独身の娘
いつもお世話になりましてありがとうございます。心より感謝いたしております。
夫を在宅で看取ってから1年が経ちました。まだまだ悲しみは深く辛いですが、娘と二人、前向きに一生懸命頑張って生きています。
長い間重荷だった、同居の超高齢の両親二人の問題も、母の精神科への入院を経て、父の望みだった二人そろっての同じ施設への入居を、なんとかこの春実現させました。
夫を亡くした悲しみを抱えながらの父母の介護だったので、本当に大変だったです。娘にも多大な苦労を掛けてしまいました。本当に良く手伝ってくれました。
そして、6月に父が98歳で他界しました。
夫の他界の手続きも終わっていないうちに、また父の他界の手続きをがんばりました。
なんとかここまで来たところですが、ずっと私の支えになってくれていた独身の娘(33歳になったばかりです)の事が最近大変気にかかり、ご相談させていただきます。
娘は、ありがたいことにきちんとした仕事を持ち、良い友人もおります。誠実な彼氏もおりますが、娘はまだまだ結婚する気がないようです。
私は、今の二世帯住宅をいずれ売って小さな住まいに移るとき、娘は独立するように言ってあります。できればお互い、近い住まいに・・と話しておりますが。
お坊さま、一人っ子である娘が独り身の場合、私が他界する時一人で見送るのか・・・と思うと、とても可哀想になってしまうのは、考えすぎでしょうか。
なぜ結婚を決断しないのかはわかりませんが、ひそかに心配するのは余計なお世話でしょうか。もちろん、結婚の事は、全くうるさく言っていません。私自身が遅い結婚でしたし、結婚して子供を持つことだけが幸せではないことは、良くわかっております。
独身である一人娘との生活を、どのような心構えでやっていけばよいか、最近とても考えてしまっております。
親ばかだと思いますが、本当に優しい気立ての良い娘なので、心から幸せになることを願っています。
どうぞ、こんな母親に、アドバイスをいただければ幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
回答は各僧侶の個人的な意見で、仏教教義や宗派見解と異なることがあります。
多くの回答からあなたの人生を探してみてください。
どれだけ大切で愛おしいか、その想いをどうぞお伝え下さいね。
ご家族をお看取りされたこと、大変なご苦労の中にも、あなたや娘さんには大切なものとなって残り、それが支えになることと思います。亡くなられた方は、仏縁へと導いてくださるのですもの。
わが子にも、幸せになってもらいたいですよね。幸せの形はそれぞれですが、パートナーがいたり、結婚するということも、一つの幸せの形ですものね。
人は多くの関わりの中で生きていますから、家族や身近な人の繋がりもありますよね。そして別れも経験していかねばなりません。だからこそ、支えが必要だと感じていきます。ただそれは、「家族」でなくてもいいのかもしれないし、家族だから苦しいときもありますよ。
私は、終末期の心のサポートをしています。最期にそばにいてほしいと頼まれたり約束をして、看取る場合もあります。独居で訪問医療を受けておられ、ご家族とともに見守ってもきました。
今 娘さんがお一人でも、寂しい人生が先にあるとは限らないし、悲しみを受け越えていくときに一人とも限りません。
看取りが、お一人であっても(私も一人で看取る場合がありましたが)決して辛いばかりでもなく、あたたかいものを残していってくださるご縁もありました。
どれだけの関係であったか、後悔はないか、想いを伝え合えたか、出来ることをしてきたか、そんな時間の過ごし方がとても大切になってきます。後の気持ちを支えるのはね「一人」ということが問題でもありません。
娘さんは、これから様々な経験を通して人生を考えていかれるでしょう。あなたも、娘さんを想うなら、心配ではなく、どれだけ愛しているかをお伝えください。どんなことがあっても、生きていける支えになれるように。それは、亡き後も変わらないわ。
質問者からのお礼
中田さま
暖かいお言葉を本当にありがとうございます。涙が出ました・・・。
とても慰められ、励まされました。
これからも、何度もお言葉を読み返し、心の支えや行動の指針にしていこうと思います。
今までも、多くの方(プロの方、友人たち・・・)に支えていただきました。
私も一生懸命生きて、ささやかでも何か世の中や人様にできることをしていきたいと思っています。
心より感謝いたします。ありがとうございました。