塗香の使い方
先日、あるお寺を拝観した折、案内して下さった僧侶の方より、記念にと塗香をいただきました。
お堂に入る前に、お清めということで、教えられるまま手のひらにすり込むように使ったのでその使い方はわかるのですが、
塗香をくださった僧侶の方の話では、他にもいろいろな場面で使うのですよ、ということでしたが、僧侶の方が急用で立ち去られたので、それ以上詳しくは伺えませんでした。
大変落ち着くよい香りで、カップ入りの決して少なくない量をいただいたのですが、寺院へのお参りのときだけ使うのであればとても使いきれないですし、勿体ない気もしています。
普段のお墓参りや、自宅で御札を拝むときなどにも使えるのかなと思っていますが、礼拝前の手を清める以外の使い方はあるのでしょうか?
インターネットを見ていますと、汗の匂い消しに首筋や胴体につけるとか、あるいは口に含むというのもありましたが、実際のところをお教えいただければ幸いです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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本願寺派では、儀式の時に使います。
鏑木さん、はじめまして、石田といいます。
塗香は、浄土真宗の本願寺派ではほとんど使いません。「記念に渡して使ってもらうお寺があるのか!」と驚きました。宗派によっていろいろな違いがあるのですね。
本願寺派では、僧侶が、本堂の内陣の真ん中の、ご本尊の阿弥陀如来さまの前にある、小さな畳の上に座ってお経をいただくいて、内陣にいる他の僧侶や、外陣にいる僧侶や一般の方々もそれに合わせていただくという、結構大がかりな儀式をするときに、小さな畳の上に座る役割の僧侶が、いろいろな作法をする中で塗香を使う場合があります。どうするかというと、向かって左側に置いてある「塗香器」(ずこうき)という小さな器の中にある塗香に「ちょんちょん」と指先を付け、てのひらにこする、ということを二回繰り返し、その後、着ているおころもの胸から腹になでおろして塗香をこすりつける、ということをします。お香で体を清めるというか、香りをいただいて心を新たにするとか、そのような意味合いがあるようです。
その儀式のやり方を専門学校で習ったときは
「でも塗香はすごくにおいますから、あまりつけないほうが良いですよ。すごいキツイですよ」
と言われました。
これは単にその先生の見解だったのだと思いますが、当時は素直だったわたしは「そうなのか!」と思い、その後、自分もまれにその儀式を担当することがあっても、あまり付けずにやっています。
以上のように、本願寺派では、塗香は儀式以外ではほとんど使いません。
他の宗派でどのように使っているかはわかりません。同じ部分も、異なる部分もあるのではないかと思います。きっとどなたかが答えてくださると思います。わたしも他の方の回答が楽しみです。
質問者からのお礼
丁重なご回答をいただき、ありがとうございます。
塗香はお参り用品や仏具などを売っているお店で普通に見かけるので、我々が知らないだけでお寺の内部ではもっと一般的なものかと思っていましたが、本願寺派ではかなり限定された用途なのですね。
宗派による違いがかなりあるもののひとつと理解しました。
おかげさまで良い勉強をさせていただきました。ありがとうございました。