誠実に生きる為に(続き)
前回ご相談した内容について,大変為になるお言葉を沢山頂きました.改めてありがとうございます.
自分なりに再び考えていたのですが,ふと誠実に生き(続け)ることはとても難しいことなのではないのかという考えに至りました.なぜなら,これから誠実に生きようと思った時に,少し大袈裟ですが(起こる可能性が決して低くない困難も含めて)たとえ何があったとしても誠実に生き続ける,そのためには途轍もない覚悟が必要になるのではないかと思ったからです.
恥ずかしながら今の自分には様々な欲があります.私利私欲のために行動することにも小さい事柄なら全然躊躇わないかも知れません.これから先私利私欲をなくし,今ある欲もこれからどのような誘惑が来たとしても抑え込む,ということが果たして出来るのか想像もつきませんし,ブレることなくそう生きるためには相当な覚悟が今必要なのではと思っています(すみません上と同じ事を書いてしまいました).
だからと言って誠実に生きたくない訳ではありません.面倒くさい事を言っていますが,悩みを要約すると,誠実に生きると決めたのに,いつかの自分がそれを裏切るのではという不安を感じている,ということになると思います.
自分が最も誠実な生き方をしていてるであろうと思うお坊様方に,ご教授いただければ幸いです.
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
“誠実に生きた瞬間”を積み重ねる
人間は、その場その場の気持ちを大切にする生き物です。
ですから、その場で「したい」と思えば何をおいても行動してしまうでしょう。
それは“そういうもの”なのです。
『誠実に生きたい』
素晴らしい目標だと思います。
強くありたい
優しくありたい
輝いていたい
様々な内心の願望があるかと思いますが、これらを継続する方法というものがあります。
それは、『過去を積み重ねる』ということです。
人間は、積み上げたものを崩すことに恐怖を感じる生き物です。
それが、
自分が手掛けた作品だとしても、
受験勉強の成功体験だとしても、
手塩にかけたペットだとしても、
ソーシャルゲームの電子データだとしても、
積み上げたものはそう簡単に手放せません。
あなたがすべきことは、悩むより“誠実に生きた瞬間”を積み重ねることでしょう。
それは、積み重ねた分がそのまま自尊心となって、あなたを支えます。
強く生きることも、優しく生きることも、同じです。
誠実に生きた、という積み重ねは、誠実以外を許さぬ鎖になってあなたを縛るようになるでしょう。
しかし、縛られることは悪いことではありません。
例えば、法律を守ることを教えられた我々は、法律に縛られています。
法律に縛られるからこそ、人々は秩序の中に生きられるのです。
誠実に縛られたあなたは、必ず人に信頼される人になることでしょう。
まずはそれを目指してみるとよいのではないでしょうか?
質問者からのお礼
ご教授頂きありがとうございます。
『過去を積み重ねる』という方法は思い付きませんでした。気持ちの問題としても、教えて頂いた考え方で解決出来ると思いました。これ以上悩まず積み重ねをしていきたいと思います。
改めてありがとうございました。