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私の行動は間違っていたでしょうか?

回答数回答 4
有り難し有り難し 41

夫の母が余命いくばくもない状態です。
今よりは元気な時にエンディングノートを
書いていた母ですが、延命措置のこともあり
エンディングノートを求められ与えた私が
独りでノートを見ました。
その中に夫の兄への想いが綴られていたのですが
要は恨み言でした…
いわば家庭内暴力のようなことや
兄から暴言を受けたと感じた母の想い。
それは文章が途中だったのですが、
生まれてきたことさえ、あなた(兄)には
幸せなことではなかったのかもしれないね!
というような…
ノートの同じところには
封書が4通差し込まれていて、
兄、兄嫁、夫、私に宛ててありました。
私の分には封がされておらず、
中身を読みましたが、それと同じ便箋に
兄に宛てて下書きしたものも出てきました。
内容はノートと同じで続きもありました。
おそらく封をされた兄への手紙は、
下書きと乖離していないと思われます。

夫は兄に対して思うこともあるようですが
私達は兄夫婦と仲良く関係を構築しています。

母がやがて亡くなってから
こんな手紙を見せられたら、
私は兄が反論することも償うことさえも出来ず
苦しむと思い、手紙を独断で
自分の実家の両親に訳を話し、
実家の仏壇にしまいました。
伝えたかった母の想いを踏みにじるような
罪悪感もあるので、人生経験の浅い私は
これで良かったのか、今、とても苦しいです。


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お坊さんからの回答 4件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

母は死しても生ける親不孝者を導く

一番は生前に読んでもらっていいかどうかをお母さんにお伺いして、和解してもらうのが良いかと思います。
わたしは個人的にですが、死後もあなたがご主人のお母さんの意思を遮るようなことをしてはいけないと思います。
世の中の母というものは、子供に対して様々な形できつく当たる事がありますが、どのような形であれ、それは子供に「こうなってほしい」という願いという名の教育なのです。
それをあなたが隠してお兄様がご覧になられなかったら少々正確に問題のあるお兄様は一生ワガママ坊ちゃん、自己中=仏教徒とは相反する生き方を続けるかもしれません。
知り合いの老師は80過ぎても御母堂さまから「お前が何をしでかすか心配じゃ」と叱られ続けた、と。
あなたから見れば過激に感じるでしょうが、それがその家の独自の教育なのだと思えばよいのではないでしょうか。
ご兄弟衆もお互いイイ大人。私もお母さんの立場であれば、親に暴力を振るうような不肖な息子には死しても尚、訓戒となる様な教えを残しておくと思います。
はじめは毒や刺激にしか感じないでしょうが、いつの日か必ず薬に変わる機縁があるものです。それが宗教心の芽生えです。お兄さんはお兄さんなりにグサリと刺さるものがあるでしょう。親は子供を選べない。子供も親を選べない。
どちらも選べないならばこそ、それぞれがより良い人間性を求めるべきではないでしょうか。
親はいつか死にます。残された甘ちゃん子供の人生は続きます。
親が最期に残したのは、子供を良からしめんとする、メッセージとして受け止めるべきです。
ハタから見ると変なコミュニケーション、ケンカ、恨みつらみにしか感じないようでも、きっと、それがその家のやり方なのです。いずれにせよあなたではなく、ご本人が判断すべきことですね。

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有り難し
おきもち

エンディングノートは遺言書と同じ

書いた本人の気持ちを尊重してあげて下さい。
あなたの主観を入れるべきでは無いと思います。
書いた本人も十分、分かって書いていると思います。
その人の最後の願いを聞き入れてあげて下さい。

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おきもち

50代、妻と娘2人。 若い頃はタイやインドなどアジアを中心に10年程旅行...
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お義母さんの真意

みかままさま
なごみ庵の浦上哲也と申します。ご質問やお礼を拝見し、少し思ったことを書かせて頂きます。

お義兄さんが毎日のようにお見舞いに行っているという部分ですが、お義兄さんは昔親不孝をした、という思いがあるのでしょうか。それとも愛情深く、時にそれが誤った形で出てしまっていたのでしょうか。
いずれにしても、お義母さんとお義兄さんの間には、言葉で表現されただけのものではない関係性があるように感じました。

もうひとつ気になるのは、お義姉さんへの手紙です。封がしてあるので中は分からないと思いますが、「あなたの夫(お義兄さん)はこんな酷い男なのよ」と書いてあるのか、「責めるようなことを書いたけど、支えてあげてね」と書いてあるのか、はたまた全く別のことが書いてあるのか。いずれにしろ、私はお義姉さんの手紙が非常に気になります。

みかままさんは、お義母さんから大きな信頼を得ていたのですね。でも、それだけに辛い状況に立たされてしまいましたね。お義母さん本人は思いを残さないように書いたけれど、現状のようにみかままさんが預かることを予想していたのかもしれません。

手紙を渡して後悔することもあるかもしれません。
手紙を渡さずに生まれる後悔もあるでしょう。
まずはやはり、お義母さんと話が出来るうちに少しでも真意を聞くことです。毎日のように見舞いに行っているお義兄さんとの間に、関係性の変化が生まれているかもしれません。

いずれにしろ、1人で抱え込まない方がよろしいかと思います。

<1月25日付けのお返事を読んで>
みかままさんとお兄さまとでお話しができ、お母さまとお兄さまの間にも少しでも変化が出てきたのでしょうか。「腹を割って話す」という言葉がありますが、やはり対話は大事なのですね。
より家族の絆が深まりますよう、念じております。

<2月2日 追記>
お母さまのご往生の報に接し、心より哀悼の意を表します。

それとともに、お母さまとお兄さまの最後の心の交流に触れ、みかままさんも私たち僧侶も、結局は仏さまの掌の上で右往左往していたように感じました。でも、この右往左往も意味のある事だったと思います。
合掌

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有り難し
おきもち

浦上 哲也
横浜市神奈川区で、新しく小さなお寺を営んでいます。 仏教の教え・浄土真宗...
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遺言の行間にあるもの

おつらいところで在られます事をお察し申し上げます。
近年、遺言というものが大きなチカラを得ており、その効力も
大きなものとなっています。
ただ、その行間を読まねば、本当の遺言はないと、
小生なぞは思うのです。

お母様の記された言葉は、重い内容でありますね。

ただそれだけに、お兄様への思いもまた、ひとしおではなかったか、
愛情が深いゆえに、その反す手が、お母様に途方もない傷を
負わせてしまったのではないか、

お兄様に伝えたい思いが、その行間にあるのだとしたら、
それを読み解けるのは、やはりお兄様をおいてほかにいないのでは
ないか、そのようにも思います。

小生なぞが斯様に申すのは、
小生の祖母が同じように、自身の娘(我が叔母です)にあてて書いた遺言が、
御質問者様とおなじようなものだったからです。

うちではそれを叔母に渡しました。
これ以上にない、祖母の、母としての「愛」だと思ったからです。
我々には向けてくれない深い愛だと感じたからです。
勿論、御質問者様のところとすべてが同じだとは思いません。

小生は、あなた様のご判断が、間違いだとは思いません。
あなたさまの封筒に、お兄様あての下書きを入れたのは、
もしかしたら、「留めておいてくれ」というメッセージ
ではないかと感じたからです。
小生としては、旦那さまにお預けするのがよいのではないか、
そのように思いますが、
いまはただ、お母様のこのただ今のいのちが、安らかであるように、
御家族皆様ひとつとなって祈られることがなによりと存ずるところで
御座います。

小生も祈ります。

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おきもち

質問者からのお礼

おっしゃることに一理を知りました。
兄が母の死後に読んで
後悔を消せることなく
生き続けることになりそうですが、
それも母が望んだこと、と
周りは受け入れるべきなのでしょうか?
母の業が深くなりそうな
気がしますが、
それも母が選んだことと
割り切るしかないのでしょうか…
この手紙で誰が救われるのでしょうか?
切ないですね(泣)

星様
お返事とお礼が遅くなり
申し訳ありませんでした。
病院と自宅の距離が拙宅よりも遠い兄が
毎日のように母に会いに行っています。
兄と母の確執の根本は深く、
今更総てのわだかまりが
無くなるわけではないと思いますが
残された時間の中で少しでも
兄と母が分かり合えたらと
願わずにいられません。
母の余生に祈りを添えて下さり
誠にありがとうございます。
心より御礼申し上げます。

丹下様
母の想いを受け止めて下さり
また、私の不肖も諫めて下さり
ありがとうございます。
兄と夫と母を見ていると、
母はいつも夫の優しさを基準にして
兄を責める節があります。
母の性格からすると、過去から
そうであったと推測出来ます。
若き日の家庭内暴力は兄弟で比べられる辛さの
言葉にならない捌け口だったかもしれません。
夫は兄が悪い…と言いながら
兄の母への言動は母から聞いた、と
現場を見たわけではありません。
世間での、夫の悪口を子供に吹き込む妻と
全く構図は同じで、それで兄弟仲良くしろと
言われてハイと言えるのか?と
私は疑問だったりします。
もう少し二人の様子を観察したいと
思っておりますが、もう少し
生きている間に分かり合って
手紙はやっぱり棄てて、と
言ってくれたら…と願わずにいられません。

浦上様
お礼が遅くなり申し訳ありません。
私も姉への封書を前に悩み、
元々綴じられていた方をめくったら
案外簡単に開いてしまい(苦笑)
母には悪いなと思いながらも、
手紙を読みました。
要約すると、息子がだらしなく
あなたに迷惑をかけた、
あなたが実家の親をみるつもりはないし
親も望んでないと言われた時に
自分も長男夫婦に世話になっては
いけないと決めた、あなたの
(裕福な)実家のように援助してあげられず
申し訳ない、一方で自分自身は
子供にお金をせびることなく
やり遂げたことは分かって欲しい、
これからはあなたの自身の幸せを考えて
行動して欲しい、孫に会わせてくれて
ありがとう。というものでした。
姉も私も比較的さばけた性格で
発する言葉に裏はないし、
嘘もありません。
兄が一時、数度転職をした果てに
無職になった時に、母は姉に
離婚して良いと言い、姉は大丈夫と
言い切り別れませんでした。
夫婦は助け合うもの、という姉に
嘘はありません。
母をみられる態勢なんだよ、という
言葉や想いにも嘘はありません。
また親から援助してもらおうという発想も
ありません。ただ、家を建てる際
実家は援助してくれたようですが
それも母の推測に過ぎません。

この手紙の問題は、お金の話が前面に
出ていることと、真っ直ぐで
曇りのない姉の言動が、母には
そうは映ってなかったと、
姉が知ることなのです。
楽しかった思い出ばかりが書かれていれば
私も悩まずに済むのですが…
巧く言えませんが、
母が自身を貶めるようなことを
して欲しくなかった、というのが
今の私の偽らざる気持ちです。

皆様へ

私の拙く断片的な問いかけに
ご回答を寄せて下さった先生方、
また、どうしたかな?と気にかけて
下さった方々に、心より厚く御礼申し上げます。
先日、兄と二人で話す時間が持て、
お母さんの声にならなかった想いを
代弁しました。
お母さんがお兄さんの話をする時はいつも
お母さん!ともっと慕って欲しい、
淋しい、淋しいって想いが降ってきていた、と。
兄は泣きながら話す私に、親不孝だったと
ポツリと呟きました。
だから話せるうちに沢山お母さんの
想いを受け止めて欲しいんだと
お願いして解ってもらえました。
今日は母が兄に、やっぱりお兄さんね、と
言いまして、兄はそうよあなたの息子よ、
と返してました。そうじゃなくて、
やっぱりお兄さんは頼りになるねって
言いたいんだよね?と私が言うと
母は笑顔で頷いていました。
母と兄が和解出来るように、
精一杯応援して、母の心に平安が
訪れるように祈りたいと思います。

本当にありがとうございました。
1月25日 合掌

ご報告
母が亡くなりました。
最期に微かに、しかし母にとっては
全身全霊、渾身の力を振り絞って、だと
思いますが、ありがとうと言って
逝きました。
穏やかな表情でした。
兄も最期の数日は母の側から
片時も離れず、母に話しかけていました。
私がもっと早くに母の想いに気づいて
うまいこと立ち回って、二人を誤解から
和解に結んであげられていたら…とも思いますが
そこはさすがに親子。
和解したら時間の多少は問題ではないように
見受けられました。
誤解の中で書かれた手紙は
やはり処分します。
病室で、来世では私を産んでと言った私に、
バッチリよ、と笑顔で返してくれた
懐の大きな母が、兄を許さなかったとは
思いません。もしそれが
私の罪になるなら、私は甘んじて
罰を受けようと思います。
先生方には、私自身とても励まされ、
心の拠り所にさせて頂きました。
本当にありがとうございます。
これからは母の冥福を
祈り続けていきたいと思います。
2月2日 合掌

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