母性に飢えた私は胎児に戻りたい
お世話になります。
結婚相談所にて婚活中ですが難航しており、ご助言いただきたく失礼します。
元々自分に自信はなく、容姿身長収入等でいわゆる低スペックだと自認しています。それらに加えて相談所のカウンセラーはじめ、周囲から「考えすぎ」「繊細」と評されることが多いです。
先日、素敵な女性とお見合いすることが出来ました。
知性と包容力があり、気遣いも見せてくださり、人として信頼できると感じられる方でした。
翌日、お相手から今後の希望が届いたのですが、結果はあいにく「お断り」でした。
後日相談所に理由を問い合わせたところ、
「受け身に感じられた」
「話を広げようと質問したことに対して、自分のことを話したくない雰囲気を感じた」
といったものでした。
ご縁がなかった事実は仕方ないとして、いま改善できることを探している最中です。
相談所のカウンセラーから「次回以降、話し方に気を付ければいい」というアドバイスはあったのですが、それは表面的な対処に過ぎず、根本的な「自信の獲得」にはならないと感じました。
そこで考えを巡らせたのですが、私が内面に抱えているものが良くないはらたきをしているのでは、と疑っています。
先のお見合いと前後して強いストレスを感じる時期があり、その間、私は「胎児に戻る」妄想を繰り返していました。
守られたい。
一方的に与えられたい。
責任を負いたくない。
ひたすら安心させてほしい。
甘えたい。
甘やかされたまま溺死したい。
生まれる前こそ極楽だとすら思えるのに、なぜ生きて社会で生活することはこんなにも……
例のお見合いの影響で気付かされた面もありますが、どうやら私は母性に飢えているようです。
女性からは、寛容で穏やか、生活力と協調性、共感性を持つ男だと認められたいと思い描いてはいるのですが、お断りの一件は、私の心の底にうずく幼児退行ならぬ胎児退行願望を見透かされた結果ではないか、そのように考えてしまいます。
巷のコラム等で見聞きする限りでは、私のように甘えの欲求をうまく消化できない成人男性は案外多いのでは?とも思うのですが、何か救済手段はあるのでしょうか。
また、お釈迦様が語ったこととして、母胎回帰の幻想といいますか、そういった内容のお話しはあるのでしょうか。
お知恵を拝借できれば幸いです。
宜しくお願いいたします。
人知れず短気で傷つきやすく 悲観的だった自分が変わりつつあるのは、 仏教との出会いがあったから
甘えたい/頼りたい/与えられたい/他者から奪いたい/慰められたい/赤子のように振る舞いたい欲求たち ↕︎ それを恥として許さない理性
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
人は自分が一番大事。だから
こんばんは。それは残念な結果でしたね。しかし、そういった「思い通りにならない時」に、それをどう理解(説明)するのか、今後どうしようと考えるかで幸せは変わってくると思います(これは仏教的な解釈です)。
そして、原則は「人は自分が一番大事」です。あなたもそうですし、彼女もそうですし、そしてお母様も…。
そうなのです、「自分が一番大事」なのにも関わらず、あなたのことをこれだけ愛おしみ育んでくださった方があるのです。それを思うと「自分も、それに近づけないだろうか」と考えることは、育ててもらった恩を次に生かすことになると思います。
ということで、「彼女にとっては彼女が一番大事。その人生に関わらせてもらうことで、どこか”お互い様”と言えるだろうか?」というのがお相手選びには大切なんだろうと思います。
単純な話、あなたが繊細で彼女が大雑把な性格ならば、それでうまくいく可能性もあります。あなたが内向的で彼女が外交的である、とかも。つまり「自分と違うところ」を「いいな」と感じ、お互いの苦手をフォローできそうであればいいと思うんです。
人に求めてばかりの時は、自分の都合でしか彼女を見ることができません。では「彼女は相手に何を求めているのか?」を知りたくなるでしょうけれど、それは信頼できると思ってもらわねば聞き出すことができません。自分の弱みでもあるのですからね。
なので、とっかかりは「自分とは違う。けれど、それも素敵だな」と思えるところを発見し、それを伝えることです。その過程で「僕は〜なところがあるから、あなたの〜な所が素敵だと思います」と自己開示することもあるでしょう。それは相手への信頼感の表明でもあります。
全面的な「頼る・頼られる」ではなく「頼れる部分・頼られる部分」を見つけていけるといいですね。
あと、胎児願望ですね。あなたがこれから母体に戻ったら、詰まらなくて「出してくれ」って言うと思います。母親にそんな負担をかけていることに耐えられないだろう、とも思いますよ。
質問者からのお礼
佐藤良文和尚
大変丁寧なご回答、誠にありがとうございます。
頂いたお言葉は繰り返し拝読していますが、申し上げにくいことですが、今の私の感覚では受け容れがたい部分も多く(実母への疎ましい感情がある等)、すぐに考えや気持ちを切り替えるのは難しいと感じてしまいました。
いつか、時間がかかっても理解できる日を迎えられるよう、少しずつ精進して参ります。
ありがとうございました。