瀬戸内寂聴さんがときどき言われるのが、人間はみな孤独である、ということです。私もそう思います。家族も檀家さんもいますし、本日、子ども食堂（地域食堂）を開催する日なのでたくさんの人とニコニコしながら過ごしますが、どれだけ周りに人がいても、やっぱり孤独だと感じます。そして私もやっぱり心に大きな穴が開いていると感じることが多いです。あなたと同じですね。たぶんみんなそうなんじゃないかなぁ、ひとって本質的にそんなもんなんじゃないかなぁって思います。本質的にそうなんだから、孤独感みたいなものが満たされることってないんじゃないかとも思うんです。

ところで、私は浄土真宗の西本願寺って言われている宗派僧侶なんですが、東本願寺って言われている派もあります。そこで大きな法要をおつとめなさった折のキャッチコピーは「バラバラでいっしょ」という、一見、訳のわからないものでした。ちょっと聞いただけでは意味わかりませんし、いくら考えてもやっぱり本当に分かったって感じにはならないですね。

だけど、たとえば会社を例にとると、バラバラな人間というかみんな背景の違う社員さんが集まっていて一つの塊が出来ています。塊があるから自分は自分の仕事をやっていれば給料を計算する人がいて、給料をくれ、仕事を取ってきてくれる人がいるからあなたの目の前に仕事がくるわけです。みんなバラバラで自分と自分の家族のために仕事しているわけですが、それらが繋げられて会社というはたらきが成り立っているのだから「バラバラでいっしょ」ですよね。この点では、孤独じゃないし、一人だったら、人間は生きていけません。

そんなことは分かっている、と言われるかもしれません。人間はあきらかに一人で、孤独なんですが、そんなふうにばかり考えていると幸福感みたいなものは得にくいです。あなたがいま感じておられるとおりです。幸福感とか充実感とかということになると、共同体感覚みたいなものに目を向けるのがよいのではないかと思います。

もしよかったっら、心理カウンセラーのラッキーさんの以下の動画をご覧になってください。
https://www.youtube.com/watch?v=0RjMYdsDZkY

藤岡俊彦

了教寺

私はお坊さんといっても、ひと様に何か答えらしいものを提示できるような立派な...

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