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故人が安らかに成仏したか?

回答数回答 1
有り難し有り難し 6

何年もずっと気にしています。私の親は善人でしたが良い人生ではありませんでした。生前かなりひどい目にあい、最後には病気でかなり苦しんで亡くなりました。ある時から全ての宗教の神を信じなくなり、最後にはこの世と人間に対する怨み事を言いながら亡くなりました。もう亡くなってから10年以上経ちますが私には成仏したようには思えません。何か故人が成仏したかどうかわかる方法はありませんか?教えてください。

2023年8月19日 16:33

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

自灯明 法灯明 のこころ

ご承知のとおり、「成仏」というのは、仏に成ることであります。

“仏に成る”わけですから、これはおのずからのはたらき(=他力のこと)であって、人間の方の都合や能力や実績、行いなどで「成れる、成れない」が決まるようなもの(=自力のこと)では本来ないはずでしょう。

かりに生前、怨み言を言っていたとしても、それをゆるさぬ狭量な神仏(ほとけ様)などいるものでしょうか。生前の行いがどうあれ、またたとえ数多過ちあれど、みなみなゆるしてしまうのが神仏本来であろうと思います。

ゆえに、ご両親(※)におかれましても、(例にもれず)かならずや成仏なさったものと思われます。きっとあちらの世界で本来の善い心のまま笑ってお過ごしなのではないでしょうか。

※チャトラさんの言われる「親」というのが、お父様のことなのかお母様のことなのか、またはお二人共のことなのかはわかりませんでしたので、ここでは「ご両親」とさせていただきますね。

なお、これは余計な事かもしれませんけれども、もとよりの事を申し上げれば、死して責められる生命などありましょうか。

肉体を離れれば、一切衆生悉有仏性、いずれの魂も生命ひとつ切りの世界にかえってゆく(成仏する)ばかりでありましょう。

あとはチャトラさんご自身が、心底からそう確信出来るまで、(考え方として思い込むのではなく)ご自身の身と心とでお確かめになったらよろしいですね。

そのための具体的方法を仏教は伝えてくれています。それが観察瞑想であります。ただ静かに、ご自身をあるがまま見つめるのです。

そうすると、だんだんと見えてくる(わかってくる)ものがあるはずです。

暗い部屋のなかでは辺りの様子が見えず不安になるかもしれませんが、静かに何をということなく眺めていると、そのうち部屋のなかの様子が見えてくる。あの感覚に似ているかもしれません。

なお、わたくしめには、ご両親があちらの世で苦しんでおられるお姿は想像出来ません。きっとお二人ご一緒に笑っておられましょう。ですから安心なさって、チャトラさん、ご自身の内側にひろがる生命の世界を眺められてくださいませ。

そわか合掌

2023年8月20日 9:48
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有り難し
おきもち

個別相談可能
「抜苦与楽こそ“お坊さん”の仕事」 これは拙僧のささやかな信条です。「仏道修行」という旅のなかで得られた仏法の妙味を、御縁をいただいた皆さまと分かち合い、喜び合えますことなどは、もう本当に本当に有り難く、心の底から嬉しくもなり、おのが修行の励みともなるものであります。一つ一つのよき御縁に感謝をし、命のままこの道を行こうと思っております。是非、ともに仏法を探究いたしましょう。そわか合掌 ※唐突に安居(あんご:瞑想修行・自己対話に集中する期間ほどの意)に入ってしまう時などもあり、あまり沢山の回答は出来ないかもしれません。ですが、ご回答出来る時には全身全霊を尽くし、御相談者さまのお心に、たとえわずかでも仏法の妙薬が浸透し、またその妙味を味わっていただけますよう精一杯心を砕き言葉を紡がせていただきます。 ●その他、拙僧文章(ぶんしょう)について… ・心の支えとしている仏教書は、池田魯参先生の「『摩訶史観』を読む」と「天台小止観」 ・瞑想スタジオ「そわか」主宰(現在はオンライン中心) ・瞑想の先生、人生コンサルタント ・サッカー好きな一児(中2)の父
どのようなお悩み事でも、安心して打ち明けてください。つまらぬ正論や説教臭いだけの綺麗事は申し上げません。人がどのように理屈をこねようと、すべての物事は❝あるがまま❞。 現在、八方塞がりで藁をも掴もうというご心境の方、仏法(仏教)に救いをお求めの方は、是非いつでも真剣にご相談くださいませ。その苦しみこそ、あなたを導くほとけの慈悲なのですから。 そわか再拝

質問者からのお礼

回答ありがとうございます。成仏とは他力によるものなんですね。父親は私が子供のころ離婚しまして、私は母親に育てられました。その父親も善人だったのですがあまり良い人生ではなく、早くに亡くなってしまいました。もちろん父親が成仏したのかも気になりますが、文章の人物は母親です。頭がいい人でしたが人間が良すぎて人に欺かれたりしてかなりつらい人生でした。老後は突然難病にかかりかなり苦しみました。本人はせめて老後だけはおだやかに暮らしたいと言ってましたが、それもかないませんでした。死ぬ一年くらい前から死期が近いのが自覚しているのか、人間と現世と運命に対して怨み事を言い出しました。私はそれに対しては今までを考えれば当然の感情だと今も思っています。しかし死後は安らかな世界に行ってほしい これが私の今の最大の望みであります。お話を伺って少し私の気持ちが楽になりました。親や先祖に関しての悩みはまだまだありますので見かけましたら、回答お願いいたします。ありがとうございます。

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