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自分自身について

回答数回答 1
有り難し有り難し 6

もう今年で30になりますが…自分自身がわからなくなります。
本当の自分ってなんだろうとわからなくなります。
これから先が不安です。
自分自身と向き合って行きたいと思うのですが、どうすればいいでしょうか?


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

「自分自身」とは・・

和馬様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

「自分自身と向き合っていきたい」となりましても、その「自分自身」が何かを分からなければ、どう向き合うのかもわからないですよね・・

実は、「これが自分です」と言えるようなものは、身体、心のどこを探しても何も見当たりません。

仏教的には、般若心経でも説かれております「空」や、あるいは「無我」のことになりますが、要は、「無実体・無自性・無自相」という事態を示す概念として、簡単には、モノ・コトが、それ自体の側において、永久永遠に変わらずに存在し続けているような、独立自存なる何かによって成り立っているのかどうかと言えば、そういった独立自存なるものは、何らとして見当たらないということになります。

但し、「空」や「無我」と言っても、「自分が無い」というわけではありません。

確かに貴方も私も現に存在しています。存在していますが、しかし、そのありようは、他に(例えば、原因や条件等に)依存せずに独立自存として成り立っているものが何らとして見当たらないということであり、他に依存して成り立っているということを「縁起」(えんぎ)と申します。

さて、とにかく、貴方も私も、他との関係性の中で、何かに依存して成り立っているものであり、つまり、色々な他に依って、助けられて、支えられて、それで何とか存在できているということになります。

「自分が何か」は他との関係性によって言えているだけのものであり、永久永遠にこれだと絶対的に言えるものはなく、他との因縁(原因や条件)によっても変わっていくものに過ぎず、あまりそのことについて、拘らない方が良いでしょう。

それよりも、他とのバランスの良い関係性を保ててこそ、私たちの存在は成り立っているのだということをよく理解して、お互いがお互いで、助け合い、支え合い、分かち合いを生きていることの自覚と共に、このような世界を、どう過ごしていくべきであるのかについて考えて、実践していく方が良いのではないだろうかと存じております。

善処を祈念申し上げます。

川口英俊 合掌

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質問者からのお礼

ありがとうございます。
もう少し気楽に考えてみようと思います。
もちつもたれずの関係なんですね。
相談して良かったです。
前向きにやっていきます。

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