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許せなくて苦しいです

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過去の出来事(人)、それも自身は蚊帳の外の出来事について、いつまでも許せず苦しいです。

1つは父に対してです。
私が小さい頃に両親は離婚しました。原因は父親の不倫です。

不倫は良くないことですが、人間なので心移りはするでしょうし、無理して一緒にいる必要もないので、離婚自体は別に構わないと思っています。

では父の何が許せないかと言うと、不倫をした上に、話もろくにせずまともに筋を通さなかったこと、そして離婚を強行させるためにした、他人の気持ちを踏み躙るような自分勝手な行動たちです。

毎日電話口で別れるよう怒鳴り散らしたり、子供を人質に離婚を認めさせようとしたりと、父は自分の利のために、母の気持ちなど慮ることもなく傷つけました。

もう1つは、大叔母(内縁)です。
彼女は半分痴呆の曾祖父からお金を奪いました。
また、大叔父が亡くなり遺産のみならず、曾祖父の家も彼女のものになりました。

詳細は伏せますが、本来は祖母たち兄妹が引き継ぐはずだったものです。
それを小細工のため籍も入れていない殆ど他人の大叔母が、私利私欲で奪い、祖母たちの思い出が詰まった曾祖母の家はすっかり建て替えられもうどこにもありません。

父も大叔母も、今は縁が切れています。ましてや私はまだ小さかったので、どちらの件も聞こえてきた大人の話を耳にしたのみで、直接は関わっていませんし、私が何かされたわけではありません。

しかし私は、今でもこれらの件を、二人を許せず、思い出しては憎悪に近い憤怒を抱いてしまいます。
自分のことしか考えず、平気で他人の気持ちを踏み躙り、傷つけたことが許せません。

前述した通り、縁も切れていますし、終わった事なので、憤っても詮無いことは理解しています。
頭では分かっているのですが、いつまでも忘れることも、許すことも、気持ちを消化することもできず苦しいです。

どうしたらこの状況から脱することができるでしょうか。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

矛盾への苦しみでは

こんにちは、初めまして。

肉親の過去について、様々な思いが交錯しておられるようです。
「いつまでも忘れることも、許すことも、気持ちを消化することもできず」という感情的な解消が出来ないご様子です。心が晴れないことでしょう。

文面からは、とても冷静なお人柄と感じました。
「不倫は良くないことですが、人間なので心移りはするでしょうし、無理して一緒にいる必要もないので、離婚自体は別に構わない」というところでは、あなた一流の理解が垣間見えます。

ただ、冷静に思考できるあなたが、なぜ感情を落ち着かせることが出来ないのでしょうか。私は、「近親憎悪・同族嫌悪」という言葉が思い当たります。

ご存知かもしれませんが、近親者など関係の近い者に対して抱く憎しみの感情です。それは、身近な者に近しい外見、性格、同等の感情を自分の中に見つけることで生まれる嫌悪感です。

勿論、あなたは「父親」や「大叔母」とは違う生き方をしているのでしょうし、むしろ反面教師にしているのだと思います。あまりにも違う、異質なものへの怒りを抱えているのでしょう。

しかしながら、人間は煩悩と向き合わなければならないという点で平等です。親鸞聖人は、人間の心からは蛇が出るかサソリが出るか分からない、と教えられています。

優しくありたいけれど、優しくなれない、優しくなろうとしない時があります。
傷付けたくないけど、傷付けようとしてしまうこともあります。

他人だったらそこには一定の節度はあるでしょう。また、他人に深入りするほど思い入れもないから表立ったことはしないと思います。

しかし、身内であるほど遠慮が要らなくなります。近しいからこそ、自分の心が理想的でない方に向かうこともありましょう。

あなたは、否定して遠ざけようとする人間の醜さを、自分の心の中に見つける洞察の深さを持っているからこそ、その矛盾に対して怒っているのかもしれません。そんな一面が自分の中にあろうかと戸惑っているとも。

しかし、このような人間について、自分についてを、先人たちは既に気がついていました。これをどういう方向性で生かしていくかはあなた次第だと思います。

否定するのか、あるいは深めていくのか。
それに伴って、あなたの収まりきらない感情は今後の方向性を持つでしょう。

ご参考になれば幸いです。

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有り難し
おきもち

釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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質問者からのお礼

本当に、お礼をするのが大変遅くなり申し訳ありません。
ご回答をいただいてから私も2つ歳を重ねました。たしかに、同族嫌悪的な部分もあったと思いますし、なにより、一番心根にあるのは割りきれず許せていない自身への困惑や憤りだったのだろうと、少し大人になって非常に腑に落ちました。いただいたお言葉、忘れたことはありませんでした。
まだまだ未熟者故、完全に解消できてはおりませんが、少しずつ自分と向き合って成長し、人間を磨いていけたらと思います。
遅くなってしまいましたが、お言葉賜りまして本当にありがとうございました。

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