毎日料理はちょっとしんどい…
師走、字のごとく、忙しいですね。
お坊さま方もhasunohaを読んでる皆さまもいかがお過ごしでしょうか。
私はタイトル通り、毎日の料理がしんどくなってきています。
現在同棲していまして、お互いに働いていて2年以上になりますが、ほぼ毎日のご飯を作るのは私で、苦ではないですが正直大変です。
特にこの時期、日の出前に起きて朝ごはんとお弁当作るのがツラいです…。
あと、お恥ずかしながら毎日夜遅くまでいわゆる「求められて」おり寝不足です。
ただ私がお弁当の仕込みしてるのでベッドに入るのも遅くなるんですが。
眠い頭で料理して、味付けや盛り付けが上手くいかないと少しムシャクシャします。
食べ物への感謝やそういう気持ちからかけはなれてしまっていると感じます。
お坊さまの修行中の勝手なイメージですが…毎日、夜明け前からご飯の支度をされていると思います。大変なことだと思います。
どういうお気持ちで、お料理に向かわれておりますか?
たいへん贅沢な悩みですが…ご回答いただけますと有難いです。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
布施は惜しまず頑張り過ぎない
私はお寺で育ちましたが、小さい頃は毎週土曜が出前弁当の日で、それが楽しみでした。お寺は休日ほど忙しく、また当時の土曜日は子供が昼までで帰って来たので大変だったようです。お寺も臨機応変にやっていますよ。
夢を壊して申し訳ありませんが、永平寺で早朝(というより深夜)のうちからお米を一粒一粒選別し…のような有名なアレは、誰にでもできるわけではありません。永平寺のように修行僧が百うん十人といて、一日中、料理のことだけやって許される役職があるからできます。地方寺院は極端に言えば、永平寺で百数十人がやっていることを1から数人でやっているわけですから、どうしても出来ることと出来ないことがでてきます。正直、そこまで時間も労力も割けません…精進料理教室や宿坊にウェイトを置いているお寺さんはまた別かもしれませんけどね。
さて、仏道は我慢大会ではありません。プロフィールも拝見しましたが、いろいろとご事情があるようですね。その中でバランスを取り、出来る範囲で精一杯やればそれで良いのですよ。
お坊さんは鐘を打ちますが、大きい鐘は大きめの力で、小さい鐘には小さいなりの力で打ちます。大きい鐘を小さく打ってはちゃんと音が出ず、小さな鐘を力一杯打てば音が割れます。鐘がそれぞれ最適な強さを持っていて、私たちは自分の気持ちに鐘を合わせるのではなく、鐘に自分を合わせて打ちます。そういうのが無我であり、仏道です。
家事も同じです。自分の気持ちに料理を合わせるのではなく、やるべき事に優先順位とバランスをつけ、それに自分を合わせましょう。
確かに味付けや盛り付けに集中できないと、一見、食材に全心全霊で向き合っていないようですが、そうではありません。キノコから出汁を取った味噌汁より、インスタントの味噌汁の方が劣るでしょうか?あるいは愛情たっぷり手作り弁当よりコンビニ弁当が劣るのでしょうか?そこで優劣をつけるのは世俗の価値観です。何物にも分け隔てなく、丁寧に向き合うのが仏道です。忙しい時は忙しいなりの力で、余裕がある時は余裕があるなりの力でやりましょう。それで良いのです。いや、それ『が』良いのです。
…と、料理しないお坊さんが書きました(笑)まぁ、万事に言える事なので勘弁してください。
中途半端
こんにちは。お仕事&家事&諸々、お疲れ様です。
文章を拝読して、「ああ、前時代と現代がゴチャッとしているな」と感じました。私の母世代(戦後すぐ〜)であれば、そういう「奥さん」も専業主婦として、それなりに幸せをかみしめて生活していたのでしょうけれど、そういう人たちは昼間に自由になる時間があったわけです。つまり、朝ひと通りの事をして、子どもを送り出して掃除までやって、その後は夕方まで自由時間。その間に休むこともできたでしょう。それでまた家族の帰りを笑顔で迎える。
ところが今は、同棲もよく聞く話になりましたし、政府も「奥さんも働いてね〜。で一緒に子育てもしてね」と「正しい夫婦関係」まで示すようになりました(全くのお節介と思いますが)。
その「政府の目論見」は、「夫も仕事ばかりではなく、家事も分担しよう」という前提のはずですが、現場ではそうは行かず、いまだ旧来の夫婦・家族像が幅を利かせている訳です。
誰もが、何か「美味しいところ取り」をしようとしている気がします。「同棲しているんだったら、家事分担は当たり前」にしないと、そのうち大きな問題になると思います。
料理については・・・
私は料理をしないので答えられませんが、そのことは素直に彼に話した方がいいと思います。週に一度はお弁当は買ってもらう。とか・・・
夜の話も続くと辛いですから、辛いからそんなに頻繁は無理だと伝えてあげてください。優しく、嫌われていると勘違いさせないように^_^
あなたのことを大切に思える人ならその位はやってくれますよきっと。二人とも働いているならご飯は交代で作るとかもいいと思います。
そういうことを乗り越えられる関係を築けるといいですね。
質問者からのお礼
大慈様
ご回答いただきありがとうございました。
お寺のお料理事情の件、イメージだけで質問してしまい失礼いたしました。
臨機応変にやっていらっしゃるとのこと大変参考になります。
プロフィールもご覧いただいてありがとうございました。
彼の前の奥様にはほとんど手料理らしいものを作らない方だったようで、本当に泣いて感謝されるのですが、
その(ある意味、私には過剰な)期待に応えようとしすぎていたかもしれません。
料理も、なんでも、自分の自分なりのペースの中で丁寧にやっていこうと思います。
朝に作ったお弁当、食べながら今書いているのですが、涙が出てきました。
本当にありがとうございました。
----------------
円通寺 邦元様
ご回答いただきましてありがとうございました。
お礼が遅くなり失礼いたしました。
素直に無理な日はそう伝えようと思います。
元々片づけは一緒にやっていましたが、ここに相談するために書いていたメモを彼が見たのか、
最近は夕飯の支度やお弁当の仕込みも手伝ってくれるようになりました。
ご飯の交代も意欲があるようです。いい方向にいくといいなと思っています。
今後に関して前向きになれました。ありがとうございました。
----------------
光圓寺 佐藤良文様
いつもご回答いただきありがとうございます。
はっきり前時代的だと言っていただけてよかったです…。
私の母も結構な年の差で父(数年前に亡くなりましたが)と結婚しましたがほとんど家事はやらない父でした。
自営業で共働きでしたが、それが当たり前の家庭で育ったので、前時代的なところがあるかもしれません。
おっしゃる通り「自由になる時間」がない今の私の状況が、休めなくて自分のこともできず不満でした。
家事分担としては掃除はお互いにやりますので料理だけが私な状況です。
もうちょっと効率よくできるよう色々相談しながら考えてみます。
冷静にご意見いただけて、有り難いです。ありがとうございました。
4か月後の追記です。
(こんなに前の質問に追記してお坊様に届くかhasunohaの仕組みはわかりませんが…。)
あれから、彼と色々話してみて、弁当を週1で交替することになりました。
それも3週間でギブアップしましたが、大変さはわかってもらえました…。
それからは料理は「しんどくても作らなきゃいけないもの」から、
1品でも作れれば上出来と思えるようになりました。
弁当も前の日の作りおきで、おかず1品のどんぶりです。それでいいんだと。
自分の余力のなかで出来るようになれば、イライラも不満も劇的に減りますね。
その視点がなかったんだと気づかされました。
皆様お話を聞かせていただいて本当にありがとうございました。