役割とは
人生において自分の役割が何なのか、分かりません。
仕事があったり友人が誘ってくれたり、そこまで孤独でもないはずですが、「なんで私がこんな仕事やってるんだろう」「なんでこんなぱっとしない人生になったんだろう」と時々思います。理想の生活とは随分違ってしまいましたが、今さら立て直せず、人生こんなもんかなとたまにむなしいです。
求められたり与えられた役割を引き受けて、こなしていくことが人生なのでしょうか?
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
あなたはここにいるだけで周りの人に影響を与えている存在です。
こんばんは。亀山純史と申します。
私の人生の役割を考えたとき、それは二通りの在り方があると思います。一つ目は、自らが立てた役割、あるいは自らにおける社会的役割です。たとえば、何か目標や夢を立て、それが自分の人生の役割と感じる場合。あるいは、仕事をしていれば、その仕事での役割。結婚をして家庭を持てば、妻として、あるいは母親としての役割などです。
それに対して、もう一つの役割は、あなたが意識しなくても、あなたは誰かに対して影響を及ぼしている、ということです。私の地元紙である『岩手日報』に、「1人の自死は、少なくとも周囲の5~10人に深刻な影響を及ぼすとされる。(2019年1月26日「論説」)」という文が掲載されていました。この5~10人とは、あなたの家族や親せきの人、職場の同僚などになるわけですが、「深刻な影響」とは、単に社会的な繋がりにおける喪失ではないわけです。社会的な繋がりを超えて、一人の人の命との関わり合いにおける喪失なのです。その人の命との関わり合いは、普段、私たちの意識の上に上がってくるものではないでしょう。その人はここにいて当たり前、そんな感覚しか私たちは持ち合わせていないのです。しかし、ここにいて当たり前と思っている人から、実は、私たちは多くの影響を受けているのです。ですから、ひとたび、そのような身近な人がこの世から消え失せてしまうと、そこに大きな喪失感が生じるのです。ましてや自死によるものであったならば、自責の念などの深刻な影響が周囲の人たちに襲いかかることになります。
したがって、自分の人生における役割探しは、自分の社会的立場や夢を明確にする上で行ってよいことですが、そのような役割探しに疲れたとしても、決してあなたは不必要な存在なんかではないのです。少なくとも、あなたは、ここにいるだけで、あなたの周りの人たちに影響を与えている存在なのだ、ということを忘れないでもらえればと思っています。それがあなたの役割の一つなのです。
以上が私からの回答です。少しでもお役に立てればと思います。
質問者からのお礼
亀山純史さま
回答ありがとうございました。
最近hasunohaのサイトと出会い、以前から心にあった「生きる」って何だろう、生きる上での意味や役割って何だろうか、など色々な思いを聞いていただけ、丁寧な回答をいただき本当にうれしいです。こんな漠然とした疑問に答えていただいてありがとうございます。
何かを成し遂げるとか、人の役に立つとか、成果実績に囚われがちですが、「いるだけでそれも役割」と言ってもらえて、なんだか安心しました。