苦しみの消し方を教えてください。
職場に憧れていた男性がいました。
彼は真面目で毎日深夜まで残業し、代休なしの休日出勤もしていて、長期休暇を取らざるを得ない状態となりました。
病名などは分かりませんが、おそらく精神的なものだと思います。
そうなる前日の夜、たまたま2人で残業していて、仕事の愚痴や彼の体調を心配してるという内容の話を彼としていたのですが、ずっと笑顔で話してくれていました。
普段仕事以外で話すことはなかったので、あまり深い話ができなかったのが、今となっては悔やまれます。
彼にもっと声をかければ良かった、もっと話を聞けば良かった、と後悔する日々を送っています。
彼は今年赴任してきたばかりで、知らない土地で1人どれだけ辛かったのだろうと思うと、胸が苦しくなります。
そして最後の日の会話には、明らかに辛いとサインが出ていたのに気付けなかった自分に嫌気がさしています。
連絡先も知らないので、今の状態を確認する術もなく、自分を責める気持ちばかりが日々積もります。
どうすればこの苦しみが消えますか?
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
その苦しみは消し去ってよいものですか?
ご相談拝読しました。憧れの男性のサインに気づけなかった悔しさ、会えない寂しさ、状況が分からない事への不安…さまざまな感情が入り混じり大変にお辛い中にあることとお察しします。
ご自身を責める日々とのことですが、その男性はあなたが前日の夜にサインに気がつき、親身に話を聞いていたとしても長期休暇にならなかったかどうかはわかりません。
ただし間違いなく言えるのはあなた(だけ)のせいではないということです。
ドミノを10,000枚並べる作業で、最後の1枚だけを並べた人がこれは全部私の手柄だといばったらおかしいでしょう?それまで沢山の人が協力して9,999枚ならべていた事実をないがしろにして。
「全て私のせい」という様に考えてしまうのは実は「全て私のおかげ」と表裏一体の傲慢さでもあります。
物事にはきっかけ・背景・経緯…まあ目に見えないご縁があるものです。その男性の現在にも過去からの積もり積もったご縁があるわけです。それらを軽視してしまってはなりません。
しかしあなたがご自身を責めるのはそういうことではなく、「憧れの男性の大変な時に何も気づけなかった」という歯がゆさ・もどかしさが主でしょうか。
でもそれは、憧れたからこそ味わえる苦しさでもあります。その苦しみを消したいというのは見方によりますが少し寂しいような印象も受けます。
苦しめるほど切なくなれる出会いというのもそうあるものではありません。何にも感じない日々はそれはそれでつまらないものでありましょう。
この苦しみは今しか味わえない苦しみではないでしょうか。彼の背景に敬意を表し、不必要に自分を責めることなく、彼と出会えたからこそのこの苦しみを受け止めてはみませんか?
こうしていればこうだったはず
ああしていればああなったのではないか
そうした「思い」を中心に人は現実をとらえ、しかしそうならない「事実」を前にした時に「思いと事実の差」が苦しみを生みます。人間の思いには限りない深さがありますが、だからこそ限りない苦しみもあるものです。
この苦しみは私が思うからこそなのだと、自分の思い以前に世界は事実で動いているのだと、そこに目を向けつつ、それでもやはり思わずには入れない人としての在り方に気づくき、その苦しみすらも私の一部として味わっていける道が開かれるのではないでしょうか。
もうこれで充分です
彼は相当無理をしてこられたのでしょう。
独りで・・・
今は何も考えず、ゆっくりと休んでいただきたいと願います。
あなたは、彼が長期休暇を取る前日の事で悩んでおられますが、彼はあなたに救われているのだと私は感じます。
彼が心を許していなければ、笑顔で雑談などなかったでしょう。
あなたの彼への体調を心配する気持ちが、伝わったからこそ、そうなったのではありませんか?
彼にとって、m-mさんは数少ない味方なのです。
明らかに辛いサイン。
気づいていたけど何もできなかった。
本当に何もできなかったのでしょうか?
彼の話を聞いてあげることが、あなたのできる事ではなかったのではありませんか。
彼から打ち明けられていないのですから、あなたのほうから、深い話を聞くことなどできません。
そんなの、ただのおせっかいにもなりかねません。
あなたは、自分ができることをしたのです。
この休暇が、次へ繋げるものなのか、それはどうか分かりません。
でも、前日の夜にあなたと会話したことは、少なからず彼の心を救っているのだと、私は思います。
もう、彼を背負わなくてもいいのです。
今は静かに見守られてはいかがですか?
できることは充分果たされました。
質問者からのお礼
最後に話していたのに、気付かなかったのかと同僚に指摘され、自分を責める気持ちが更に強まっていましたが、温かいお言葉のおかげで救われました。
最後に彼が見せてくれた笑顔が本物であったこと、少しでも私の気持ちが伝わったことを信じて、乗り越えたいと思います。
本当にありがとうございました。