お茶さんと御家族がどんな生活をし、どう地域の方々と関わっていくか」が因です。お茶さんを取り巻く地域の方々や地域の環境が、縁です。因と縁との組み合わせで、結果が生じます。労せず、素晴らしい隣人と出会えれば、最高です。でも、世の中、そんなに都合よくは行きませんよね。相手を見極めて、よく選んで、お付き合いの濃淡を決めていけば、今の場所でも素晴らしい人間関係を作れると思います。

 前の地域が良かったと言っても、お茶さんや御家族も何もしないで良い人間関係を作れた訳では無いと思います。日々いろんな努力を重ねた結果、素晴らしい思い出の地となったのだと思います。今の生活を良いものにしていくためには、御自身の努力も必要ですし、良い人間関係の構築も必要です。簡単に手に入るものは、簡単に崩れます。引っ越し疲れと新しい環境への戸惑いもあって、すぐに馴染めないことがあってもおかしくありません。本当に「素晴らしい日々だった」と思える生活にしていくには、時間もかかるし、労力もかかります。焦らず、ゆったりと構え、じっくりと歩を進めていきましょう。

2022年8月1日 11:30
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有り難し
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質問者からのお礼

お言葉を読みながら色々なことが腑に落ち、思わず泣いてしまいました。環境が変わって、離れてみて初めて分かることがあるんだなと実感しております。これまでの私の生活には当たり前過ぎて、気づけなかったことでした。もしかしたら、引っ越しをしなければ殊更考えることすらしなかったと思います。
因+縁=果 のお話、元の場所でも日々努力を重ねた結果思い出の地になったのだ…と言うお言葉にハッとしました。確かに、家族全員の努力もあってこその楽しい生活だったと思います。
すぐには変われずとも、ゆっくりと今の場所での生活を受け入れる勇気を持って進みたいです。温かい励ましのお言葉を、本当にありがとうございました。

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