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結婚は諦めるしかないでしょうか

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はじめまして。冷静になるために、ご相談させていただきます。1年ほど前から、ある禅宗の修行僧の方とお付き合いをしています。

ただ先日、私から将来の話を切り出したところ、師匠(老師)の跡を継ぐため妻帯はできないと言われました。
1年前は将来を考えて告白をしてくれたそうですが、そんな無責任なことがあるのでしょうか。
彼の人生ですから、私がとやかく言えることではないと思います。ただ、残された私の心はぼろぼろです。

日々の修行をしていくなかで、そういう選択肢が頭をよぎったとしても、1年前の気持ちを貫いて欲しかったのです。1人の人間を傷つけてまで、決心することでしょうか。

私には修行や仏教の世界はわかりません。その道で生きてこられた方々に、冷静なご意見がいただきたく、相談させていただきました。よろしくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 2件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

教えとあなたに真剣だったのか

初めましてこんにちは

ご心配でしょう。お辛いこととお察しします。
お付き合いされている方は禅宗で、私は浄土真宗ですが、この問題は宗派は関係ないと思います。尚、前提として、お付き合いされる段階で既に修行僧であったということで回答いたします。

仏教では、そもそも仏様になるということが各宗派共通の最終目標です。しかし、その過程にそれぞれ違いがあります。妻帯をしない、或いは妻帯をしつつ仏道を歩むという違いです。これは、愛情や性欲を含めたところでの煩悩とどう向き合うかの違いがあります。彼氏さんは、修行僧としての身でこの教義については十分教えられたし、考える時間も十分にあったでしょう。自分が仏になっていくにはどうすれば良いか、どんな生活をすればいいか。本気であればあるほど真面目に考えたはずです。

その考える過程において、あなたと付き合うことを選択したのです。つまり、自分の歩む仏道と恋愛、結婚は相違しないという結論の上で付き合ったと考えられます。さもなくば、教えと生活の関係を真剣に考えない人だったということでしょう。

また、お師匠から日ごろ、教えについての薫陶を受けていたはずです。そして、自分がそのあとを継ぐ可能性が(低かったとしても)あることを知っていたはずです。妻帯についての決定が本人にとって青天の霹靂、とは非常に考えにくいです。

また、妻帯ができない可能性が少しでもあるならば、そもそも付き合うこと自体がおかしいです。あなたのことを本当に真剣に思っているならば、中途半端に縁を持つことなどしないはずです。

学生時代で付き合い始めて、10年越しにこういう事態になったというのなら分からないではありませんが、1年前でしょう。分かり切っていたはずです。

僧侶としての教えを真剣に考えていたのか、あなたのことを真剣に考えていたのか私はとても疑問です。

あなたの文面からは、彼に対する切実な思いが感じ取れます。
本当に無念でしょう。

あなたの気持ちは簡単に切り替えることは難しいとは思います。
しかし、不幸中の幸いという視点で言うならば、あなたもおっしゃるように「無責任」な人と将来を決めなくて良かった、早めに分かってよかったということだと思います。

どうぞ、このたびのことはご縁がなかったとして、少しづつお気持ちを落ち着けられてください。どうぞお大事に。

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おきもち

釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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仏の弟子になる事は相当の決心と思いがなければ・・

初めまして、今日は。

お坊さんになる事。それは簡単に決心出来る事ではありません。私のように在家(お寺の家系ではない一般のサラリーマン)から、お坊さんになる事は容易ではありません。1年近く師僧となって頂ける方を探し、得度を受け修行をして・・

簡単にお坊さんに!と言う考え方や、中途半端で挑む事は出来ません。私は妻やご縁があった方を看取り、震災で失って、嫌になるほどにこれでもか・・と押し寄せる出来事に自分を見失って”神も仏もない”と絶望をして命を絶った事があります。愛した人の死、重度の障がいがある長男、父子家庭・・その経験をした事をプラスに変えて同じ境遇の方々と寄り添って、人生のリスタートを心から寄り添って大切な一歩を踏み出すお手伝いを仏教の観念から・・そう思い、40歳を超え出家致しました。出家前に私は残された一週間、様々な事を思い出しました。より決心を決め剃髪して出家致しました。それだけ金剛石のように真っすぐな心で、道一筋に負けず、ブレず、諦めず。無一文となっても私は諦めずコツコツと、あれだけ絶望をした出来事、神も仏もない・・と思っていた”仏の弟子”となりました。

彼も、よほどの覚悟があったから身を引き裂かれるほどの辛い道を選択されたのだと思います。そうでなければ、”僧侶”の道を選択しないはずです。私のように何かの為に・・と純粋な思いがあるからこそ、相当の決心をなされたのだと思います。それだけ、僧侶となり貫く事は簡単ではないのです。彼も、狭間を行き来してどちらにしても辛い選択をされた事だと思います。抜苦与楽の為に仏教はある事を身をもって体験致しました。そしてその精神で苦しみの中にいる方々をお救いさせて頂く事が何よりも仕合せです。彼を許せないほどの思いであることはとても良く理解出来ます。どうか、彼を愛しているのであればこそ・・成就される事を祈って上げて頂きたいと思います。苦しい選択はとてもわかります。彼もそれ以上に苦しんで過ごしているのです。純粋な見返りのない心で仏弟子として挑み人生のストーリーを描き出して歩もうとしています。結果を急がずに、心尖らせずに穏やかに・・。

人生も運命も自分自身もいくらでも変えられます。あなたらしく人生という冒険旅行を仕合せに歩めますように、お祈り致しております。

辛い時、苦しい時、いつでもここに来てください。

合掌

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永寛
皆様、初めまして。ストレスの多い現代・・お寺とはご葬儀や法事のみではなく、...
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質問者からのお礼

ご回答いただき、誠にありがとうございました。
ショックで、ショックで、未だに気持ちが切り替わらず、ぼんやりと日々を過ごしています。ただ、第三者の目線から、ハッキリとおっしゃっていただいて、少しスッキリしております。ありがとうございました。

温かい気持ちになるお坊さん説法まとめ