故人の遺志と異なる宗派
初めて質問致します。
11年前に父を亡くし、昨年母が亡くなりました。父母ともに生前、特に入信していた宗派は無かったため、父が亡くなったときには葬儀社にお任せして『浄土宗』で葬儀を執り行いました。戒名・お位牌も家の近くの浄土宗のお寺さんで頂戴し、お墓を公営墓地に建て開眼供養の読経をして頂きました。その後の法要・お彼岸もすべて宗派は浄土宗で行っていますし、母の葬儀も家の近くの浄土宗で行いました。父が亡くなったときに家に保管してあった小さな仏壇に色を塗り父母ともにお位牌はその中に入れてあります。昨年母が亡くなったときにご本尊が仏壇にないのは良くないと思い、最近小さな弥陀三尊立像の彫り物を購入して仏壇に納めました。両大師様掛け軸もその下に飾るつもりでいます。南無阿弥陀仏のお念仏は定期的ではありませんが、唱えています。
前段が長くなりすいませんが、一つ心に不安があります。父が亡くなる随分前に、もし自分が亡くなった際には読むように、と封筒に入れた書簡を、実は私は預かっていました。父が亡くなって数か月後、その書簡が出てきて内容は「できれば『真言宗』のお寺さんで葬儀をして欲しい」との内容でした。そのときは、亡くなった父に「申し訳ない」程度の感覚で済まし、今まで父が亡くなった後はずっと私は阿弥陀様を尊んでおりましたので、さほど気にしておりませんでした。ところが昨年母が亡くなった際に遺品整理をして思い出したのですが、以前母が小豆島に私と旅行に行った際、フェリーの中の弘法大師様に何度か合掌していた姿が思いおこされ、また、父母の毎年の初詣は成田山新勝寺へのお参りだったことを思うと、両親の意思に反していることをやっているようで心が痛みはじめてきております。
父母の戒名も浄土宗で頂いておりますし、私自身としても、今となって浄土宗から宗派を変えることは考えたくありませんが、ここへきて父母に対し一体何を語ればよいのか、何かしてあげなければならないことがあるのか、思い悩んでいます。宗派をこえた質問となってしまいますが、ご助言戴ければ有難く存じます。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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霊界に宗派関係なし。
テルオさん、こんにちは。
天台宗の僧侶です。
生前の父がお願いしていた宗派と違っていたのですね。
父の思いとして父が指名した宗派でしてあげたい気持ちは大切ですが、残された遺族はいろいろな事情でその宗派で葬儀ができないことはよくあることです。
宗派によっていろんな教義は違いますが、あなたのご縁のあった宗派でも、あなたが親への真心があるのであれば、どこの宗派でも良いのです。宗派を作ってしまうのは人の行いです。仏さまから見たら違いはありません。みんな平等に仏さまに導かれているので安心して浄土宗で供養してあげてください。大丈夫ですよ。安心して浄土宗のお念仏で供養してあげてください。
もし、父の遺言通り形にあらわした親孝行を父の親孝行の思いとしてさせてもらうと思うなら、一般回向供養を受け付けてくれる真言宗の寺院さんにお願いして、追善回向の供養をしてもらえば良いでしょう。浄土宗の戒名でも個人名でも多くの真言宗寺院は受け付けてくれるはずです。供養料もそんなに高くありません。それこそ成田山で回向供養を受け付けていると思いますよ。合掌
質問者からのお礼
有難いお言葉をいただき、一度に心が前向きに変わりました。
これからは、安心して精一杯の真心を尽くして参ります。
有難うございました。