死んだ祖父が夢に出てくる
5月の末に祖父が急死しました。
私は生粋のおじいちゃんっ子で、亡くなる3日前まで祖父と連絡を取り合っていたほどで、未だに信じれていません。
祖父が亡くなってから、毎日毎日祖父のことばかり思い泣く日々です。49日も初盆も済みましたが未だに祖父の遺影を直視することができません。
本題に入りますが、死んだ人が夢に出てくるのは私がその人のことを想っているからなのでしょうか?それとも、祖父が私に何かを伝えてきているのでしょうか?
祖父が亡くなって2週間ほどは毎日のように夢に出てきました。ですが顔は見えません、声も聞けません。
2週間経ってから後は、1週間に1回くらいの頻度で夢に出てきます。
状況はバラバラです。昔の思い出ばかりな気がします。
今日見た夢では、唯一祖父が笑っていました。まだ生きているみたいで涙が止まりませんでした。
長々と申し訳ありません。あまりにも夢に出てくるので何か意味があるのか気になってつらつらと書きました。
お忙しい中申し訳ありませんが、教えて頂けると嬉しいです。
よろしくお願い致します。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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生死を超えた大きないのち
ご相談拝読しました。大好きで大好きでたまらないお祖父様のご命終に悲しみは尽きないこととお察しします。謹んでお悔やみ申し上げます。
さて、夢には記憶や情報の整理や定着という役割があると言われます。自分が気になっていることが夢に出てくるというのも一理あるそうです。
そういう科学的な領域で考えるならば「私がその人のことを想っているから」と言えるでしょう。でもはたしてそれだけでしょうか。
仏教ではいわゆる霊・幽霊ということはあまり考えません。死後も常住するその人の本体(いわゆる魂のようなイメージ)の存在を認めないからです。ですからそういう意味ではお祖父様が霊的な力で夢を見させるということはいえません。
でもそういうことでなく、見た夢をどのような意味でいただくか。そこにはあなたの主体的な選択があって良い様に思うのです。
見たいから見る、見たくないから見ないという様に夢が思い通りになるわけではありません。つまり自分の力だけでみるものではないのです。それは夢がどのようなメカニズムであれ事実でしょう。
その事実から感じるものを「お祖父様からのメッセージ」であると、あなたが主体的に選択して受け取るならば、そこには死後もけしてなくならない亡き人との豊かな交流が開かれるのではないでしょうか。
人は死んで終わりではありません。霊とか魂とかそういうことでなく、死後もずっと残された人が思う限り影響を受け続けるものです。
あなたの悲しみの深さがそのままお祖父様との関係の深さであり、思いの深さでしょう。
お祖父様は今、命の終わりという事を通してあなたに大事なメッセージをくれているのです。姿形も声もなくとも、ただその命の終わりという大きな大きな「事実」から、残された人は無限の促しをうけていくのでしょう。
これからもお祖父様から豊かな促しを受け取るならば、あなた自身もまた死んで終わるような命を生きているのではないと気づかされます。そういう大きないのちに目覚めることがお祖父様から願われているのではないでしょうか。
お祖父様とこれからも出遇い続けてください。
最後にこの言葉を贈ります。
金子大栄「花びらは散っても花は散らない 形は滅びても人は死なない」