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中絶を受け入れつつも後悔

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はじめまして。

わたしは、20歳学生で現在妊娠6週目です。中絶手術を明日に控えています。

相手の方も学生で年齢は1つ上です。お互いに避妊には細心の注意を払っていたつもりでしたが、失敗してしまいました。

妊娠したことを知って数日は、生命が宿ったことに嬉しさを感じた反面、産むべきかどうかという悩みと今後の不安とで頭がいっぱいでした。

ですが、彼と話し合い、2人とも学生で育てるのは経済的に厳しいため中絶することを決めました。これが今できる現実的な判断だと分かっています。

話し合った直後は、今回の中絶は仕方のない選択だと納得しました。

しかし、最近 悪阻で吐き気が来る度、お腹が張るようにじんと痛くなる度、お腹の子の存在を感じるようになりました。エコー写真で少しずつ経過を見るのが辛いです。

お腹の中で「生きたい」と叫んでいるようで、自分がしようとしている中絶という行為の残酷さを改めて実感しました。

また、自立もしていないのに妊娠をしてしまった情けなさも痛感しました。これは一生背負っていかなければならない罪だと思っています。

彼もわたしも経済的に自立していない現時点で、産まれてくる子を幸せにできる保証がありません。中絶することが最良の判断であることは分かっています。

ですが、後ろめたさは消えません。

産んで育てられない自分への憎しみ、せっかくこの子がわたしを選んで来てくれたのに受け入れることができない悔しさ、その命を奪おうとする自分の怖さ、もしあと数年後に来てくれたならというたらればの妄想で押し潰されそうです。

罪悪感と自己嫌悪で苦しいです。
産んであげたいという思いと産めない現実の間で板挟みになり、自分がどうするべきなのか分からなくなります。

言いたいことがまとまらずにすみません。正直手術を明日に控えた今も気持ちの整理がついていません。

わたしはこの苦しみをどう乗り越えるべきなのしょうか。後悔すら受け入れて前を向ける日は来るのでしょうか。

そして、自分勝手なことだとは重々承知の上で、またいつか、この子はわたしのところへ来てくれるのでしょうか。

今度こそ、いつになるかは分かりませんが、家族になる環境を整えて迎えたいです。もう一度会いたいです。

どうかお言葉をいただけると幸いです。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

命というものは、いただきものです

ひつじ 様 相談ありがとうございます。

 あなたの心の支えになるかどうかわまりませんが、ひとつの考えとしてお読みください。
 命というものは、いただきものです。我々は目に見えない、いろいろな力が働いて生かされているのです。あなたも生かされているのです。
そしてあなたのお腹の中に宿った命も生かされているのです。
その命というものは、今この世に生かされなかったからといって終わりではありません。もしあなたが明日予定通りにされるのなら、あなたのお腹の中を去った後、また次の命として生かされていくのです。
つまり我々が日々当たり前に命があって生きているのは、当たり前ではなく貴重な命をいただいて今に生かされているのです。ですから命を尊重しなければなりません。あなたのお腹に宿った命を尊重するという事は、あなたから去った後の次の生を祈るという事です。もし明日予定通りなら、その後の供養をしてあげてください。供養を続けてあげてください。その命の幸せを祈ってあげてください。その命を輝かせてあげてください。

 そして、その命を供養し祈り輝かせるためには、あなたはこれから自分の人生をしっかりと生きていく必要があります。自分に思いやりや優しさを持ち、自分に責任を持ち、あなた自身のいただいた命をしっかりと生きることです。そうした時に色々な出会いの中で、その子と出会ったような感覚が得られるでしょう。それは近い将来なのか、かなり先の事かわかりませんが、暖かさや愛情を育む中で得らえる感覚として出会うでしょう。

支えの言葉になったかどうかわかりませんが、私はそう思います。
一礼

追伸:お礼のメッセージありがとうございました。一つの言葉が心の支えになったのなら、とても良かったと思います。どうか自分に思いやりをむけて、自分の人生をしっかりと歩んでください。この度のご縁に感謝申し上げます。再礼

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質問者からのお礼

こんにちは。
一昨日の夜に回答をいただいた直後から今まで、何度も、何度も、読み返させていただきました。

気持ちが落ち着きましたので、遅くなってしまいましたがお返事を書かせていただきます。

命とは、「今この世に生かされなかったからといって終わりではありません」というお言葉に救われたような気がします。

昨日わたしから離れてしまったあの子の命は、この世でなくともまた次の生を受けるのですね。
次はもっともっと幸せになれますようにと、あの子のために祈りたいと思います。

また、わたしは、あの子の苦しみを自分も一緒に背負い苦しむことが少しでも罪滅ぼしになるのではと考えていました。自分だけ生きることに後ろめたさも感じていました。

でも、わたしがしっかり生きていくことでこそ、あの子も浮かばれるのですね。

どこかでもう一度出会うことができるように、今はあの子を想いながら頑張って生きようと思います。

ご回答いただき、本当にありがとうございました。

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