ハナ様はじめまして、ご相談拝見しました。
まずもって、その若さで大切な方とのお別れを続けて経験されましたこと、大変お辛いことと存じます。力不足故、なんとお言葉をかけてよいかもわかりませんがせっかくのご縁ですので少し私見を述べさせていただきます。

なぜ私たちが生きるのか。その意味はないとも言えますし、あるとも言えます。どちらにも絶対的な根拠はありませんのでこの問いについての答えは自らの選択、そして信仰であるとも言えます。生きる意味があるとするのも、ないとするのも自分の信じる心次第です。今、その信じる心がハナ様の中でゆらいでいるのでしょう。
この時に大切であるのが死という事実です。残念ながら人間は有限存在であり、かつ、自らがやがて死ぬことを知識として知っています。このことが私たちの人生に大きな暗い影を落とすこともありますが、有限だからこそ大きな意味をも与えます。
死なないとしたら人間は努力するでしょうか？また人と交わるでしょうか？そんな辛いこと、めんどうなことしても意味ありません。何をしたって死なないのですから、たとえ何かしたいなあと思ってもまあ100年後か1000年後くらいでいっか、てなもんでしょう。
今限りある命が私にもたらされているという奇跡的な事実が人間の人生に尊さ、豊かさ、そしてまた苦しみまでをも生きる意味（生きがい）として与えるのでしょう。

命の終わりに順番はありません。悲しいことに早いお別れもあるでしょう。しかしその大切な方の存在はハナ様の人生に大きな意味を与えたことと思います。またこれからも与え続けていくでしょう。すなわちハナ様自身もまた他の方にとって同様の存在なのです。そしてこれからもそうなり続けるのです。

人生にはたくさんの苦しみがあり、私たちは時々その意味を見失います。しかし私たちが人生に意味を問う前に実は、私たちは人生から生きる意味を問われているのです。
「あなたはどう生きるのか？この苦難をどう乗り越えるのか？この幸せをどう人に伝えるのか？」
と人生から問われ、試されているのです。この問いにどう応えていくかという一点に私たちの自由があり、そしてその自由は希望となるのです。そして自らが出した応えはまた他の人に影響を与える道となります。その影響は命尽きても途絶えることはありません。

ぜひともこれからも共に生きていただきたく存じます

吉武文法

法覚寺

はじめまして。北海道の片田舎の農村のお寺で住職をしております。 人生...

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