hasunoha お坊さんが必ず答えてくれるお悩み相談サイト

お坊さんに質問する
メニュー
メニューを閉じる

性嫌悪のため恋人が作れません

回答数回答 1
有り難し有り難し 98

私は平たく言ってしまえば性嫌悪です。
正しくは、自分の身の回りにおける性的なものに対して激しい嫌悪感があります。
ノンセクシャルという言葉が自分に一番近いと感じております。

原因は何となく分かっていて、子供の頃に父親が所持していた成人向けの本を見つけてしまい、とてもショックを受け母親に報告したところ「勝手に見たのが悪い」と怒られた為だと思っています。
見つけてしまったショックだけだったらまだよかったのですが、そこで母親からフォローされず更に怒られたことで私の中で性的なもの=悪という方程式が出来てしまったのだと自分では解釈しております。

性行為が現実味を帯びない中学生くらいまでは恋愛も出来ていましたが、高校生辺りからは好きな人が出来ても『好きだけど付き合ったその先の行為はしたくない』と思ってしまい、好意を寄せてくれた男性も何人か居ましたが、自分のことを性的な目で見ていると思うと気持ち悪くて仕方がなくなってしまい、過剰に拒否してしまうようになってしまいました。

10代の頃はバンドマンの追っかけをしていることで現実から目を背けていましたが、20代になると一緒に追っかけをしていた友人はどんどん彼氏を作り、追っかけを辞め、普通の女性として生きていくようになってしまいました…
今まで仲間だと思っていた人達が、私が絶対に手に入れられない女としての幸せを掴んでいる姿を見て、本当は祝福しないといけないのに、羨ましくて妬ましくて辛くて仕方がありません。

もう一緒にライブ会場へ行ってくれる友人はいなくなってしまいました。
学生の頃から追っかけをしていたので学生時代の友人はいません。
家族との仲も悪く、その上恋人を作ることも出来ません。
こんな孤立した人生を今後も生きていく必要はあるのでしょうか。
生物的に見ても生産性の私は生きている価値があるようには思えず、毎晩死にたくなる日々です。

都会に出ればもしかしたら同じような人に出会えるかもしれませんが、性交しか娯楽がないような田舎に住んでおりますのでそのような出会いもなければ理解者もおりません。
ライブ関連の親しい友人にこのことを打ち明けたこともありましたが、理解してもらえず、自分が異端であることを実感してなお辛くなりました。

拙い文章にも関わらず読んで頂きありがとうございました。難しい内容ですがご回答頂けたら嬉しいです。


この問答を娑婆にも伝える
facebookTwitterLine

お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

恋とは不条理なもの

一緋さま

はじめましてhasunohaの井上広法と申します。

性に対して嫌悪感を抱いてしまい、そしてそのことが原因で同性の友人たちともギクシャクしてしまわれた様子ですね。

そして、自分が異端だと思ってしまい自分を責めてしまっているのではと思います。

そもそも仏教では、性行為に対しては離れるように説かれています。

ただし、厳密に言えば、出家者に対する性の戒律と在家(お坊さんではない信者さん)への性の戒律には違いがあります。

出家者に関しては、完全に性行為を禁止する一方、在家者に対しては不邪婬といって決まったパートナー以外との性行為を禁止しています。

このように、仏教でも在家者へは性行為を禁止しているわけではないのです。

では、逆に推奨しているかというと、決してそんなことはありません。

性欲は、通常人間の基本的な欲求として認められるからです。

では、一緋さんの場合どうかということですが、これも根っこは同じだと思います。

性行為に対する欲求も、性行為に対する嫌悪感も表裏のようなものだと思います。

ただし、性行為に対して嫌悪感を抱くのがただマイノリティーだということでしょう。

なんら、厭うことではありません。自然なことでもあります。

なぜなら、性行為を行うこと自体が不条理なものだからです。

人間がとても大切にする性器をあらわにそれを結合することは、子孫を残す上では重要です。
しかし、そこには重要なリスクも伴います。人間のようにただ快楽のためにセックスをすることも同じです。

それに対して嫌悪感を抱くことは実は正常な思考であるとぼくは考えます。

では、人はなぜ快楽のためにセックスをするのか、それはまず恋という不条理な状況に陥いることが必要です。恋とは、人を盲目にさせる力を持っているのです。

しかし、覚めた目でみれば恋に落ちることはありません。

さらに、恋という盲目になってしまった状況でセックスをすることで、セックスの快楽を覚えるのです。

ここで、一緋さんが選ぶ道は、なにが適切かは申し上げられませんが、そういう状況にご自身がいるのだとぼくは思います。

合掌

{{count}}
有り難し
おきもち

hasunoha共同代表 浄土宗光琳寺 副住職 佛教大学で浄土学を...
このお坊さんを応援する

質問者からのお礼

回答ありがとうございます。
私は性行為に対する嫌悪感が強いあまりに、性行為をしたいが為に恋人を作るのだと思ってしまっていたので、恋愛をして盲目になることで行為に繋がるという考え方は目から鱗でした。
自分の状況を客観的に見て頂けて参考になりました。
今すぐに変わることは出来ませんが、
これを機に少しでも生きやすい方に変われたらいいなと思います。、

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ