頑張るのが怖いです。
もうずいぶん前、中学生のときに部活動で剣道をしていました。
部の全員で段位試験を受けたのですが、自分だけ二段の昇段試験を二回落ちました。二度とも実技試験で落ちました。
一度目に落ちたときに、すごくすごく練習をがんばりました。それまでも毎日の部活動の時間にしていた練習を、帰宅後毎日夜中まで素振りをしたりがんばりました。
それなのに、二度目の試験も落ちてしまいました。
そのときに指導員だったひとに「仕方ないよ。審査員が寝てたから、たまたま落とされたんだよ。つぎ、がんばろう」と言われました。
落とされた本当の理由はわかりません。指導員はとても真面目な方だったから、慰めようと言ってくれたのかもしれません。
けれど、もしも指導員の言った理由が本当だとしたら、どれだけがんばったところで無駄なんだ、と思ってしまいました。
自分よりも練習をさぼっていたひとさえ、受かりました。試合をしたとき、自分と同じくらいの力量のひとも受かりました。どうして自分だけが、と彼らを羨んでしまう気持ちを抑えられなくて、苦しくなります。
中学卒業を機に剣道は辞めてしまいました。
それでもずっと、剣道以外のことであっても、頑張ることが怖くてたまりません。
あれからずいぶん時間が経ったから、いい加減この気持ちから逃れたいのに、頑張ろうとするとそのことを思い出してつらくて、やっぱり頑張るのはやめておこうと思ってしまいます。
どうしたら前向きに頑張れるのでしょう。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
守・破・離
”帰宅後毎日夜中まで素振りをしたりがんばりました”
【千日の稽古を以て鍛とし、万日の稽古を以て練とす】
剣豪・宮本武蔵の言葉です。あなたは、どこまでもどこまでも努力精進する極めて強き者であった。
かつて、あなたが日々の修練で学んだ事は、昇段審査に合格する為のテクニックだけだったのかい?
<追記>
”このような瑣末な悩みにお答えいただき”
ちょっと待ってくれよ。
キミの質問は決して瑣末な悩みなんかではないぞ?あなたの今後の人生に大きく影響する大問題だと思う。ぜひ真剣に考えて欲しい。
<追記2>
”この事柄が忘れられないのです”
ある師僧と弟子たちが旅をしている時、川を渡るのに難儀をしていた女性を見つけた。師僧は女性を抱きかかえ、川を渡してやった。当時、僧侶が女性に接する事は御法度だったわけだが、弟子たちはいつまでたっても悪びれる様子のない師僧に思い切って咎めてみた。
「僧侶は女人に触れてはならないと戒律にあるのに、先生は女を抱いて川を渡られた。一体に何を考えていらっしゃるのか?」
すると、師僧は答えた。
「わしゃ、とっくに女をおろしてきたぞ。おまえたちはいつまで女を抱いているのか。」
あんたも、いつまで中学生をやっているんだか。
<追記3>
すでに済んだ事と今やるべき事とをハッキリ区別せよと言っているんだ。
まぁー、忘れられない、忘れられないといつまでも嘆くことで、剣道を単に努力精進を怠る為の恰好の口実に使っているうちは、何を言っても駄目なのかもな。
質問者からのお礼
このような瑣末な悩みにお答えいただき、ありがとうございました。
追記をありがとうございます。
考えだすと進めなくなってしまうので、瑣末な問題であってほしいのです。
いただいたおことばにありましたように、努力したことを通して得られたものもあります。それは理解しているのに、この事柄が忘れられないのです。
瑣末なこと、と忘れ去ってしまいたいです。
さらにお言葉をありがとうございます。
他人であるその女性のように、自分の過去ももう関わりのないものとしてしまえたら気持ちが楽になるのでしょうか。
はやく過ぎ去ったこととして、忘れてしまいたいです。