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欲望や不安との付き合い方

回答数回答 1
有り難し有り難し 15

私は現在、ウェブでイラストなどを投稿しています。
幸いなことに、最近たくさんの方から作品への反応をいただくようになりました。
今後は、人に楽しんでもらえるような作品制作に励みたいと思っております。
ただそれに当たって、精神的な面でいくつか不安な点があり、どのような心構えを持つと良いか、ご教示いただけないでしょうか。
・いつか炎上してしまうのではないか
最近は些細なことでもネット上ですぐ拡散され、袋叩きにされるような事案が多発しており心が重くなります。明日は我が身と感じます。
なるべく絵を描く事に徹するようにして、トラブルを起こさないようには気を付けていますが、不安です。
それは自分自身に後悔や罪悪感を感じている過去がたくさんあるからでもあります。
いつかそれらを掘り起こされて炎上してしまうのではと思ってしまいます。
・SNSはギャンブルのように感じる。欲に飲まれそうで怖い。
評価依存になるのが怖いです。
TwitterなどのSNSは、拡散力もあり、多くの方の目に留まります。
一方で誰が、何人ぐらいの人が、その絵にどのような反応をしているかなど、視覚的にすぐわかるため、つい絵に対する感想を探して長時間眺めてしまったり、嫌な気持ちになるコメントを見てしまうこともあります。(特に知名度が上がるほどそういったコメントは増えるだろうと不安)
また、SNSでの評価はその時の旬や誰が拡散しているかなどで、大きく変わるため、こうした評価に捉われると、自分を見失ってしまいそうで怖い。でも、人の反応はどうしても気になってしまいます。
・義務感に押しつぶされないか不安
昔精神的な理由で、絵が描けなくなった時期があります。
ふたたび、絵を描けない時期が来たとき、描けない自分はダメな人間だと思いつめてしまいそうで怖いです。

このようなは自分の欲望や不安をうまくコントロールして、活動を続けていくためのアドバイスいただきたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。


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お坊さんからの回答 1件

回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。

ネットの「評価」は良くも悪くも煩悩

こんにちは、初めまして。

「最近たくさんの方から作品への反応をいただく」とは、嬉しいですね。何も反応がなければ寂しいし、あればあったで「評価依存になるのが怖い」のでしょう。難しいところですね。

私はネットでのコミュニケーションは匿名であればあるほど相手を透明人間だと思うぐらいがちょうど良い、と考えています。

映画で過去に透明人間を題材にしているものがあります。人間は、周囲から咎められない存在になったら、或いは自分の行為だと発覚しないことが前提になったら、欲望のままに好き勝手をする、ということが描かれています。大概、その末路はバットエンドですが。

ネットは、よくも悪くも、匿名性があるほど本音が出てきます。
しかし、その本音は日常の自分のように一定の節度を持って本音を言う場合がある一方、相手のことを傷つけても構わない、建設的でないような雑言もあります。

人間は、根底的に煩悩という自己中心性に生きています。
自分を基準にし、自分の都合の良いものを貪り、都合の悪いもの怒り遠ざけようとするものです。

だから、ネットでの発言は、透明人間の煩悩の言葉だと思うぐらいの受け止めで丁度よいのだと思います。これを、日常のリアルなコミュニケーションのように受け止めてしまうと、「精神的な面」「不安」に苛まれる可能性があり、身が持ちません。

そして、あなたへの作品の「評価」も同様だと考えれば宜しいと思います。かのゴッホでも生前はほとんど「評価」されなかったと聞きます。煩悩の人間の「評価」とはそういうものでしょう。

「絵を描けない時期が来たとき、描けない自分はダメな人間だ」と思うことについては、継続するための少し力を抜いた、自分のコンディションとの相談が必要だと思います。今日は一寸気持ちが上がらない、別のことをしてみようか。ただボーとしてみようか。そして、少し時間を置いて、自分の気持の上がり具合と相談しつつ一寸やったり、休んだりする。そういう心との相談を密にするといいと思います。

応援しています。

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有り難し
おきもち

釋 悠水(しゃくゆうすい)
浄土真宗本願寺派報恩寺住職(兵庫県三木市) 本願寺派布教使 元本願寺布...
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質問者からのお礼

返信が大変遅くなってしまい、申し訳ございません。
煩悩の「評価」に惑わされないようになんとかネットなどから距離を取るようにしています。
絵が描けなくなる時もあって、その時は、いただいたお言葉を思い出して、休む心がけをしました。今は元気を取り戻し、日々、作品づくりに励んでいます。
ありがとうございました。

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