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良い人・優しい人が損する理由

回答数回答 1
有り難し有り難し 9

YouTubeのオススメに「良い人・優しい人が損する理由はこれです」みたいな動画があったので、とりあえず観てみました。その動画には「ブッダの教え」というサブタイトルが付けられていました。

優しさと思いやりが、いいように利用され苦しむ主人公の話でした。

その後、主人公が見つけた答えは、
①「自己尊重と他者への尊重のバランス(自分自身と他人の間に健全な境界線を引く)」
②「自分の気持ちや考えを尊重してもらえない関係は健康的ではないと理解しそのような関係とは距離を置く」
③「支援や協力が真に価値を持つ場合にのみそれらを提供するようにする」
というものでした。

私にはとても良い話に感じましたが「我を無くす」から遠のいてるようにも見えて、この話をどこまで鵜呑みにしていいのか迷っています。
「ブッダの教え」とありますが、この動画に出てくる登場人物名や逸話をネットで検索してもそれらしいソースが見つかりませんでした。
(生きにくさを抱えた現代人向けの創作?)

ここでお坊様方にお聞きしたいのは①②③は仏教的に見て、実行しても大丈夫な内容でしょうか。

またお坊様方の考えなどもお聞かせ頂けたらと思います。
よろしくお願いします。

補足です。
私は優しさ・善良さとは程遠い人間ですが、周りではよく聞く話だったので、このテーマに関心がありました。

2024年2月27日 8:55

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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

善いことを進んで行いましょう

拝読させて頂きました。
あなたがその様な動画をご覧になり「仏様の教え」ついて疑問に思っておられることを読ませて頂きました。そのお話の内容は「主人公の優しさと思いやりがいいように他人に利用され苦しむお話」だったのですね。あなたがお話を観てとても不安視してしまったり、仏教とは何だろうと思い悩んでしまうお気持ちもとてもわかる様に感じます。あなたのそのお気持ちを心よりお察しします。
仏教は全てのものが苦しみや悲しみや辛い思いから救われて何の憂いもなく清らかに円満にご成仏していくことを教えています。
ですから目先の損得・我欲や他人に利用されて苦しむということで人やものごとをより分けすることではありません。
誰もが自らの人生を有意義に生きる為、周りの人のことも尊重しできる限り優しく思いやりの気持ちをもつ心、他を慈しみ救いにつながっていく様に心がけていく教えです。その様に優しく他を慈しむ助ける心を養っていくことが自らの楽や幸せになっていきますし、徳を積んで自らの成長へとつながっていきます。
他への支援や協力が真に価値を持つかどうかを自分なりにご判断なさって提供することも生きていく中ではとても必要かもしれません。ただそれが自分の損得のみばかり優先しては真の価値や意味を見失ってしまいます。
私達の頭で考えられる範囲は限りがあります。様々な巡り合わせや過程を全て想像し計算できその費用対効果は私達には全てはわかりません。
逆に様々な不思議なご縁や巡り合わせがつながって多くの結果や果報や災いにつながっているのです。それは私達の想像を遙かに超えることばかりです。後になって、ああこんなことがあるんだ…こんな巡り合わせがあるんだ…こんな風につながっているんだと驚き思い知らされ自らの生き方や考え方を改めさせられることばかりではないかと思います。それは恐らく一生続いていくでしょう。
あなたもご存じでしょうが
諸悪莫作(しょあくまくさ)衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)自浄其意(じじょうごい)是諸仏教(ぜしょぶっきょう)
あらゆる悪をせずにあらゆる善いことを進んでしましょう。自分の心を清らかにしていきましょう、それがあまたの仏様の教え、つまり仏教です。
あなたが善き考え言葉、行いを日々心掛けて毎日を心から豊かに皆様と幸せに生きていかれます様に切に仏様神様やあなやのご先祖様にお祈りさせて頂きます。

2024年2月27日 11:32
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有り難し
おきもち

Kousyo Kuuyo Azuma
脱サラして10年が経ちました。栃木県佐野市の一向寺に勤めています。(佐野ラ...
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質問者からのお礼

>Kousyo Kuuyo Azuma様

早速の回答ありがとうございます。
誤解のある書き方をしてしまったようで申し訳ありません💦
仏様の教えについて疑いはありません。
例え真理の正体が私が思い描いていたものと違っていたとしても、お釈迦様の教えは生きていく上でとても理にかなってますし、こんな私にもご利益(世間で思われているような現世利益とかでなく、もっと精神的な満足や、生きていく上のコツ)を与えて下さる事に感謝でいっぱいです。

私が疑問に思ったのはYouTubeの結論の方です。
ちょうど「我を無くす」事に挑戦している矢先にあの結論を見て「おや?」と感じたもので。

七仏通戒偈の教えを授けて下さり、ありがとうございました。実はお恥ずかしながら私はこの教えを知りませんでした。
これからは心がけようと思います。

お忙しい中、ありがとうございました。

追記です

この問題は
“優しさ・思いやりが搾取されやすい”
“与えすぎると、やがて当然と思われてしまう”
“相手の自立を妨げてしまう”
などの問題に繋がりやすい気がしました。
もちろん善行は積んで行こうと思います。

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お金なんて要らんと貫いた心

神仏への信仰心がとても篤かった医療人のお話です。 その人は幼き時に難病で視力を失い、家督を譲って琵琶法師と鍼師のどちらかを選ぶときに医の道を選んだそうです。親には「二度と家の敷居をまたぐでないぞ」と突き出され、入門先の師匠は「素足に埃が付いたら掃除やり直し」覚えも良くなく、ある日鍼を持たせてもらった時には、患者さんが痛さで悲鳴と怒号のクレーム続出…ことごとく破門。 後がなく生死をかけ岩屋に篭もって断食修行、無我の境地で空腹に転び手にした松葉(鍼のような)と、くるまった落葉を元に、のちの管鍼法を発案。「これなら患者さんも痛がらずに下手な自分でも施せる」心の清らかな和一さん、あれよあれよと出世し果ては将軍の病まで治癒。「よくやった和一よ、褒美を与える。何でも申せ」と将軍、ところが見返りを求めなかった和一先生、儲けは要らんと一旦断るも、当時の上下関係では言語道断。お互いにプライドがゆるさず譲り合わなかった末(流石の将軍もこれで諦めるであろうと、盲目の自分に)「ひとつ、目が欲しゅうございます」と頓智を効かせたところ「わかった」と将軍は引き下がり、しばらくして江戸の一ツ目という地名の土地に、「盲目と老体が遠方まで行かずともお参りできるように」と江ノ島の弁財天様を勧請、老いても尚熱心に参詣を怠らぬ和一検校を自分のケアスタッフとして「そばに置いておきたかった」のもあり、治療院のみならず弟子の養成所と神社まで併設、そして今も残るそうです ハンデがあっても自立して生きていける術を磨く、世界初の視覚障害者用職業養成機関は、実は江戸時代に「盲目となり家を出され、師弟関係も破門され…住むところもお金もなく、仕事のセンスにも恵まれず…只管に神仏に手を合わせ続けた」信仰篤き偉人の苦労の先に日本で生まれた逸話、私は大好きです! 話が長くなりましたが、私も勉強をし指圧師となって施術をしたいと毎日仕事に明け暮れています。元ヤン僧侶さんは「目標が半端ねぇ。もっと効率的にガッツリ考えろ」と喝を入れてくださいました(笑)息を吸うように朝日が昇れば仕事が入ってきて、6月は休みなしで母の日から連勤達成更新中です。今の仕事も好きですが、やっぱり指圧を専門学校で学びたい。 先日お寺でふと仏様から「前へ。只管に進みなさい」と声が聴こえた氣が…私の指圧を喜んでくれた母の為にも入学が叶うようエールをいただけますか。

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