宗旨替えにつきましておたずねいたします。
昨冬、脳出血で倒れた父の「もしも」の事態を考えまして、お墓などの準備を考えております。父の実家(本家)は曹洞宗を信仰しておりますが、父は倒れる前から「〇〇寺(真宗大谷派)がいい!」とおそらく〇〇寺のお坊さまを敬ってのことと思いますが、こう言っておりました。
宗旨替えの動機としましては少しハテナと感じつつも、ほかの方々へのお坊さまのお答えを拝見しまして、私は「まあいいのかな」と勝手に解釈しておりますが…
お聞きしたいのは、その場合、どのような手続きが必要なのかということです。真宗大谷派のお寺様は受け入れていただけるようです。また父は二男で実家から出ましたので新しくお墓や墓地はまだ準備しておりません。
生まれて出生届を市役所に提出しますが、それに似たような何かがあるのでしょうか。父の実家に報告するとか、父の実家の菩提寺様にお話しするとか、何か必要なのでしたら教えていただけますでしょうか。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
祭祀継承者でなければ問題ありません
現代は明治時代の大家族制度や家長制があるわけではありませんので、原則として家の宗派を継がなくても問題はありません。また江戸幕府の寺請け制度により始まった檀家制度も、お寺がお上からいただいた特権が無くなった現代は、檀家になることを強制する根拠はありません。現在の檀家制度は先祖供養と墓とお寺の関係で、辛うじて残っているものです。憲法では、国民の信教の自由(信ずる自由と信じない自由)が保障されていますので、どの宗教を信じるのも自由です。
ただしお墓については、民法で祭祀継承者(系譜、祭具及び墳墓等の祭祀財産を承継する者)という決まりがあり、その家の誰かが引き継ぐことが望ましいと思います。お父様が実家の祭祀継承者になっていなければ、自分で新しい宗派に入られるのはなんら問題ありません。
従ってお父様が本家の菩提寺に何らかの手続きをすることは不要です。ただし、実家の祭祀継承者の方には事前に報告をお願い致します。希望するお寺様には、入檀・入会・入門など新しく檀家になるための手続きがあると思いますので、お墓のことも含め事前に相談なさって下さい。
追加のご質問への回答です。
実家が曹洞宗のお寺の檀家であるという事と個人の信仰については、別のものと理解して下さい。一番望ましいのは、実家の関係者が全員、曹洞宗の教えを信仰しているという状態ですが、実際はそうでない場合もたくさんあります。現に私のところでも家族の半数がキリスト教を信仰しているというお家もあります。あなたや息子さんが大乗仏教の中の曹洞宗を信仰しているという事であれば、曹洞宗からの宗派替えという考え方になります。ただし信仰しているというところまで行っていない場合は、宗派替えではなく、初めて浄土真宗に帰依するということで良いと思います。日本の仏教はすべて大乗仏教ですが、教えの根本にはお釈迦様の仏教があります。因果の法則、四諦八正道などベースとなる教えは共通ですので、宗派替えをそれほど気にされる必要はないと思います。
質問者からのお礼
養源寺 りゅうよう様
ご回答いただきましてありがとうございます。素人がインターネットで調べて勝手に解釈するのと違いまして、お寺様に回答していただけるのは何より安心することができます。父やご先祖様に失礼はしたくありませんので本当に感謝申し上げます。ありがとうございました。
ただ、もう一つだけお聞きしたいことがありまして、もしもできましたら教えていただけますでしょうか。
父の実家は曹洞宗を信仰しているということは、家を出ても父も曹洞宗、私も父とは同居せず別に家を持っておりますが、私も曹洞宗を信仰しているという認識でよろしいのでしょうか。そしてこのたび真宗大谷派に宗旨替えをさせていただきますと、私も含めて真宗大谷派を信仰させていただくというのが、普通の流れになるのでしょうか。
すこし、おたずねの仕方が変ですが、よろしくお願いいたします。