冷静さを保つには
高校生の男子です。
お寺に生まれたご縁から、2年前から
仏教に魅力を感じるようになりました。
さて、質問は「冷静さを保ちたい」ということです。
自分は性格的に弱い部分があります。
進学校に進んだものの、いつもなにかに急かされるというか
精神的余裕を失ってしまいます。
心の平安が大切なことはよくわかっているのですが、
冷静になることができず、へとへとになって帰宅します。
精神的余裕がないので、いただいた命を輝かせることができていません。
むしろ腐らせてしまっているようにも思います。
そんな自分が情けないし、
みっともないです。
でもお坊さんは、日頃から冷静沈着で
命を輝かせているようにおもいます。
そこでこの行き詰まったこの状況をどうにかしたいと思い
質問しました。
どうしたら、どんな状況にあっても冷静さを保ちつつけることが
できるでしょうか。
よろしくお願いします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
心の仕組みを知る
冷静さを保つには
hibikukagayakuさま
初めまして。ご質問を拝見いたしました。
私も長い期間、同じような辛さを感じておりましたので、お気持ちよくわかります。
例えば、車の調子が悪いときには、まず車を停めて、そしてどこの調子がよくないの見てみます。さらに、その原因を解決するには、その構造を知る必要がありますね。
まず、不安や焦り、落ち着かない状態というのは、ひとつは脳内物質の作用であるということです。最新の大脳解剖学では「不安や怒りなどの反応は、90秒でその化学的反応は終息する」と報告されています。
ではどうしてその状態が長引くのかというと、最初の反応にまた反応し、その反応にさらに反応するということを繰り返すからです。
ところが、最初の反応に反応しないようすることは、なかなか並み大抵のことではありません。ですから、明治生まれのお年寄りは、よく口の中でお念仏やお題目を唱え、心に起こる様々な反応をその響きの中に溶かして消し去るという方法を行っていたのです。
そしてもう一つ、その状態は自律神経が交感神経側にスイッチの入っている状態であるということです。どうすれば自律神経をコントロールできるかというと、呼吸を使うのがとても有効であると故池見酉次郎博士は述べています。穏やかでしかも簡単、なおかつとても効果のある方法として「数息観(すそくかん)」があります。
数息観⇒http://shukai.seesaa.net/article/190960250.html
最後に、そういう状態に対して情けない、恥ずかしいというお気持ちが起きるのもわかりますが、その反応からも離れることをオススメします。なぜなら、そこに焦点を当てることが、また同じ反応を起こすキッカケを作ることになるからです。
hibikukagayakuさん、こんにちは。
よろしくお願いします。
仏教に興味がおありということで、素晴らしいことです。
仏教は、お釈迦様が説かれた教えを元に、二千年以上も心について考えられた教えです。経典には、表面的には現れていなくても、とても深い仏様の智慧が込められています。是非、頼りにしていただきたいと思います。
さて、hibikukagayakuさんが冷静でいられない、その裏には、不安がありませんか?
安心して生きていくか、不安を抱いてい生きていくかは、人生を大きく左右します。
ところで、浄土真宗は、阿弥陀如来の救いによって、死を迎えた時に極楽浄土に生まれるという教えです。これは、人間にとって一番の不安要素である死を、安心なことに変えてしまう、阿弥陀如来のはたらきです。人生の最後が安心なら、その過程でたとえ紆余曲折があろうとも、「最後は安心」という思いの上で生きてゆくことが出来ます。
hibikukagayakuさんは、まだ高校生でいらっしゃるので、死を見つめろなんて言われても無理かもしれません。でしたら、ちょっと先を考えてみたらどうでしょうか。例えば、テスト前、不安があると、テストで点数が良かろうが悪かろうが死ぬわけではないと考えるとか。もっと言えば、一日一日は、人生経験です。今日、良いことがあろうが、悪いことがあろうが、一年後は、365日分人生経験を積んだ自分に成長しています。将来、より良くなることが分かっているので、今日、安心して生きていくことが出来ます。
仏教的に言えば、実は未来は存在しません。想像上のものです。良い未来を想像すれば、今の私の心が安心するし、悪い未来を想像すれば、今、不安になります。つまり、未来は、今の心の構成要素なのです。しかも、未来をどう思うかは、hibikukagayakuさんの自由です。今、安心して生きてゆくためには、良い未来を思い描いて生きてゆけば良いのです。
お答えになりましたでしょうか?
ありがとうございました。
事実のみを観て、脳内情報を観ないことです。
人間は、自分の頭の中の考え、モーソーで慌てふためくのです。
こうなるのではないか、という最悪の事態を防衛反応として思い起こす。
真夜中に墓に行ってみてください。
怖いという思いがあるとしたら、それは自分が自分の中で描いた思いです。
思いを排除すれば墓石なんぞは唯の石です。
スポーツ選手も、武道家も、相対してるのは、現実です。
現実にリアルに動いているものを相手にしているのです。
思いで負けたものは負けます。
自分の思いに打ち克って、事実とやりあえば負けることがあっても、失うこともなく、乱れることもありません。
一つだけ観察を深めていただきたいことがあります。
あなたが慌てふためいている時、せかされている時、
慌てふためいている自分を嫌い、排除しようという気持ちが出ているのです。
負けてイイ。テンパっていい。せかされていい。
まず、自分が「心乱れちゃだめだ」と自分に首輪をしていることにお気づきか。
そちらを無くすことです。
そうすればあなたは究極のマイペースが手に入ります。
慌てることを、うけいれる。是が分かると、動じなくなりますよ。
タイトル的に言うと、テンパっても、そこからカッコつけて戻そうとしない、思いっきり負けてみる。自分のカッコつけようという思い(装い、脚色、背伸び、つくろい)を無くしてしまえば、心の乱れが無くなります。
素晴らしい御心掛けです
hibikukagayaku様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
「お寺に生まれたご縁から、2年前から仏教に魅力を感じるようになりました。」・・
おぉー反発することなく、素晴らしい御心掛け、誠に敬服申し上げます。これは僭越ながらにもhibikukagayaku様の将来が楽しみでございます。
拙生の高校生の時は・・「あー嫌でも、いずれ修行に行かないといけないのかなー」、「寺の跡継ぎに何で産まれたんやろうかー不幸過ぎる」と息詰まりそうな想いを常に抱いておりました。
やがてそのような中で、一応仏教系ではない大学に進学して、政治と法律を学ぶ途上でしたが、いよいよその時がやってきました・・誠に最悪な思いを持っておりました・・
それから紆余曲折はございますが、今は、ようやくに「あぁ、仏教に携われることができていて今は幸せだ」、「なぜ自分は今世で僧侶となっているのか、その理由が少しずつ分かってきた」と思えるようになってはございます。それもようやくここ最近にてでございます。
さて、本題としての「冷静さを保つには」とのご質問ですが、内容を察するに十分に冷静に自己を分析されておられて、本当に感心致しております。
「冷静さ」を保つには、もちろん、煩悩に左右されない心のありようを調えることが大切となります。
と難しいことは今はおいておいて・・
とにかく、今の時期はあまり冷静さを保たないと、保たないと、とは思いすぎずに、無理にまで保つことも必要無いのではないかとは思います。
勉強のこと、部活のこと、遊ぶこと、友人関係のこと、恋愛のこと・・色々なことに急き立てられてやらなければならないことが山のようにあるのが高校の時であり、また進学校であれば、勉強面においては尚更となります。「冷静さを保て」と言われても正直無理かとは思います。
ただ、その中でも次のステップ(例えば大学進学など)を見極めて、しっかりと準備することは大切となります。とにかく冷静さは保てなくても、失敗があっても、後悔だけはしないように、この青春時代を精一杯に駆け抜けてほしいと存じます。
川口英俊 合掌
思いを抱き続ける
hibikukagayakuさま。
なごみ庵の浦上哲也と申します、よろしくお願いします。
ご質問を読み、お寺に生まれた方は、中学生・高校生の年代はお寺・仏教に反発を覚える方が多いようですので、意外に思いました。
また、高校生のお年で仏教に魅力を感じるとは、とても落ち着いた雰囲気をイメージするのですが、ご自身としては違う印象をお持ちなのですね。
私はもともと人前で話すのは苦手でした。
しかし法話の回数を重ね、内面はドキドキしていても人からは「とても落ち着いていますね」と言われます。記憶が真っ白になるぐらい緊張していても、そういった評価を頂きます。
外見や声のトーンなど要因は色々あるのでしょうが、落ち着いているように見えるお坊さんも実は冷静ではなかったりします。それに、落ち着いていることと命を輝かせているというのは、必ずしも直結しないと思います。
hibikukagayakuさんはお若いながら、自分を「情けないし、みっともない」と省みる視点をお持ちです。その視点を持ち続け、ありたい自分の姿を心に抱き続けて下さい。それが理想像に近づく道ではないでしょうか。
いつか志を持つ僧侶同士としてお会いすることを念じています。
私はTFT療法を使っています。
鍼のツボを指でタッピングして精神をコントロールする手法です。
私はこれで先端恐怖症が克服できました。
簡単にどこでもすぐできます。
http://www.jatft.org/
森川綾女さんの本がおすすめです。
質問者からのお礼
TFT療法、はじめて知りました。参考にさせていただきます。ありがとうございました。
回答してくださった僧侶の方々、ありがとうございます。すごく感謝・感激しております。
どの御回答にも自分の今後人生を生きるうえで大切なことが書いてありました。
暗い気持ちで過ごしていたところに、ひとすじの光が入ってきたみたいです。
ありがとうございました。
長谷川哲真さま、回答ありがとうございます。
自分は未来をどうやら悲観的に考えていたことに気づかされました。
良い未来を思い描いて生きていこうと思います。
浦上哲也さま、回答ありがとうございます
落ち着いていることと命を輝かせているというのは、
必ずしも直結しないと思うというお言葉で気が楽になりました。
ありたい自分の姿を心に抱き続けて生きていきます。
川口英俊さま、回答ありがとうございます。
自分は、冷静さを保ち続けなくてはと、自分を責め立てていた
ことに気づきました。青春時代を精一杯に駆け抜けていこうと思います。
河野秀海さま、回答ありがとうございます。
情けない、恥ずかしいという気持ちが、自分は少し強すぎて苦しんでいた部分が
あったことに気がつきました。数息観を試させていただきましたが、
とても落ち着きました。
丹下覚元さま、回答ありがとうございます。
今までの自分は、心乱れちゃだめだと考えてますます悪化していたことに気づきました。
負けてイイ。テンパっていい。せかされていい
と思いっきり負けてみようと思います。
自分も将来僧侶となって、みなさんと活動できたらいいなと考えております。