社会に失望しているときの子育て
回答 2
有り難し 20親の自分が社会（人間関係、政治、仕事etc）に失望しているので、将来こんな社会に子供を送り出すのかと思うとうんざりしますし、子育ての方向性もわからなくなり、意欲も低下しています。
子供のため良い社会にしたいとも思いますが、無力感があります。
今の日本社会は、子供全員を社会の財産と思っておらず、全ての大変なことを家族内で解決させようとしているとも感じます。
子供が小さなときから、人に迷惑をかけないことばかり意識させるのが正しいとされているようですが、人に迷惑かけてもいいから大きく育て、と応援するような社会を望むのはただの理想でしかないのでしょうか。
仏教の考えかたでは、こんなときどんなふうに考えたら良いでしょうか。
乱文で申し訳ありません。
お坊さんからの回答 2件
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子供達の傷にならないよう大人しか出来ないことがあると思います
質問者様と私も同じことを思うことがあります。全く将来が見通せない状況です。そんな時に、命を大事にしない政治が行われているという事は悲劇だと感じます。全ての事を家庭に押しつけていることに憤ります。
子育ての方向性が分からず意欲が低下しておりどう考えたらいいかというご質問。仏教の考え方といっても広いので私なりの考えを２つ紹介させて下さい。
①【共業】まず仏教には業という考え方があります、過去の自分の行いが現在の結果を作っているという考え方です。例えば自分が不健康な生活をしていたら病気となって自分に現れます。そして業には個人の業だけでなく共業（ぐうごう）があると言います。共業とは「相互に共通するような状態にありうるような果報をひきおこす力」つまり皆の行いが皆のあり様になっているという事です。皆の行いが社会のあり方になっていると言い換えてもいいでしょう。今仏教が滅びずに伝わっているのも共業です。日本に、不十分ですが医療皆保険や労災制度など社会保障が整えられているのも、過去に何人もの先人が頑張って運動してくれたからです。我々一人一人の意識や行いの結果が今の社会のあり様になっているのです。そう考えた時、今のあり方に絶望だけし何もしないというのは仏教的に言えば非常に消極的な生き方となると思います。現状に嘆ききったら、やはりできる範囲で一人一人が社会を良くするよう声を挙げたり、運動して行かなくてはならないと思います。それをしなければますます悪くなるばかり、子供たちは我々の業を受けます。
②【布施】私は教育関係者です。ある教師がこういっていました、「楽しかったはずの学校生活が奪われた。（実際に楽しかったかどうかは誰にも分らないが）今の学生たちのこの記憶はきっと将来歪みとなって現れる。だから、今が大切。」私は、この先生の話を聞いて自分のできる範囲で、子供たちの今が歪みにならないよう何か支援したいと思いました。卒業生達に電話したりメッセージ書いたりしています。なぜなら自分もピンチの時、善き大人からいくつものそうした見えない「優しさの手」が添えられた、善意の手が添えられたから今日まで生きてこれたんだと気づいたからです。
病気になったら病み切る事が大事です、我々は今病み切っているのでしょう。今までの無関心・不養生がたたっている。ここを病み切ったらやはり歩み出したい。そう感じています。
少しずつ良い社会になっている
子ども・子育て(親)支援は、政府が重視している施策ですし、児童虐待対策も強化されてきています。
少しずつですが、社会は進歩しています。
戦後に浮浪児があふれていた状況と比べれば、数十年で劇的にましになりました。
思っているほど悪くはないですよ、この社会も。
質問者からのお礼
釈義行様
初めまして。乱文で申し訳ありませんでしたが、受け止めていただきありがとうございました。
私は消極的に愚痴を言うばかりで、行動を起こしてもよいのだということを忘れていました‥。コロナウイルスの影響もあり、最近は、無力感が以前より強まっていました。
「共業」のうち後世に残したくない部分を何かひとつでも無くしていけるように行動してみます。
他人を攻撃・排除して自分を生きやすくするのは多分簡単です。しかし、私は、そうでない社会があってくれたらと思います。身近に、コロナウイルスが広がる前から学校や職場に行けなくなった、行きたくなくなっていた人たちがたくさんいるからです。
前向きな気持ちに導いていただき、ありがとうございました。
いつも自分は周囲より深く考えているほうだと思っていましたが、お坊さまに比べると、はるかに考えが浅いと思いました。
このようなお話を伺ったのは初めてで、心の財産になりそうです。ありがとうございました。
