死産について
初めまして。先日悲しい出来事が起こりました。弟の3人目の子供が流産してしまいました。9月に産まれる予定だったので安定期に入って安心してたのですが…
上の子供2人は10歳と8歳で健康です。
明日5/17火葬するって言うのですが、当人に対してどのような声を掛けてあげればよいのでしょうか?産まれてくるのをみんな楽しみにしてたので掛けてあげる言葉が見つかりません。兄の立場から火葬場に駆けつけた方が良いのでしょうか?服装は喪服で行った方が良いのでしょうか?また、兄としてしてあげられることはありますか?
質問がうまくまとまっていなくてすみませんが、回答のほど宜しくお願いします。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
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14の心のヒダ
ひろひろさま
はじめまして、なごみ庵の浦上哲也と申します。
弟さんのことから半月余り、その後はいかがでしょうか。
弟さんや義妹さんと、お話する機会はありましたでしょうか。
少々遅いかもしれませんが、ひとつアドバイスをさせて頂くとするなら、「聴く」に徹する事です。人の悩み苦しみに対し、言葉での慰めが効果的に働くのは難しいことです。
まずは、じっくりと聴くこと。あとは相手の言葉を否定しないことです。
たとえば弟さんや義妹さんが、流産を「自分のせいだ」と仰ったとします。
お兄さんとしては「そんな事はない!」と言いたくなると思います。
でもそこをグッとこらえて、相手の思いを聴くのです。
お気付きでしょうか。
上記の文章で「きく」という言葉を「聞く」ではなく「聴く」という文字を用いました。
「聴」は「耳へんに十四の心」と書きます。
心に14のヒダを作って、相手の悩み苦しみをそのヒダに受け止めるのです。
じっと聴き続けるのは辛いことですが、もし弟さんたちが口を開くことがあれば、それを受け止めて差し上げて下さい。
言葉よりも寄り添ってあげること
ひろひろ様、心中お察し申し上げます。
以前、他の解答でも申しましたが、拙寺は近くに火葬場がある関係で死産児の火葬に何度か立ち会った事があります。
弟さん夫婦、特に奥様は肉体的にも精神的にもかなりダメージがあると思われます。
もし火葬に立ち会われるのであれば、服装は喪服でなくとも地味な格好でよろしいかと思います。
そして言葉よりも寄り添ってあげること、そっと支えてあげることが一番大切なのではないでしょうか?
僧侶の読経があれば、静かに聴き入り悲しみを共にし、最も苦しい火入れの際は、しっかり弟さん夫婦の哀しみを受け止め、身体を支えて下さい。
死産児の火葬は、柔らかい骨を残す為、大人の火葬より時間が掛かります。その苦しい時間をいっしょに居てあげるだけで十分弟さん夫婦の支えとなるはずです!
ひろひろ様も辛いでしょうが、その時間いっしょに居てあげて、悲しみを共有してあげることが何よりの慰めになると思いますよ!
お母さまのお体を、気遣ってさしあげてください
明日火葬とのことで、急ぎお返事いたします。
「火葬場に駆けつけた方が良いのでしょうか」という文章からよく分からなかったのですが、弟さんからは「もし参列できるなら来てほしい」というニュアンスでお知らせがあったのでしょうか。「家族だけで送りたいので、参列は遠慮してほしい」という意向でしたら、日時は伝えないでしょうし…。
服装については、弟さんご家族と申し合わせて頂ければと思いますが、その時間がなければ喪服が無難です。地域にもよると思いますが、私の住む宮城県では火葬場に平服でお越しの方を見たことがありません。
かけてあげる言葉が見つからなければ、無理に言葉を出す必要はありません。赤ちゃんの後生のお幸せを念じ、一緒に手を合わせていただけるだけで十分です。私自身、生まれた子どもが3人、流産した子供も同じく3人います。お母さまのお悲しみお察しします。いまは誰のどんな言葉もうつろに聞こえてしまうかもしれません。むしろ重要なのは、死を現実として受け止めていくこれからの時期です。
月数の進んだ死産は、母体に相当なご負担がかかっています。本来ならば、産後と同じくらいのご養生が必要なはずです。いまは気が張っていらっしゃるでしょうが、くれぐれもご無理をなさらないようにと気遣ってさし上げてください。サポートする立場の弟さんも、上のお子さん方も、さぞお力落としのことと思います。何か手伝えることがあればいつでも言ってほしいと、ひと言励ましていただくだけでも…現実には、何らかのお役に立つ機会がないとしても…ご家族にとっては心強いと思います。
映画「うまれる」
ひろひろ様
川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。
その後、弟様ご夫婦、ご家族皆様のご様子はいかがでありますでしょうか・・まだまだ悲しみや寂しさなどもおありであるのではないかとは推察申し上げます・・特に奥様の精神的、肉体的なご負担はかなりのものがあるかと思われますので、ご主人様はもとより、周りのご家族の皆様による支え、助け、励ましも大切になるかと存じております。
また機会がございましたら、これまでにもhasunohaの回答におきまして何度かご紹介させて頂いて参りましたが、映画「うまれる」( http://www.umareru.jp/ )を是非一度、弟様ご夫婦に、もちろんひろひろ様ご夫婦もご覧になって頂けましたら、ほんの少しでも色々なことへの気づきや癒やしとなるのではないかと存じております。
既に映画館の上映は終わり、DVDの発行もないため、全国の自主上映会への参加になるかとは存じますが、拙生は全国上映時に観させて頂きまして、本当に色々な気づきがあり、今でも有り難かったと振り返らせて頂いております。
当たり前と思っていることが当たり前でない現実に直面致しますと、私たちはどうしても迷い苦しむことが多くございます・・もちろん、仏教では、当たり前ということなどあり得ない、思い通りにならないというこの苦しみの現実世界のありようをしっかりと理解して、ではいかにしてその悩み苦しみを超えていくべきかを考えていくことが望まれることになります。
そのためにも、困難に直面した時、その困難と真正面から向き合って、少しずつにでも解決を目指すことが必要となります。
もちろん、まだまだ死産というお辛い現実に、真正面から向き合うには時間が掛かってしまうかもしれませんが、確かなる水子様の御供養と共に周りの皆様による支え、助け、励ましにより、少しずつでも向き合えるようになり、様々な癒やしや気づきにより、やがて、苦しみ、悲しみを乗り越えられていかれますことを祈念申し上げます。
川口英俊 合掌
質問者からのお礼
早速返事有り難うございます。兄としては火葬場に行って手を合わせるのが今出来ることなのかなっと思ってました。本来そうすべき事が正しいと思い行くと伝えたのですが、弟から気を使わせたくないから来なくて良いよと言われました。よくよく考えて見ると弟やお嫁さんの気持ちを考えたら行かないことが一番よいことなのかなと思いました。ただ、自分なりに考えた結果が甘かったと思うと心が虚しくなります。
電話でお嫁さんの体調を気遣う事と、弟にはあまり気を落とすなって伝える事位しか出来ませんでした。
今はそっとしておくことが良いのかなって思います。