中絶の決断
現在2人目の赤ちゃんを妊娠しています。妊娠11週の検診でお腹の赤ちゃんには重篤な疾患とダウン症の可能性がある事がわかりました。
担当医はあくまで可能性だが、重篤な疾患がある事はほぼ確定的であること。
生存確率が低いかもしれないこと。
それを踏まえた上で今後の妊娠継続の判断と大きな病院で出生前診断を受けることを勧められました。
そして夫婦で話し合い、今回は赤ちゃんを諦めようと決断しました。
その決断には、前回流産を経験した時に次もし妊娠できるなら健康な状態で産んであげたいという思いがとても強かった。
そして、重篤なリスクを抱えた赤ちゃんを親として育てていける自信がなかった。
出生前診断を受けその結果によって産む判断をする選択肢もありましたが、主人は結果によって死産を選ぶと週数が進んだ場合の私の身体や精神的な負担が大きくなる事を心配してくれていました。
週数が短いうちに処置をする方が私への負担が少ないから。
そんな中で重い決断をする事になりました。
そして、その決断と共に
今は元気に動いている姿を見た赤ちゃんの未来を自分達の決断で奪ってしまう罪悪感。
お腹に手を当て、今はまだお腹にいる自分の赤ちゃんになんて声を掛けてあげて良いのかわからず…
産んであげられなくてごめんなさい。
親の勝手な決断であなたの未来を奪ってしまう。ごめんなさい。
手術はもう3日後に迫っています。
今は泣いてばかりです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
赤ちゃんは仏様と成られます…仏様にお任せです。
ご心中お察し致します…お掛けする言葉もございません。
今は泣いて下さい…思いきり、涙枯れるまで、声まで枯れるまで…泣き続けて下さい。泣くことが感情の発露となります。思いを外に出すことになります。抱えきれない思いまで背負い込む必要はありません。
あなたの選択を、あなた方ご夫妻の選択を尊重致します。
坊さんは人工妊娠中絶を認めたらダメじゃないのか…そんなご意見もあるでしょう。でも、私はあなた方の決断を支持します
出産する、または中絶する…いずれにしても、あなた方ご夫妻はその結果を背負うことになります。
でも、どうでしょう。責任取れますか…結果を背負えますか。
いいえ、背負えません…人間には。
だから仏様が存在し、「私があなた方の苦悩を一緒に背負って立とう」とおっしゃるのです。
「みそなわすこと 自己のごとし」…仏様には、あなたの苦悩が御自身の身に起きたことのようにダイレクトに伝わっているのです。
他人事ではないから、とても放っておけないとおっしゃいます。
仏様が、大切なあなたの赤ちゃんの命を引き受けて浄土に迎え取り、「仏のいのち」に仕上げて下さいます。小さな命の灯が消えるのでは無く、尊い仏のいのちへと転じた上で、あなた方を見守り・支え・導いて下さるのです。
私達がしっかりしていない分、仏様がしっかりしていらっしゃるのです。
赤ちゃんの命はそんな仏様にお任せ致しましょう。
私達人間の力の及ばないことは、仏様がちゃんとなさって下さいます。
そのことに思いを致して、赤ちゃんは「あなたのもの」ではなく、そのような か弱き存在を超えてはるかに尊い、あなた方を導く仏様とお生まれになるのだと受け止めて下さい。
そして今後は我が子を、そのような「仏様」として仰がれ、感謝の意味からお手合わされつつお過ごし下さいませ…。
どうぞくれぐれも御身を御大切になさって下さい…。
質問者からのお礼
ご回答ありがとうございます。
私達の決断は賛否両論あるかと思いますが、頂いた温かいお言葉にとても救われました。
「小さな命の日が消えるのでは無く、尊い仏のいのちへと転じた上で、あなた方を見守り・支え・導いて下さる」
このお言葉通り、私達を見守って導いてくれると信じたいと思います。
今はまだ悲しみと苦しみの中にいますが、私のお腹に宿ってくれた赤ちゃんへ感謝の気持ちを、いつまでもいつまでも忘れずに過ごしていきます。
本当にありがとうございました。