病気で不自由なことが悲しくつらいです
30代独身無職の女性です。
化学物質過敏症、慢性疲労症候群、アトピー、過敏性腸症候群と、いろいろな不調があり、精神的に苦しいです。
柔軟剤で顔が腫れ上がったり、美容室や歯医者に行くと湿疹が出たり、サプリや薬もほとんどのものが湿疹が出てしまうので、西洋医学ではお手上げです。
漢方も飲めない生薬が多く、なんとか鍼灸で改善をはかる日々です。
働きすぎたのか、ストレスが何重にもかかったことで、慢性疲労症候群になり、普段はベッドで横たわって過ごしています。
調子のいいときに、ごくまれに近所のスーパーに行くことができますが、普段は最寄りのコンビニさえたどり着けません。外出できない日々が悲しいです。
食物アレルギーも病気がきっかけなのか急に増えて、30種類以上のものの反応するようになり、食事でさえ厳しい制限に悲しくなる毎日です。
前向きになろうと、いろんな大変な人たちのことをネットで読んだり、みたりして、自分が当たり前だと思っているものに目を向けようとすることも多いです。
目が見える、ネットが使える、足が不自由じゃない、肌はボロボロだけど痛みやかゆみはない、呼吸がつらくない。
幸い、実家に住まわせてもらっているので、なんとか生きていけています。
当たり前なことも当たり前じゃないし、生活できて生きていてることに感謝しないと。
そう思って、理性で考え前向きになっても、自分の苦しみや悲しみといった本心を無視するからか、前向きになるのは一時的で、やはり不自由な身が悲しくつらいです。
昔はバリバリ働いていて、そんな自分が好きでした。無職になって5年。20代後半から時が止まっていることが悲しいです。
闘病を頑張れば社会に復帰できる、という希望があればいいのですが、そのような希望もいまのところ見当たりません。
そして、一緒に住んでいる家族も、洗濯してくれたり、食材を買いに行ってくれたり、とても親切にしてくれますが、私の悲しみやつらさに思いをよせることはありません。
いま精神的につらいから話を聞いてほしいと話をしても、こうしてみたら?と何の解決にもならない助言をされたり、前は元気だったのにねえ、と言われたりなど、その対応が悲しいです。
病気に解決策が見当たらないのはしょうがないです。でも、誰かにこのつらさを受け止めてもらいたいです。仏教で参考になる考えがあれば教えて下さい。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
辛いお気持ちは仏様に預けてしまいましょう…
ご病気により、お辛いご心中お察し致します。
少しでも快方に向かわれることを心より念じ上げております…。
仏教で大事な視点は「いま・ここの私」ということです。
その意味では『昔はバリバリ働いていて、そんな自分が好きでした』『前は元気だったのにねえ』という思いは不要であり、また「今を生きる私にとって障がい、妨げとなる」言葉と申せます。
今のあなたが、本当のあなたです。もちろんご病気が快癒されたら、それはその時の本当のあなたと申せます。
「無いものを嘆かんで、あるものを喜ぼうよ」…かつての篤信の仏教者のお言葉です。
今のあなたは今のあなたを今生きるしかありません…それ以外は無理なのです。
世の誰もがそういう立場に置かれています。「未来は未だ来ず、過去はとうに過ぎ去った」のです。
今を生きる…今の命の時間は有限ですので、そのように生きないとこの上なく勿体ないことになってしまいます。
それでも沸き起こる…なぜ私がこんな状態に…こんな思いに…という感情が起きたときには、その思いをこそ捨て去りましょう。手放しましょう。
それは分かっているけど、辛い感情を抱え込み、溜め込む私。
こんな私を見抜いて阿弥陀という仏は「我が感情を手放さしめるおはたらき」をお持ちです。
そのおはたらきとは「お念仏(南無阿弥陀仏)」です。
辛い気持ちはそんな仏様のおはたらきに任せてしまいましょう。どうぞお念仏申して下さいませ…。
「抱え込まず、手放せばラクになれる」…自分ではなかなか出来ないその行為を私に成り代わって実行して下さる、実行せしめるのが仏様でした。
どうか、お気持ち手放して下さい…そうしたら心が軽くなります。間違いありません。
仏様を頼って下さい…頼って良いのです…。
質問者からのお礼
小林さま
こんな、普通では回答に困るような悩みにお返事いただき、ありがとうございます。何度も読み返しました。
苦しみ、悲しみに囚われる毎日がつらかったのですが、自分たちで手放そうともがき苦しむのではなく、仏さまに任せるという発想はこれまでなかったので、少し心が軽くなりました。
仏教には馴染みがないのですが、昔の人の叡智には、人生に役立つものが根底にあり、意味があるからこそ長いときを経ても残るのだと思いました。
「今のあなたは今のあなたを今生きるしかありません…それ以外は無理なのです。」人によっては、厳しく感じそうな言葉かもしれませんが、いまの私にはすっと染み込みます。いまの自分を受容する第一歩を踏み出せた気がします。
思いやり、慈悲の心を感じる文章で、あたたかな気持ちになりました。本当にありがとうございます。
この度のご縁に感謝いたします。